No.18 「元禄竹島一件」(安龍福の一度目の来日を含む)

概要

 1692年(元禄5年)、村川家が鬱陵島に行くと、多くの朝鮮人に遭遇した。翌年、1693年(元禄6年)に鬱陵島に渡海した大谷家も朝鮮人に遭遇し、その場にいた安龍福を含む朝鮮人2名をアワビ漁ができなかった証しとして日本に連れ帰った。その後、江戸時代、対朝鮮外交・貿易の窓口であった対馬藩は、江戸幕府の命を受け、安龍福らを朝鮮に送還し、朝鮮に鬱陵島への渡海禁制を要求する交渉を始めた。しかし、朝鮮側は鬱陵島は古来朝鮮の領土であると主張し、交渉は難航した。
 1696年(元禄9年)1月、幕府は、朝鮮との争いが生じるのを避け友好関係を尊重して、日本人の鬱陵島への渡海を禁止することにした。その一方で、竹島への渡海は禁止されなかった。

関連する資料集

竹島に関する研究・解説サイト

資料番号 年月日 資料タイトル 所蔵機関(注) 行政文書綴り等(注)
No.11 1696年(元禄9年)1月28日 竹島(鬱陵島)渡海制禁の奉書(写) 米子市立山陰歴史館 -
  • 所蔵機関・行政文書綴りは、研究・解説サイトの資料集の掲載のものを記載していますが、実際には複数の機関・綴りで同一文書の写しを保存しているケースがあります。

竹島ポータルサイト

資料番号 年月日 資料タイトル 所蔵機関(注) 行政文書綴り等(注)
T1696000000103 1696年(元禄9年)1月28日 竹島渡海禁制の達書(写) 米子市山陰歴史観 -
  • 所蔵機関・行政文書綴りは、ポータルサイトの掲載のものを記載していますが、実際には複数の機関・綴りで同一文書の写しを保存しているケースがあります。

関連する主古文書へのアクセスなど

タイトル 所蔵機関(請求番号など)(注) 概要
『大谷家文書』 島根県竹島資料室 2019(平成31)年1月、大谷家の関係者から「大谷家文書」500点以上等の資料が島根県に寄贈された。
『大谷家由来実記』 米子山陰歴史館 米子山陰歴史館及び米子市立図書館には、大正期に米子町誌編纂に際して大谷家文書の調査が行われた際に作成された『村川家文書』の謄写本の複写等が保管されている。
「郷土資料村川家附竹島渡海」 米子市立山陰歴史館及び米子市立図書館 米子山陰歴史館及び米子市立図書館には、大正期に米子町誌編纂に際して大谷家文書の調査が行われた際に作成された『村川家文書』の謄写本の複写等が保管されている。
『鳥取藩政資料』 鳥取県立博物館 旧鳥取藩主池田家に伝来し、昭和44(1969)年8月に子孫である池田徳真氏から鳥取県へ寄贈された資料群。竹島関連部分の画像と翻刻が第1期島根県竹島問題研究会に行われている。
『竹島紀事』 国立公文書館など
(271-0145など)
享保11(1726)年に編纂された元禄竹島一件に係る対馬藩の関連書類をまとめた書物。
島根県竹島問題研究会第1期報告書の資料編に国立公文書館が所蔵する版の翻刻が掲載されている。
『磯竹島事略』(『磯竹島覚書』) 筑波大学 附属図書館 中央図書館
(乾ヨ219-187100767500024,坤ヨ219-187)
元禄竹島一件の元禄8年12月~元禄12年10月にかけての関連書類をまとめた書物。
島根県竹島問題研究会第1期報告書の資料編に筑波大学附属図書館が所蔵する版の翻刻が掲載されている。
また、国立公文書館にも写本があり、同デジタルアーカイブで閲覧可能。 (写本①) (写本②)
『通航一覧 巻之百三十七』 国立国会図書館など
(343-4は)
『通航一覧 巻之百三十七』(朝鮮国部百十三)に関連の記述がある。
「朝鮮王朝実録」『粛宗実録』 韓国国史編纂
委員会
同委員会ウェブサイトで閲覧可能。
『大谷氏旧記』 東京大学史料編纂所
(影写本、請求記号:3071.72-3)
(透写本、請求記号:2075-1170)
明治年間に写されたもの。所蔵史料目録データベース(Hi-CAT)での資料イメージ閲覧可能。島根県竹島資料室でもコピーを所蔵。
『村川氏旧記』 東京大学史料編纂所
(請求記号:2075-1098)
明治年間に写されたもの。所蔵史料目録データベース(Hi-CAT)での資料イメージ閲覧可能。島根県竹島資料室でもコピーを所蔵。
  • 複数の機関が所蔵している場合、複数の版が存在する場合は、主なもの、アクセスしやすいものを紹介しています。