令和5年の大雨等において効果を発揮した事例から代表事例を採り上げ、資料を作成しました。以下の表のPDFリンクから以下のような詳細情報をご覧いただけます。(全14事例(一括ダウンロード))
対象施設 ・分野 |
事業名 (事業主体) |
地域 | 効果を発揮 した災害 |
事業内容と効果 |
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文化財 | 国指定重要文化財における対策事例(史跡の老朽化対策)(岡山県津山市) | (岡山県津山市) | 令和4年台風第14号、令和5年台風第7号 | 史跡津山城跡では、排水対策を含む石垣の老朽化対策を実施。令和4年台風第14号で、城内の他の箇所の被害(復元建物である備中櫓の漆喰壁剥落等)が発生した一方、老朽化対策実施済の「二の丸東側石垣」では被害が生じなかった。また、令和5年台風第7号においても被害が生じなかった。 |
道路 | 高規格道路のミッシングリンク解消及び4車線化、高規格道路と直轄国道とのダブルネットワーク化等による道路ネットワークの機能強化対策(九州地方整備局宮崎河川国道事務所) | 宮崎県宮崎市~日南市 | 令和5年梅雨期の大雨 | 令和5年梅雨期の大雨において、日南市伊比井地区では、規制基準を超える連続雨量194mmを記録し、国道220号は約13時間の全面通行止めを行ったが、令和5年3月25日に開通した東九州自動車道清武南IC~日南北郷IC間が迂回路となり、代替機能を発揮した。 |
砂防 | 砂防堰堤整備により土砂・流木を捕捉し、土砂災害を防止(九州地方整備局筑後川河川事務所) | 福岡県朝倉市 | 令和5年梅雨期の大雨 | 筑後川水系赤谷川流域では、甚大な被害を受けた平成29年7月九州北部豪雨災害以降、令和5年6月までに直轄砂防事業にて砂防堰堤等を集中的に整備し、福岡県に施設移管を行った。令和5年7月10日出水では大量の土砂・流木が発生したが、それらの施設が効果を発揮し、土石流及び土砂・洪水氾濫による被害を防いだ。 |
農業 | 排水機場の新設による湛水被害の防止(福岡県) | 福岡県久留米市 | 令和5年梅雨期の大雨 | 近年の豪雨により排水不良が生じ、湛水被害が頻発したが、排水機場の新設により排水機能を強化することで令和5年7月の大雨では湛水被害は発生しなかった。 |
治山 | 治山事業による事前防災効果(長野県) | 長野県下伊那郡天龍村 | 令和5年梅雨期の大雨 | 長野県下伊那郡天龍村内においては、令和5年6月梅雨前線に伴う大雨により山地災害が発生したが、治山対策を実施した地区については、流木・土石流対策を行っていたため、山地災害の発生を未然に防止した。 |
対象施設 ・分野 |
事業名 (事業主体) |
地域 | 効果を発揮 した災害 |
事業内容と効果 |
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河川 | 大和川水系大和川 流域治水対策による浸水被害の軽減(国土交通省近畿地方整備局) | 奈良県大和川流域(奈良市・王寺町・三郷町・田原本町など) | 令和5年梅雨期の大雨 | 令和5年6月梅雨前線による大雨では、大和川流域で平成29年10月出水と同規模の雨量を記録したが、河道掘削や遊水地・雨水貯留施設の整備など、流域全体での治水対策により、浸水戸数が大きく減少。 |
砂防 | 急傾斜地で発生したがけ崩れにおいて崩落土砂を捕捉し、人家等への被害を防止(和歌山県) | 和歌山県海南市 | 令和5年台風第2号の大雨 | 5か年加速化対策により、急傾斜地崩壊防止対策を実施。令和5年台風第2号に伴う大雨によりがけ崩れが発生したが、崩壊土砂を捕捉。周辺人家等への被害を未然に防止した。 |
農業 | 農業用ダムによる洪水調節機能強化の取組(国、県、水資源機構、土地改良区等) | 全国 | 令和5年梅雨期の大雨 | 農業用ダムの有効貯水量を洪水調節に最大限活用するため、5月31日から6月2日にかけて、全国6基の農業用ダムにおいて事前放流を実施し、下流河川の水位上昇の緩和・被害防止に寄与した。 |
農業 | 倉谷池の防災・減災対策(和歌山県) | 和歌山県橋本市 | 令和5年梅雨期の大雨 | 「倉谷池」では、洪水吐きの流下能力を向上させる工事を実施。令和5年6月の大雨時(55mm/時)に、洪水を安全に流下させ、下流側の農地、住宅等には被害が発生しなかった。 |
消防 | 救助用資機材等の整備の促進による消防団設備の強化(愛知県安城市 等) | 愛知県安城市等 | 令和5年梅雨期及び台風第2号の大雨 | 令和5年梅雨前線による大雨及び台風第2号等において、消防団設備整備費補助金を活用して配備した資機材を活用することで、各地の消防団において災害対応能力の向上に寄与した。 |
道路 | 国道138号線 道路の排水施設等に関する緊急対策(国土交通省中部地方整備局) | 静岡県駿東郡小山町 | 令和5年台風第2号の大雨 | 3か年緊急対策により、道路の排水施設等に関する緊急対策として、冠水実績がある等の排水不良箇所における排水構造物設置工事を実施。 令和4年9月台風15号、令和5年6月台風2号では、冠水が発生した平成30年3月豪雨を超える連続雨量を観測したが、路面冠水等が生じることはなく、交通機能を確保。 |
警察 | 警察情報通信設備・機器の整備等に関する緊急対策(警察庁) | 静岡県浜松市 | 令和5年梅雨期及び台風第2号の大雨 | 令和5年梅雨前線による大雨及び台風第2号による土砂災害現場において災害現場映像をリアルタイムに伝送することで、警察本部、警察庁、首相官邸等との迅速な情報の共有を図り、効果的な部隊運用に貢献した。 |
警察 | 警察における災害対策に必要な資機材に関する対策(埼玉県警察) | 埼玉県越谷市 | 令和5年梅雨期及び台風第2号の大雨 | 埼玉県警察において、警察庁が各都道府県警察に浸水等の水害対策として配分した水難救助資機材を活用し、令和5年梅雨前線による大雨及び台風第2号により埼玉県越谷市で発生した浸水被害により車両内に取り残された被災者に対し、警察官が迅速かつ的確な救出救助活動を実施した。 |
警察 | 交通情報収集・提供・活用のためのシステムの整備・運用(警察庁) | 全国 | 令和5年梅雨期及び台風第2号の大雨 | 広域交通管制システムを運用し、災害時の交通対策の立案に活用できるデータを提供した。 |