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2021年度版 女性国家公務員の活躍事例

多様な働き方で誰もが活躍できます

国家公務員として、さまざまな分野、地域で活躍し、着実に経験と成長を重ねてきた女性職員たち。
キャリアアップの過程で、それぞれライフイベントを経て、大きなライフスタイルの変化を体験してきた職員も。
業務のスキルを磨きながら、より働きやすい環境を追求してきた彼女たちの経験談を通して、
フレックスタイム制やテレワーク、仕事と生活、子育ての両立支援制度などの活用事例をご紹介します。

01
考え方は人それぞれ。仕事と育児を両立させ、
子供が誇りに思える母親になる
中野 晶子さん
内閣官房 内閣人事局 働き方改革推進担当
平成14年 国土交通省採用・総合政策局観光部(インバウンド推進、旅行業法改正などを担当)
平成16年 都市・地域整備局公園緑地課(法規係長として都市緑地法・都市公園法・屋外広告物法の政省令改正などを担当)
平成18年 米国留学 UCLA(カリフォルニア大学ロサンゼルス校)公共政策学部にて、公共交通政策を勉強
平成20年 海上保安庁総務部政務課(法規担当専門官として海賊対処法、貨物検査特別措置法の制定などを担当)
平成22年 中部運輸局企画観光部交通企画課(交通企画課長として中部地域の公共交通ネットワーク形成支援などを担当)
平成24年 航空局航空ネットワーク部首都圏空港課(総括課長補佐として羽田空港・成田空港の容量拡大政策の企画立案などを担当)
平成26〜29年 第一子出産 育児休業取得(夫の海外赴任に伴いベルギー・ブリュッセルにて子育て)
平成29年 大臣官房総務課(企画調査官として、各種案件の省窓口業務、働き方改革を担当)
平成30年 総合政策局安心生活政策課(企画調整官として、公共交通のバリアフリー化推進などを担当)
令和元年 内閣官房 内閣人事局出向(企画官として国家公務員の働き方改革などを担当)

仕事と生活を両立させること

 私は内閣人事局で、国家公務員の働き方改革、その中でも勤務時間の管理や長時間労働の是正に関わる業務に携わっています。この取組は最近ニュースにも取り上げられました。労働実態の見える化を推進するため、霞が関全職員の在庁時間の調査や分析を実施したり、「国家公務員の女性活躍とワークライフバランス推進のための取組指針」という働き方改革等の取組を推進するガイドラインの改正などを行ったりしています。
今ではかなり働きやすくなってきていますが、私自身も若い頃に長時間労働に対して「本当にこれでいいのだろうか」という疑問を持っていたのも事実です。子供が産まれた平成26年を機に、仕事と生活を両立させることの難しさ、時間の制約のある中で成果を出していくための仕事術などと向き合っています。この経験が、現在担当する業務に直結し、企画立案にも役立っていると感じますね。

 子育てをしながら仕事を続けている職員が少なかった時代もありますが、今は仕事の時間とバランスを取りながら子育てを両立させることが当たり前の時代です。限りある時間を大切にしながら活躍する職員が増えています。このように、仕事と子育てを両立しようとしている職員が働きやすい環境を作れないと、業務にも支障を来すのです。私自身がこのような状況を身を持って体験しているからこそ、より良い政策づくりに前向きに取り組むことができるのだと思います。

 仕事をする中で、各省庁が働き方の改善のために実施している素晴らしい取組に触れる機会も多々あります。こうして知った情報を、内閣人事局として広く各省庁と共有し、横展開していくことで職場が変わっていく。現場から「あの取組、やってみてよかった」という声を聞くのが嬉しいです。

育児に対する考え方は人それぞれ

 テレワークの制度はコロナ禍になる前から活用していましたが、コロナ禍をきっかけに「特別な事情がある人が使うもの」という印象から「誰でも使うもの」になり、非常に使いやすくなったと感じます。オンライン会議も普通に行われるようになり、出勤での業務とテレワークに差がなくなってきましたね。私はフレックスタイム制も活用して、子供のお迎えに対応したりもしています。
そのときの自分の状況に合わせて業務をテレワークに切り替えることで、無理をすることなく、そして仕事の流れを止めることもなく進められました。とはいえ出勤しないとできない業務もあるので、出勤とテレワークを効率的に組み合わせられるよう、日頃から計画的に業務を進めることが大切だと考えています。

 私は育児休業の取得と合わせて、夫の海外赴任に同行したという経験もあります。海外での子育てを自ら体験できたことで、例えば小さい子供連れでも移動しやすい公共交通の在り方を考えるなど、今後の仕事にもつながる良い経験になったと考えています。
帰国後は職場に復帰し、仕事と育児を両立する生活に段階的に慣れていきました。自分が今後どういう働き方をしていきたいか、上司などと話をする機会を頂けたのも有り難かったです。育児に対する考え方は人それぞれ。一つの制度だけで対応できるものではないですから。

 夫にも子供のお迎えや家事をできる限り対等に分担してもらっています。夫も同じ国家公務員として働いているので、職場の状況を理解し合っていること、お互いの上司からの協力を得られたということも大きいかもしれません。また職場の同僚に対しても私自身のプライベートの予定を事前にできる限り共有することを心がけました。「時間制約」の中で仕事をしなければならないのは何も育児中の私だけではありません。同僚のプライベートも大切にできるよう、「お互いさま」の気持ちで助け合うようにしています。

子供が誇りに思える母親に

 私が仕事をしていることで、子供に寂しい思いをさせているかもしれません。だからこそ私は、仕事を楽しんでいるということを子供に話すようにしています。子供との時間が物理的には少なくなっている分、その時間を使って私が仕事に打ち込んでいることに意味があるんだと知ってほしいのです。「これがお母さんの仕事だよ」と話して聞かせることで、子供が母親を誇りに思う、そんな仕事をしていきたいと思います。

 現在は内閣人事局に出向していますが、もともとの入省は国土交通省で、国民の生活に密着した分野の業務に当たってきました。子育てのしやすい社会を実現するためにできることは何か、常にその視点を持ちつつ、施策として反映させていくこともできるはず。現在の業務やこれまでの経験で得た知見を、次の仕事でも役立てながら人のためになる政策作りに取り組んでいきたいです。
国家公務員の仕事は、必ず誰かの幸せにつながっていく仕事です。そんな仕事をしている自分の毎日を楽しみ、仕事とプライベートの両方が私自身の人生を豊かにしているのだという手応えを感じながら、思い切り生きていきたいです。

アコーディオンを開閉する
02
お互いの状況を理解しあえる働き方を目指し、
制度や仕組みを確立する
野々村 美香さん
内閣官房 内閣人事局 調整担当
平成18年 総務省採用・統計研究所(外国統計編集係員として編集業務を担当)
平成20年 関東管区行政評価局(会計係員として会計業務を担当)
平成22年 行政評価局(政策評価官室係員として政策評価の推進業務を担当)
平成23年 行政評価局(評価監視官室係員として行政評価局調査を担当)
平成25年 行政評価局(評価監視調査官に昇任)
平成25年 人事・恩給局(給与第一係長として給与制度に関する業務を担当)
平成26年 人事・恩給局(能力意欲向上係長として成績不良者の改善措置を担当)
平成28年 第一子出産後 育児休業取得
平成29年 内閣官房内閣人事局(福利厚生係長として福利厚生制度に関する業務を担当)
平成30年 第二子出産後 育児休業取得
平成31年 内閣官房内閣人事局(調整第一・第二係長として超過勤務対策に関する業務を担当)

働き方を変えていく

 私は平成31年に内閣人事局に出向となり、現在は国家公務員の超過勤務対策に関する業務を担当しています。長時間労働の削減を目的に、まずは職員の皆さんが今どの程度の超過勤務をしているのかを正確に把握する。超過勤務縮減の取組をしてもなお超過してしまう勤務に対しては、適正に手当を支給するため、予算確保に向けた各省の取組を支援することなども担っています。これまで行われていた長時間労働、その実態を正しく知ることができなければ対策のしようもありません。各省庁と連携し、情報を集めることで今後の働き方を変えていくことができるのだと考えています。
さらに現在は「働き方改革」推進のツールとして、勤務時間管理のシステムを開発中です。内閣人事局だけでなく希望する省庁で使ってもらえるシステムにしていくため、これまで集められた情報や意見をもとに試行を実施しているところです。

 入省以来、各省庁と関わる業務が多かったこともあり、現在担当する内閣人事局の仕事でも各省庁に協力をお願いすることの大切さは身に染みています。調査や協力とは依頼される側にとっては負担に感じるもの。その負担感を少なくするため、依頼内容の全体像を広い視点で見て把握し、的確な情報とともに対応していくことを重視しています。日頃のやり取りから、省庁ごとの風土を知っておくことも必要ですね。このようなコミュニケーションから、オフィシャルな文書には現れない現場の「実は……」という本音が聞き出せたり、相談を持ちかけられたりすることも。頼りにされているという実感は、この調査や対策が今後もたらす効果への期待でもあると思うので、やりがいに感じられますね。

お互い状況を把握しあえる体制の確立

 現在のコロナ禍にあって、大きく変わったと感じるのは全省庁の担当者が集まる会議の形です。これまでは対面での会議のみでしたが、オンラインでの参加も選択できるようになったことで参加しやすくなったという声があがっています。オンライン会議に対する潜在的な需要があったということですね。
また令和2年春の緊急事態宣言後、私自身もテレワークとフレックスタイム制を併用した働き方を実施しています。朝7時から業務を開始して、午前中は仕事に集中。そして午後は早めに仕事を切り上げ、子供と過ごす時間に当てるようにしました。保育園の登園自粛要請が出されたときでも、この二つの制度のおかげで業務を継続することができたと感じています。在宅で仕事をしながら子供の対応を行うのは、現実問題として難しいものです。試行錯誤しながら、我が家に適したスタイルを見つけていきました。
これらの制度のもとでスムーズに業務を進めていくため、各省庁からの書類提出期限の時間を正午指定にしたり、問い合わせ対応は折返しでの返答を中心にしたりするなどの工夫もしています。勤務時間や環境に制限があるなかで、いかに効率的に業務を進めていくか。それには同僚や上司の協力は欠かせません。緊密にお互い状況を把握しあいながら、連携を取れる体制も確立してきました。

 私はこれまで2回の産休と育児休業を取得しています。どこの職場でも同僚や上司の理解があり、休暇を取りづらいと感じたことはないですね。同僚には同世代の先輩ママもたくさんいます。そこで子育てと仕事のやりくりについてアドバイスをもらう機会もあり、心構えもできたのだと思います。
我が家は夫も国家公務員なので、お互いの仕事の状況を理解し合っていたということも大きかったかもしれません。協力して当然という意識を共有し、どうしてもお互いに仕事を休めないときはベビーシッターや家事代行サービスなども活用しながら、効率的な分担を行うようにしています。
振り返ると、テレワークの体制がなかったら、仕事を継続できていなかったのではないかと思うこともあります。テレワークなら子供が寝たあと、すぐ仕事に戻ることができる。仕事に穴を開けることなく、子育てとの両立が可能になっています。

制度や仕組みをしっかりと利用できる職場

 仕事とプライベートを両立させることだけにとどまらず、その満足度を上げていくことも今後の目標としています。「私はやれるところまでやった」。自分でそう思えるよう、チャレンジを続けていきたいです。それには様々な制度や仕組みを利用することも必要だと思います。それらを上手く取り入れて、自分の仕事、生活それぞれを充実させていければいいですね。

 実は育児休業が終わったばかりの頃は、バランスが上手く取れずに仕事復帰が早かったのではないかと悩んだこともあります。しかし周りを見れば、子育て中の職員向けの研修が用意されていたり、同じような環境にある方々と交流したりする機会もあることを知りました。そこでたくさんの人と話をすることで、気づきや励ましをもらって、つらい気持ちから解放され、前向きに考えられたという経験もあります。
今度は私自身がそういった研修で、新米ママさんたちに経験を話す立場になりました。皆さんのヒントになることを伝え、協力できる環境を整えていきたいとも考えています。
私の経験上、これまで歩んできた職場の皆さんは理解がある方ばかりです。仕事と育児の両立を深刻に考えて、ネガティブになってしまう前に、周りの人に話をすることもできますし、研修や交流の機会もたくさん用意されています。ぜひアンテナを高くして、情報をキャッチしてくださいね。

アコーディオンを開閉する
03
柔軟な働き方を目指し、本当の私たちを
知ってもらう環境づくり
袴田 紗依子さん
内閣官房 内閣人事局 任用担当
平成20年 文部科学省採用・初等中等教育局幼児教育課(幼稚園制度を担当)
平成21年 スポーツ・青少年局(現:スポーツ庁)企画・体育課(局の取りまとめを担当)
平成22年 生涯学習政策局(現:総合教育政策局)男女共同参画学習課(家庭教育支援を担当)
平成23〜26年 第一子、第二子出産 育児休業取得
平成27年 初等中等教育局特別支援教育課(障害のある子供に対する教育制度を担当)
平成28年 初等中等教育局参事官付(学校と地域の連携、教員の負担軽減を担当)
平成29年 文化庁美術学芸課(文化財の保護と活用を担当)
平成30年 文化庁文化経済国際課(文化と経済の循環を担当)
令和元年 内閣官房内閣人事局出向(課長補佐として国家公務員の任用制度、国家公務員志望者拡大に向けての広報活動を担当)

本当の私たちを知ってもらうために

 私が現在担当している業務は、大きく分けて二つあります。一つは国家公務員の採用や昇任などの任用制度の担当として、各府省が法にのっとって制度を的確に運用していくための整備に関わっています。そしてもう一つが国家公務員の志望者拡大に向けて、学生に対して国家公務員という仕事をPRするというもの。学生は国家公務員に対して、仕事が厳しそう、堅苦しそうというイメージを持ち、就職先として敬遠されがちですが、私たちの本当の姿を知ってもらうための企画などを展開しています。
なかなかどんな仕事をしているのか伝わりにくい国家公務員。そのリアルに触れる機会を多く用意し、学生のやりたいことを仕事にする選択肢の一つとして、国家公務員という働き方もあるんだよ、ということを知ってもらいたいと思っています。
PR活動を通じて学生の方から「国家公務員についてあまり知らなかったけど、職員の方々と話してみて興味が湧いた」「堅いイメージが覆された。親しみやすいと思った」「自分には遠い仕事だと思っていたけれど、目指せる可能性があると知った」など、さまざまな声をもらえるのが嬉しいです。前向きな反応は学生にとって実りのある時間だったということ。手応えを感じます。これからもイベントやSNSなどを活用しながら、学生との接点を多く作っていこうという気持ちになりますね。

 こうしたイベントは私たち職員だけでは形になりません。協力をお願いする外部企業の方々の意見、情報などを吸収してより良いものへとブラッシュアップしています。また学生と目線が近い若い職員の声を聞くことも重要。キャリアにこだわらずフランクに議論できる雰囲気を作ることも大切にしています。
学生と触れることで気づいたのは、私たちここで働く職員が仕事を楽しんでいないと、学生たちには見抜かれてしまうということ。まずは自分自身、毎日の仕事を楽しんでいくことが第一です。

柔軟な働き方に対する理解

 内閣人事局に出向となったのが令和元年の夏。二人の子供はそれぞれ保育園の年長と小学2年生でした。私は通勤には2時間近くかかるのですが、フレックスタイム制を利用して、子供の登園、登校のタイミングで一緒に家を出ることが可能に。さらに子どもをお迎えに行く日は、夕方退庁し、夜はテレワークで再度仕事に戻るという働き方をしています。夫は民間企業に勤務していますが、夫もフレックスタイム制を利用し、週に2日は育児、家事を担当してくれています。また、コロナ禍にある今は、テレワークでの勤務を増やしているので、通勤時間に当てていた時間を業務時間に当てたり、早めに業務を終えて子供と過ごす時間を増やしたりしています。
このような柔軟な働き方に対して職場の理解があったことも大きいですが、私自身としてもこのような時間の使い方をしていいんだと視野が開けました。もちろん職場にいない時間や業務を中断することも多くなるので、その時間に部下や同僚からの相談メールや情報などを受け取り、夜、仕事に戻ったときに返答をしていくなど、時間の使い方を工夫し、その方法をみんなで共有していくことも大切です。全てのことを対面で相談する必要はない、部下からメールで報告が届くことを当たり前だと考えることでやり取りもスムーズに。便利な制度を私自身が率先して活用することで、部下たちも働きやすくなっていくはずです。

 私は子供二人の出産、育児休暇を4年、続けて取得しています。その4年間はまったく仕事に触れずに過ごしていたので、仕事に復帰できるか不安もありましたね。業務だけでなく、PCのスペックだって4年も経てば変わっていますから。
でもそんな心配は不要でした。一か月が過ぎるころには、あの不安は何だったんだろうと思うくらい、仕事に馴染んでいたことを思い出します。これは上司や部下たちの協力が大きかったと思います。子供が体調不良になったときなど、快く「休んでいいよ」と言ってくれる。このような対応を当たり前のようにしてくれたことに感謝しています。

迷いなく手を差し伸べられる環境に

 内閣人事局は国家公務員の様々な働き方に関する制度の旗振り役でもあります。今は出向してこの職場で勤務していますが、近いうちに文部科学省に戻ることになるでしょう。そんなときに内閣人事局で経験した便利な制度や働き方を、積極的に省内にも取り入れていきたいですね。省庁によっては様々な制度がまだ浸透していないところもあります。そこで今ある制度をどんどん紹介し、活用できる環境を作っていきたいと考えています。
このような制度は、先輩たちが長い時間かけて頑張って確立してきたものです。その背景を受け止めつつ、これからパパやママになる職員たちに、今度は私たちが「こうやっていけばいいんだよ」と伝えていく番です。

 仕事がどんなに大変でも、人間関係が円滑ならば乗り切ることができます。良好な人間関係を作るためにも、自分が困ったときには素直に声を上げ、そして周りが困っているときには迷いなく手を差し伸べるよう心掛けています。上司や部下という立場に遠慮せず、情報や意見を伝え合える雰囲気を作ることも大切です。そんな心のゆとりが、仕事とプライベートを両立させていくには欠かせないことだと思います。

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