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現場から知る国家公務員

DISCOVERING NATIONAL PUBLIC EMPLOYEES FROM THE FIELDS

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INTERNATIONAL

日本を世界へ、世界を日本へ。国際ルールの最前線から。人と人をつなぎ、国と国をつなぐ仕事。

Shuhei Funasugi

舟杉 秀平

外務省
在ジュネーブ国際機関日本政府代表部勤務
2018年入省

PROFILE

2018年入省。在ジュネーブ国際機関日本政府代表部の経済部に所属。
入省から2年間、軍備管理・軍縮課という部署で、日本の軍縮政策関連業務に従事。
その後2年間、外務省の研修制度を利用し、フランスの大学院にて、フランス語研修を受ける。

日本政府を代表し、日本の安全を護る。

経済部は主に世界貿易機関(WTO)の会合をフォローしており、私はWTOの開発関連会合、投資円滑化協定交渉、複数の分野にまたがる横断的事項などを担当しています。
国際機関であるWTOの代表部としての業務は、各種会合への対応が主な業務です。会合は、扱うテーマも様々であり、また、担当級の会合から大使級の会合まで形態も様々ありますが、会合対応に際しては、事前に準備をした上で、当日対応、記録作成、次回会合の対応検討という流れが基本的に共通しています。

議題や内容は会合により様々ですが、具体的な準備・対応過程としては、会合対応に備え、まずは日本の基本的な立場を本省と協力して検討します。また、並行して各分野で考えの近い立場の国や、異なる立場の国の見解を聴取し、日本として何を発言すべきかを検討していきます。会合本番では、議論の流れに合わせて内容を微調整しつつ、適切なタイミングで発言しつつ記録を作成します。作成した記録を公電の形で本省に共有し、次の会合へ備えるといったサイクルになっています。

平和と豊かさを後の世代へ受け継ぐ

入省のきっかけは、小学生時代の原爆学習に遡ります。母方の故郷が原爆投下の第一候補地であったにもかかわらずほんの偶然により被爆を避けることができたということを学び、今当たり前だと思っていることがいかに貴重なものであるかを痛感し、平和と豊かさを後の世代へ受け継いでいきたいという思いを抱きました。

大学でも歴史や国際法を学ぶ中で、国と国の最前線で信頼関係を構築し、最善を尽くす外交に憧れを抱き、条約や協定といった制度面でも、各国・国際社会からの印象・個別の関係の面でも、日本にとってより良い国際環境を当事者として作り上げ、平和と豊かさを守りたいという思いで外務省に入りました。現在の業務でも、各会合の最前線に立ち、各国のカウンターパートや国内とのやり取りを通じ、貿易ルールを通じた日本の豊かさの構築や日本が国際社会での開発協力でどのように貢献できるかの議論に携われており、やりがいに繋がっています。

様々な分野に携わることで
広く深く学ぶことができる。

国内、特に本省のカウンターパートや他省庁の考え方、また、関係国や事務局の話をしっかり聴き、日本の利益は何か、日本としての発言や振る舞いが国際社会からどのように見られるのかをその都度考えることを大事にしています。また、国内外とのやり取りが非常に重要なので、理解ができるまでしっかりやり取り・議論するようにしています。

また、会合の際には議論が発展する場合に貢献するためにこの提案はどういう意味なのかを事前に調べて、提案した国やメンバーに対して、何を意味しているのかをしっかり取材して、会議に臨んでいます。本省との意思疎通が非常に重要なので、メールだけではなく電話でもお話しするようにコミュニケーションをしっかりとることも日頃から心がけています。

国家公務員として働く魅力

日本全体を見る立場から、各個別の分野でどうすればより国の利益となるかと真剣に考えることができる視点の広さに魅力があると思います。

外務省では、機能と地域の軸で多種多様な分野に携われることも魅力です。

つい4年前には世界の核軍縮の議論に携わっていたかと思えば、現在は国家間の経済ルール作り、貿易や開発協力といった全く新しい分野に真剣に取り組むことができ、知見の幅を広げかつ深めていくことができます。

また、在外公館では、様々なレベル感がありますが、各国・国際機関に対して日本を背負って立つ局面が多々あります。WTOでも、あるテーマについて議論する際に、その背景や周辺情報、日本の立場についてしっかりと理解した上で、参加・貢献することが求められ、個の理解や考えが試される機会も多く、プレッシャーがかかる場面もありますが、非常に大きなやりがいがあります。

その他にも、外務省の同僚や他省庁からの出向者、各国カウンターパートとの日々の議論を通じ、多様な考え方に触れる機会もあり、常に自分自身の考え方をアップデートしていく環境があると思います。
このように広く深く専門的な知識を学ぶことができるので、興味関心分野が広い学生さんに来ていただきたいですね。