内閣官房 サイトマップ
トップページ 内閣官房の概要 所管法令 記者会見 報道発表 資料集
政策課題 国会提出法案 パブリックコメント等 情報公開 調達情報 リンク
 トップページ > 政策課題 > 国土強靱化 > 広報 > 国土強靱化:私のひとこと

国土強靱化:私のひとこと special.7

命を守るため私達にできる 5つの行動を考えよう!

国土強靱化ワークショップ(第4回)

“ナショナル・レジリエンス”に対して、様々なテーマで創造的な解決策を模索する「国土強靱化ワークショップ」。4回目となる今回は、「命を守るため私達にできる5つの行動を考えよう!」をテーマに掲げ、平成29年2月4日(土)東京都にて開催しました。


第4回国土強靱化ワークショップ参加者の集合写真

命を守るために自分がすべきこと、「自助」に向き合う

災害発生時には、自助、共助、公助という3つの助け合いが必要になります。その中でも、最も大切なのは自助。つまり、1人1人の意識、行動です。自分の命を守るために、平時から考え備え、いざという時に行動できるようにしなければ、互いに助け合うことはできません。そこで、本ワークショップでは、「命を守るため私達にできる5つの行動を考える」をゴールに、実際の災害現場で起こっている事と真剣に向き合い、リスクコミュニケーションに必要なことを知り、自分たちが自分のためにやるべき行動について考えました。
 今回も、20代?60代までの多様な方にご参加いただきました。初対面の方が多い中、互いに心を開いて話せる環境をつくるために、体を動かす簡単なゲームを行った後、自己紹介をして、和やかなムードの中ワークショップが始まりました。

救急救命の現場で見た命~災害時、現場で何が起きているのか?~

最初に、話題提供として被災地で救済の指揮を取られている医学博士で防衛医科大学校准教授の秋冨愼司様より、災害現場で何が起きているのか、お話しいただきました。
 「実際、災害というのはどんなに頑張っても最悪です。」そう始めた秋冨先生。JR福知山線脱線事故や岩手・宮城内陸地震、東日本大震災の現場で起こったことを、お話くださいました。助けてほしいと声をあげている人がいるにも関わらず、助けられなかったこと。助けたい人が目の前にいるのに、ヘリが到着しなかったこと。許容量を超えた患者が運ばれてきてパニックになる病院。本当に辛い状況です。このような状況でも、多くの人が立ち向かい、解決しようと動いていますが、それでも、災害の大きな力の前には人の力は微力です。
 しかし、災害に関する情報が誤って解釈されていたり、情報が伝わらなかったり、対応方法を間違えていたり、これまで小さなボタンの掛け違いで、助けられるたくさんの命が亡くなってしまったという事実についても教えてくださいました。
 また大災害では、助けて欲しい人と助けられる人のバランスが崩れてしまいます。飽和状態の病院では、全ての人に対応できない状況になってしまうからです。そこで、すぐに助けなければならない人を見つけ出すことが必要になってきます。より多くの人の命を助けるために、助ける優先度をつける「トリアージ」について、正しい知識を学ぶ必要があるのだそうです。
 参加者からも、トリアージと救急医療についての質問があがりました。「医学的な知識が何もない我々が重症の人を見つけた時にどう対応したらいいのか?」「重症者で声が出せないような方をまずは移動させるという考えで良いか?」など。その質問に対し、秋冨先生は、わたしたち医療知識のない一般市民でも簡単にできる方法について教えてくださいました。まず、避難場所で「こちらが助けられる場所です。」と示し、避難してもらいます。その時、自分で動ける人は緑。動けずに「助けて欲しい。」と声を出している人は黄色。声も出せずぐったりしている人は赤。黒色はよほど明らかでなければ判断しない。まずは、そのトリアージの基準を覚えること。さらに、声を出だせない人ほど、命の危機に瀕している重症の患者だとうことを忘れずに、“声なき声”に注意して観察し、危険な人から早急に移動させる。このアプローチが大切なのだそうです。
 さらに、これまでの経験を教訓に活かしていくことが大切だと言います。東日本大震災では、想定していないことが次々に起こりました。想定に対してどう対応するかを考える「リスクマネジメント」だけでなく、想定外のことが起きてしまった場合にどうするのか、「クライシスマネジメント」を考える必要があるのだそうです。想定外のことがあった時に、誰かの過ちを攻めるのではなく、柔軟に対応できなかったしくみを反省し、前に進んでいかなければなりません。


秋冨慎司様による話題提供のグラフィックレコード

参加者が感じたリスクマネジメント、クライシスマネジメントの弱さとは?

秋冨先生のお話を聞き、参加者どうしで感じたことを話し合いました。「いざ現場に行っても恐怖で何をしたらよいか分からなくなると思う。」「私たちも、どう動くべきかについて、もっと学ぶ必要がある。」「助けるシステムとして、縦の連携はできているけれど横の連携ができていない。もっと考えなくては。」など、さまざまな意見が交わされました。


発言を書き出しながらグループで議論する様子

二次災害を防ぐには?被災者でありながら支援者であり続ける危険性

参加者が内容を噛み砕けたところで、もう一度、秋冨先生からお話をいただきました。お話は、二次災害での自助に及んでいきます。
 災害で恐いのは、災害発生直後の逃げ遅れだけではありません。逃げ遅れた人を助けに行った人が巻き込まれてしまったり、助けたいという思いが強く、働きすぎて心が折れてしまったり、一生懸命に動けば動くほど辛い思いをしてしまいます。被災者でありながら支援者になることは、とても危険です。少しでもリスクを感じたら、現場から離れられるように周りの人も配慮しなければいけない、とのことでした。
 そんな時に、自分自身をどうやって守るのか、また、自分が死んでしまった後に残された家族がどうやって生き延びていけるのかを、システムとして考え作らないといけないと言います。自助・共助・公助は7対2対1と考え、自分たちの力だけで生き延びるために備えなければいけないのです。備蓄は一週間分用意する。防犯ブザーを持つ。避難所の中に、ボランティアのふりをして入ってくる犯罪者がいるということを知り、そこから、家族を守れるような環境を作る。など、私達ができることはたくさんあります。

自分事で考え、自分が行うべき行動を考えよう!

ここからは、自分事で考える時間です。1人ひとり、自分の生活を振返り、次の2つの項目に記入していきました。

  • もし災害に合ったら、自分や、自分の大切な人にとって脅威となること、心配なこと
  • 災害発生?避難生活で、自分と自分の大切な人の命を守るため、自分にできること
 自分だけのことでなく、家族や大切な人の脅威や心配事を書き出し、そのリスクから命を守るためにできることを考えていきました。事前にやるべきこと、やっておきたいことは、どんどん書き込まれ、1人ひとり配布したA3の紙がいっぱいになっていきました。
 次に、書き出した内容をグループで共有しました。1人では気付かなかった視点に気付いたり、人と違うことから自分の大切なものに気づく時間になっていきました。
 そして、「自分の命を守るためにできる5つの行動」として、グループごとにまとめてもらいました。具体的にどこまでやるべきか、何が大切なのか?サポートしてもらうことで効果的にできることはないか?など、深く議論が進みます。議論しながら行動シミュレーションが進んでいくグループもありました。単なるToDoリストの作成ではなく、他の人にもおすすめしたい行動指針が出来上がっていきます。

「命を守るために自分にできる5つ行動」を発表

考えたことを模造紙にまとめ、7つのグループから、それぞれの考えが発表されました。
 例えば次のようなものです。

  • 1週間分の備蓄を蓄える(分散して置いておく/自給自足できる準備をする)
  • 住んでいる地域を知る(危険な場所、安全な場所を知る)
  • 近所の人たちと顔が見える関係をつくる
  • 応急手当ての講習を受けておく
  • 家族との連絡手段、合流方法を共有しておく
  • 普段から居場所を連絡し合う習慣をつくる
  • 精神的ストレスを軽減してくれるモノを用意する
 それぞれの行動に対して、「早速、やってみたいと思います!」「今日、家に帰ったら家族と計画します!」など、決意表明をされる方も。参加者のみなさんにとって、自分の行動を変えるきっかけになったようでした。

災害時、命を守るために大切だと思うことは?

そして、ワークショップ最後には、今日のワークショップの体験をとおして、感じたこと、わかったことを、共有しました。「災害時、命を守るために大切なことは?」という問いに対して、ひとりずつ一言で発表していきます。深いうなずきと拍手の中、命を守ることの難しさと尊さを共有する時間となりました。

#つながり #コミュニティ

< Special6 第3回国土強靱化ワークショップ index vol.18 豊島亮介氏 >