本サイトに掲載する資料等は、政府の委託事業の下で有識者の助言を得て、調査・収集及び作成したものであり、本サイトの内容は政府の見解を表すものではありません。このサイトについて

時代別テーマ解説

時代区分 Ⅱ 竹島が島根県に編入された1905年(明治38年)前後から終戦まで 明治時代~1945年(昭和20年)

資料集 vol.1 竹島に対する平穏かつ継続的な行政権等の行使

行政権等の行使:③許認可・産業取締(漁業関連)

アシカ漁業者への衛生面における指導 No.17 佐鎮機密第7号ノ49

1905年(明治38年)7月4日

資料概要

 この資料は、日本海軍が竹島に仮設望楼を建設するにあたり、1905年(明治38年)7月4日、佐世保鎮守府司令長官から島根県知事に対して竹島のアシカ漁業者取締について照会したものの写し。
 照会内容は、仮設望楼の建設に際して竹島の実地調査を行ったところ、島根県から竹島に渡航している多数の者たちが、捕獲したアシカの皮を剥ぎ肉体を海岸へ投棄し、付近の海水が黄色く濁り悪臭を放ちそれが到底耐えられるものではないこと、佐世保鎮守府としては仮設望楼の建設のために人員を竹島に在勤させなければならないが、そうした衛生上の問題があるので難しく、今後、竹島へ出漁する者に対してアシカの肉体を海岸に投棄せず、添付した別紙図面(現存しない)の方向の遠い海上に投棄するよう注意を促すものであった。
 この照会を受け、同年7月22日、島根県第4部長は、隠岐島司に警察署長と協議の上で速やかに取締を行うよう通牒しNo.18、隠岐島司は同年7月26日、竹島のアシカ漁業者らに厳重に説示したNo.19

内容見本

佐鎮機密第七号ノ四九
今回其筋ノ訓令ニ依リ本府ニ於テ日本海竹島(リヤンコールド岩)営造物建設ニ着手可致然ルニ同島ニハ貴県下ヨリ毎年海豹(驢ナラン)猟ノ為メ渡航スルモノ数多有之候趣過日本府ニ於テ実地踏査セシメ候際左記ノモノノ外数十名目下在猟致居候趣同人等ノ所為ニ依レバ海豹ノ皮ヲ剝キ肉体ハ其侭同海岸ヘ投棄シ其数頗ル多クシテ漸次腐敗シ附近潮水ハ黄色ヲ呈シ一種異様ノ悪臭ヲ放チ到底当人ノ堪ヘ得ベキ所ニ無之然ルニ本府ニ於テ営造物建設ノ上ハ必要ノ人員ヲ在勤セシメ候ニ付テハ衛生上難擱候条今後出猟スルモノニ対シテハ、海岸ヘ投棄セス別紙図面ノ方向遠ク海上ニ搬棄スル様貴県ニ於テ厳達相成度又目下ノ渡航者ニ対シテハ右ノ趣至急御達相成候様致度此段及御照会候也
明治三十八年七月四日
鮫島佐世保鎮守府司令長官
松永島根県知事殿

島根県隠岐国西郷町大字西町
中井養三郎
外数十名

作成年月日 1905年(明治38年)7月4日
編著者 佐世保鎮守府司令長官
発行者 佐世保鎮守府
収録誌 竹嶋
機関コード 日本語
言語 日本語
媒体種別
公開有無
所蔵機関 島根県公文書センター
利用方法 島根県公文書センターで利用手続きを行う
(島根県竹島資料室で複製本の閲覧可)
ページの先頭に戻る