論文・研究レポート

非常時地下水利用システム
(内閣府 戦略的イノベーション創造プログラム(SIP))

内閣府の戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)において、地下水シミュレーションモデル並びに地盤沈下モデル等(又は3次元水循環モデル)により、非常時の地下水利用による地盤沈下への影響を再現し、防災計画や避難計画への非常時の地下水利用の反映を支援できるシステムを開発しました。
具体的には、関東平野では首都圏直下地震時、濃尾平野では南海トラフ巨大地震時に想定される具体的な水の不足量の時系列シナリオを作成し、それに対して地下水を利用する割合と地盤沈下量の関係を算定し、経済被害との関係から適切な地下水利用量を検討できるシステムとなっています。システムには、防災井戸の設置場所・汲み上げ能力について検討可能な機能を付与するとともに、災害時に防災井戸等で地下水が円滑に利用される地域社会の体制作りに資する非常時地下水利用指針(案)を策定しました。
更に本プログラムでは、全球測位衛星システム(GNSS)による地盤沈下モニタリング技術の開発及びドローンを利用した空中電磁探査による地下比抵抗分布から浅部地下水状態を把握する技術の開発も行いました。
本研究開発は、2018~2022年度にかけて内閣府戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)「国家レジリエンス(防災・減災)の強化(災害時地下水利用システム開発)として沖大幹東京大学教授(代表)の下に実施されました。

地下水に関する世論調査

内閣府では、地下水に関する国民の意識を把握し、今後の施策の参考とするため、令和3年9月30日から令和3年11月7日「地下水に関する世論調査」を実施しました。
調査項目は、①地下水に関する認識について 、②地下水マネジメント推進への取り組みについて 、からなり、全国の18歳以上の日本国籍を有する者3,000人 を対象に郵送法で行い、有効回収数 1,701人(回収率56.7%)でした。
行政が地域の関係者と取組を行うことについて、「必要と思う」「どちらかといえば必要と思う」との回答が98.1%を占め、さらに行政が行うべき取組については、「地下水の実態調査と分析を行うべき」との回答が最も多い結果となりました。
行政の取組を望み、かつ目に見えない地下水の実態解明に対する関心が高いことがうかがえます。

日本の地下水(農業用地下水研究グループ,1986)

日本の地下水(農業用地下水研究グループ,1986)では、全国の177の地下水盆・地下水区を対象に、各地域の地形・地質、地下水に関する情報等を取りまとめています。 下記より各地下水盆・地下水区の概況を参照できます。

地下水学会誌(公益社団法人日本地下水学会)

地下水学会誌は、地球の水循環を構成する地下水を正しく理解し、現在および将来にわたって地下水とそれを取り巻く環境を保全・有効利用していくため、地下水に関わる自然科学・社会科学諸分野における基礎的研究およびその応用研究、学際的研究から技術開発等にいたるまで、広く成果を掲載し、普及・交流を促進することを目的としています。

水文・水資源学会誌(一般社団法人水文・水資源学会)

水文・水資源学会誌は、水の禍を最小限に抑え水の恵みを最大限に享受するための自然科学、工学、農学、人文社会科学など幅広い視点からの調査研究に基づく学術論文に加え、水循環研究のビジョンや学術の在り方にかかわる幅広い年齢層の会員による多様な意見を掲載し、水文・水資源学とその産官学民によるコミュニティの発展、次世代人材育成に貢献しています。社会変化や気候変動が水循環に及ぼす影響評価とリスクマネジメント、地域のステークホルダーとの協調による統合的水資源管理や流域治水の実現、国際河川の係争問題など、これまでの伝統的な学術のみでは対応が難しい課題の解決に資する研究論文が数多く発表されています。

水環境学会誌(公益社団法人日本水環境学会)

水環境学会誌は、水環境分野のさまざまな課題を扱う学術専門誌であり、水環境に関連する分野の学術的調査や研究、知識の普及、健全な水環境の保全と創造への寄与、水環境文化活動の推進、学術・文化の発展へ貢献することを目的としています。

応用地質(一般社団法人 日本応用地質学会)

学会誌「応用地質」は、地質と人間活動の相互作用の結果として生じるエンジニヤリングや環境・災害問題の調査・研究や、その解決に関するサイエンスといった応用地質学に関する調査研究の推進、技術の進歩普及と会員相互の交流を図り、学術・文化の発展に寄与することを目的としています。

農業農村工学会論文集(公益社団法人 農業農村工学会)

農業農村工学会論文集は、農業の生産性向上と農村の生活環境の整備、農業農村にかかわる中小都市も含めた地域全体の持続的発展を図るため、循環を基調とした社会を構築し、水・土などの地域資源を、人と自然の調和、環境への配慮を重視して合理的に管理する科学技術の振興と社会の発展に寄与することを目的としています。

地域地下水情報データベース(公益社団法人日本地下水学会)

地域の地下水に関わる情報に言及した論文・資料等を、地下水盆・地下水区毎に収集・分類し、ホームページ上で閲覧可能なものについては、原文PDFまたは原文公開ページへのリンクを付して紹介されています。
現時点では、下記について掲載しており、今後、継続的に紹介資料の充実を図る予定です。

  • 『地下水学会誌(前身誌の 水文地質研究会会誌1958-1959,日本地下水学会会誌1959-1986を含む)』の掲載記事
  • 『日本の地下水,農業用地下水研究グループ,1986 』の地下水盆・地下水区毎の説明ページ
  • 『水文・水資源学会誌』の掲載記事

日本地図上で参照したい地方をクリックすると、当該地方の資料一覧にスクロールします。資料の原文・要旨等を参照できる場合にはリンクが設定されています。

地下水ブックガイド(公益社団法人日本地下水学会)

地下水に関する本や資料の情報を、全国的な内容のもの、各地方に関するものに分けて整理し、一部については「ブックリスト」に目次等と紹介コメントが整理されています。