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現場から知る国家公務員

DISCOVERING NATIONAL PUBLIC EMPLOYEES FROM THE FIELDS

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REGIONAL FINANCE

明るい日本の未来を私たちの手で!国の課題に挑む!

Shinya Matsumoto

松本 伸弥

金融庁 監督局
総務課 企画調整係長
2020年入庁

PROFILE

監督局総務課企画調整係に所属。主に金融機関の監督事務に係る施策について、局全体の企画や政策立案、他省庁・他部局との協議事項(例えば「金融行政方針」や「骨太の方針」など)に関する局内調整を行う。官房部門と監督局原課室の橋渡しを行う歯車的な業務を担う。

現場目線でものを考える姿勢

現在は金融機関やサービス利用者の利便性向上に向けて、法令や規制の見直し、デジタル化への対応、金融機関を通じたスタートアップ企業への支援を担当しています。

局内調整でも企画立案でも共通して重要なのは、「実際の現場では何が起こっているのか」をしっかり把握することだと思っています。ビジネスモデルはどうなっているのか、どうすればサービスがより円滑になるのか。昨年所属していた地域金融企画室での経験を活かしながら取り組んでいます。

地域金融機関は、地域経済の要となる事業者を支え、成長に貢献していく役割を担っています。そのため地域金融企画室では、支援能力を向上させるための「自助」の取組みの後押し、例えばAI技術モデルを活用した効率化など「攻め」の姿勢を持つ必要がありました。

政策が机上の空論とならないよう、金融機関との日々の対話を通じ、世間で起こっている実態を把握しながら国として支援できることは何かを考えることが重要だと思っています。

実際、地方に出張し、地域金融機関と直接現地で対話を重ね、デジタル化支援における課題感や今後の目指す姿などを一緒になって熱く議論することもありました。

金融の良い循環を作り出すために

まず一番大事にしているのは、現場目線に立つことです。こうあるべきだという理想論は掲げることはできても、その前提となる市場の状況などを度外視したうえでの理想では実現には到底及ばないと思います。どうすれば金融機関に適切なインセンティブが生まれ、ビジネスとして確立し、さらに顧客側も利便性を感じるのかを考え、より良い循環を作っていくことが重要です。

そこに達するために必要なのは、現場の人たちが普段何を考えているのかを彼らの目線で考えることであり、金融機関も含め一体となって最大限力を発揮できればと思っています。

社会にインパクトを与えていく

携わっている政策が社会へ何らかの影響を与えていると実感できたときにやりがいを感じます。

例えば、自分が作成に携わったレポートを読んだよという声を聞いたり、調査をして見つかった課題がさらなる議論を呼んだりです。

その影響の大小はあるにせよ少しでも社会の役に立っていると実感できた瞬間に「やっててよかったな」と感じます。小さなことでも一つ一つの積み重ねが大事だと思っています。

入庁して4年目になりますが、自分が何をやりたいかを積極的に発言することでアサインしてもらい取り組むことができています。

日本の将来を担うスタートアップ企業の成長に貢献したいという意識もあり、現在は金融機関を通じたスタートアップ企業への支援としてベンチャーデット促進を担当していますが、国内外の様々な文献調査をした上で議論を重ね、今後1年間の方針を一緒に考えながら業務を行っています。

このように何に取り組みたいかをはっきり意思表示することで、そこに関わる機会をいただけるのは非常にありがたいことだと思っています。

これまでのキャリア

1年目は企画市場局企業開示課で、上場企業を相手としたコーポレートガバナンス改革に携わっていました。日本企業がマーケットから評価されるためにはどのような企業統治が望ましいかを、コーポレートガバナンス・コードというプリンシプルに落とし込んでいくものです。例えば「独立社外取締役の割合をこの水準以上にしましょう」や「サステナビリティに関する開示を充実させましょう」といったものなどです。

金融庁っぽくない業務に見えますが、最終的には上場企業のガバナンスを整えて投資家が投資しやすいような形につながるので、企業側に対するアプローチをしています。

2年目は総合政策局の資産運用高度化室で、インベストメント・チェーンの一翼を担う資産運用会社等がさらなる資金の好循環を実現できるよう、資産運用会社のモニタリングや対話を行っていました。

特に1番力を入れていたのはESG投信の実態調査です。

具体的には、様々な種類のESG投信の実態と投資家が有するESG投信への期待との間にギャップが生じないよう、ESG投信を取り扱う資産運用会社の組織体制、投資戦略・プロセス、開示の状況等について調査を実施していました。

現在入庁してから4部署目になり、部署ごとに対象としている業態が異なるため、一見業務のつながりが見えにくそうですが、実はビジネスという観点で見たとき、投資家から企業、その企業に融資する銀行といった形でお互い密接に関係し合っています。投資家・企業・金融機関といったインベストメント・チェーンの各参加者が各々の役割を十分に発揮するという大きなテーマの下で様々な側面から物事を見ることで、パズルのピースが埋まっていくように構造的な理解が深まっているという実感をしています。

金融庁を志した理由と、働く魅力

これから過ごす自分たちの未来を少しでも明るくするために何か役に立ちたいという思いがありました。

昨今様々な社会課題が山積していますが、明るい未来を実現するためには、目の前の一つ一つの課題を解決していくことが求められます。
その中で、私は金融の流動性を高めること、つまりあるべきところにお金が流れるようにすることに重要性を感じていました。金融の流動性とパッと聞いても、手触り感のない言葉だと思いますが、これらを良くする手がかりはまさに現場に落ちていると思っています。金融機関の最先端で活躍している方々とのつながりを大切にしながら対話を重ね、政策に反映していくことで、金融の面から課題解決に貢献していくことができます。特に、銀行・証券・保険の3業態を守備範囲とし、金融全体を俯瞰しながら考えるということは金融庁にしかできないことだと思います。

学生へのメッセージ

国家公務員として働くことで、スケールの大きな仕事に携わることができます。特に、金融庁では、金融全体にまたがる多くの情報に触れながら、社会に少しでも役に立つためにはどうあるべきかを考え抜き、その上で様々な施策を実践していくことができます。自分の知見・視野を広げながら経済・社会にも大きく影響していく、そういったここでしかできない職場はいかがですか。