就職する時に、恩師が「国家公務員の仕事は『翻訳』だ」という言葉を贈ってくれました。国民の声を制度や法律の形にするという仕事です。36年この仕事を続けてきて、まさにその通りだと思います。だから、公務員には「聞く力」と「創る力」が求められます。
仕事は苦しく、かつ楽しいというのが実感です。社会に大きな影響を与える政策の立案や施行は責任も重く、大変です。でも、若い時から責任のある業務を任せられることは大きな魅力です。一方で、大きな仕事であればあるほど、自分の前任者から仕事を引き継ぎ、そして後任に引き継いで、何代もかけてやっと仕上げるということもよくあります。出来上がった仕事に名前が記されるわけでもなく、チームの一員として力を尽くすことが求められます。
残業は多いですが、多くの先輩が仕事と家庭を両立しています。私も二人の娘を育てながら働いてきました。両立制度も整ってきましたし、多くの先輩や同僚がサポートしてくれます。保育所のある役所も増えています。夫(職場結婚)は、共働きの生活について「たくさんの苦労でたくさんの幸せだろう」と言います。大丈夫、何とかなります!
友人の竹中ナミさんが米大使館から「勇気ある女性賞」を受賞した時に「若い時からやんちゃだった私に重度心身障害の娘がミッションを与えてくれた。私のエネルギーに方向性が与えられた」という話をされました。それを聞いて、「私の場合は、引っ込み思案だった私に、公務というミッションがエネルギーを与えてくれた」と思いました。エネルギーあふれるあなたにも、そして引っ込み思案だけれど世の中のためにできることをやってみたいと思っているあなたにも、公務という仕事をお勧めします。我々と一緒に働きませんか。