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選択肢に関する経済影響分析にご協力いただいた方々
野村 浩二
慶應義塾大学産業研究所准教授
原発の稼働には高い安全基準を実現するコストが必要となり、稼働なしには過去の投資を回収できない費用負担が生じます。自立的な普及を目指しながらも、再エネ推進にはしばらく政策支援が必要であると考えられています。利便性を大きく損ねない省エネの推進にもコストが必要です。2030年とは新技術の開発から十分な実用化を期待するほどに長期ではありません。いずれの選択でも、今後の電力価格の負担増は避けられず、電力は相対的により希少な財となります。しかしそれを受け入れても、提示される選択肢の電力価格はいずれも高く、家計や産業がどの程度の負担増であれば受け入れ可能なのか、より慎重な議論が必要です。選択肢では総体として発電シェアが示されていますが、原発の災害耐性や大都市圏への隣接を考慮した個別のリスク評価も残された課題です。広く議論の契機となることを望んでいます。
【経済影響分析の解説(分析機関HPにリンク)】
http://www.kojin.org/energy/energy_system.html