普及啓発方法

普及啓発方法に関して、先進的に取組を進めている地方公共団体等を紹介します。

うきは市

うきは市は、地下水だけで生活用水がまかなわれている、全国でも珍しい「水のまち」です。
この豊かな地下水を将来にわたって守るために、平成27(2015)年に「うきは市地下水の保全に関する条例」が制定され、平成30(2018)年には「第2次うきは市環境基本計画」を策定するなど様々な取組が行われてきました。 特に「うきはテロワール」と名付けた農業・観光分野の取組は、地下水資源の有効活用や地下水に対する市民の関心を高める取組として今後が期待されています。テロワールとは、生育地の地理、地勢、気候の特徴をさすフランスで生まれた言葉です。
うきは市の農業をとりまく恵まれた環境を「うきはテロワール」と名付け、その中の一つである「水」について「うきはの恵水」としてPRしています。

座間市

座間市は、欠かすことのできない貴重な財産である地下水・湧水を守っていくため、枯渇することなく湧き出る湧水の存在を伝えることが、目に見えない地下水を保全する重要な手段になると考え、湧水を巡る見学ツアーやガイドマップの配布、水をテーマとした出前講座の開催など、草の根的な手づくりの普及啓発に長年取り組んでいます。
湧水ざまップは、市内の湧水を紹介し、地下水・湧水のしくみを分かりやすく説明するリーフレットで、公募された市民等からなる座間市地下水保全連絡協議会と座間市が共同で作成し、市のイベント等で積極的に配布しています。
座間市の地下水環境について関心を深めて頂くことを目的に、市職員が企画する湧水ツアーを開催し、毎年好評を得ています。簡易水質検査キットを用いた水質検査を実演するなど、水に対する関心と知識を高めてもらう工夫をしています。
また、昭和56(1981)年に教育研究所を設置し、小学生向けの地域学習副読本「わたしたちの座間」を発行し学校教育の現場で座間の水について分かりやすく伝えています。
さらに、市の職員が講師となって小中学生の課外授業や自治会、各種団体などを対象に出前講座「ざま生涯学習宅配便」やその他様々な機会を通じて、水の普及啓発を行っています。

秦野市

昔から地下水に恵まれてきた秦野市では、明治23(1890)年、国内でも早期に近代水道が整備され、給水が開始されました。それ以来、秦野市の地下水は水道水源として、市民に大切にされてきました。
今は市民にとって当たり前の存在の秦野の名水も、かつては水源枯渇・水質汚染の危機に見舞われ、全国に先駆けて、地下水保全のための条例を制定し、市が主導して地下水の保全管理を強力に推進してきました。
取組の結果、秦野市の湧水群は環境省の「名水百選」に選ばれ、さらに環境省が平成28(2016)年3月に実施した「名水百選」選抜総選挙で「おいしさ」部門1位を受賞するなど、名水として広く知られるまでに至りました。
市民共有の財産として先人たちから受け継いできたこの貴重な地下水を将来に引き継いでいくため、市では名水の魅力を内外へ発信することに力を入れており、「使う」・「守る」・「育てる」・「伝える」取り組みを行っています。
特に、「伝える」取り組みは多岐にわたり、様々なコンテンツで市民への啓発を行っています。

熊本地域

水道水源のすべてを地下水で賄っている熊本市は、地域と一体となった地下水保全活動のため、「くまもと『水』検定」、「くまもと水守」、「熊本水遺産」、「環境教育・生涯教育」など、様々な啓発活動を行っています。