外国による偽情報の事例
外国の関与が疑われる偽情報の事例(日本に関する事例及び海外の事例)の一部を、偽情報の流布によって想定される主な影響に基づき、類型化して紹介します。
国際的評価・信用の毀損
特定国・地域の政策や社会の動向等を誤認させる偽情報が流布することにより、国際社会における特定国・地域の利益や評価・信用等が毀損されるおそれがあります。
日本政府高官が(実際には行われていない)X国の軍事行動を非難したとする投稿がSNSで拡散した。
- 本人の公式アカウントが投稿したかのように見せる加工スクリーンショット画像が使われた。
日本の一部地域の住民が、同地域は日本ではなく他国に属すると叫びながらデモ活動を行っているとする投稿が、動画とともにSNSで拡散した。
- 投稿内容とは異なるデモ活動の映像や音声を組み合わせた動画が使われた。
X国で発生した自然災害について、同国による気象兵器の実験が原因であるとの投稿がSNSで拡散した。
- 災害の様子を誇張して描いた生成AI画像が用いられた。
- 多くのWebサイトやSNSで同様の文章や画像が多言語で使い回された。
他国・地域との関係への悪影響
特定国・地域に対する他国・地域の印象を悪化させる偽情報が流布することにより、特定国・地域と他国・地域との信頼・協力関係に悪影響が及ぶおそれがあります。
自衛隊とX国軍の合同訓練において事故が発生したとする記事が、ニュースサイトに掲載された。
- 信頼できるニュースサイトのように見せかけ、偽情報を含む記事を掲載していた。
- 不自然な日本語が散見され、架空の住所が用いられた。
X国にある日本人学校の運動会において、生徒がX国に対立的な選手宣誓をしているように見せかける動画がSNSで拡散した。
- 日本国内の学校で撮影された運動会の選手宣誓の動画が加工され、実際の宣誓内容と異なる字幕やナレーションが付された。
X国で実施された選挙に際し、Y国がX国への影響工作を行っていることを示す偽造された公文書がSNSで拡散した。
X国軍が使用するY国製の戦闘機が撃墜されたとする動画や画像がSNS上で拡散した。
- 撃墜の様子を描いたフライトシミュレーターゲームの映像やAIで生成した画像が使われた。
社会の分断・不安定化の助長
特定国・地域において、人々の対立や政府への不信、情勢不安等を煽るような偽情報が流布することにより、社会の分断や不安定化につながるおそれがあります。
X国で実施された選挙の後、当選した大統領が貧困に苦しむ同国民に向けて蔑む発言を繰り返す動画が拡散された。
- X国の大統領が実際に発言しているように見せかけたディープフェイク動画が使われた。
X国の大統領選挙において、候補者の犯罪歴を捏造する記事がニュースサイトに掲載された。
- 信頼できるニュースサイトのように見せかけ、偽情報を含む記事を掲載していた。
- 無関係な記事の写真が転用された。
X国の人々が街頭に集まりY国との紛争に反対の声を上げている動画が、SNSで拡散した。
※1 「X国」や「Y国」は、原則として事例ごとに異なる国を指しており、共通で特定の国を指しているものではありません。
※2 政府の情報収集活動に支障を及ぼすおそれがあることから、本サイトに掲載している事例に関するお問合せには対応しかねますのでご了承ください。
こうした偽情報にだまされないためには、情報を見極めることが重要です。
情報を見極める際に気を付けるべき主要なポイントを紹介します。