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国土強靱化:私のひとこと special.51

コミュニティの防災・減災を子どもと広げよう!

防災・減災、国土強靱化ワークショップ(第5回)

 令和5年度第5回ワークショップは、「コミュニティの防災・減災を子どもと広げよう!」をテーマとして、令和6年2月10日に、石川県金沢会場にて開催しました。冒頭に、令和6年能登半島地震で亡くなられた方を悼み、黙とうを捧げました。
 石川県、富山県、近畿にお住まいの方に参加いただき、今回は、今般の地震をふまえた地域・コミュニティの「強靱化」のための気づきや課題の共有化を重視する内容とし、防災・減災、国土強靱化の取組および今できることを考えるワークショップを展開しました。話題提供部分は、オンラインで全国配信しました。

話題提供者 木下 千鶴 氏

話題提供: 地域の支え合いと防災教育からのコミュニティづくり

 木下 千鶴(きのした ちづる)氏から、「地域の支え合いと防災教育」をテーマとして実践的な取組についてお話いただきました。
 木下氏は、石川県防災委員、かなざわコミュニティ防災士ネットワーク副委員長、(一社)石川県災害ボランティア協会副会長など、多岐にわたり活動されており、これまで自然災害がほとんど無かった金沢で災害を自分事と捉えている人が少ないなか、数次の被災地での体感(五感)や活動で感じたこと等から、金沢に戻って何ができるのかを考え、地域コミュニティの重要性と、子どもたちへの防災教育の取組の着想を得たそうです。
 公助には限界があり、自助・共助によるソフトパワーを全開することが大切で、そのことを進めるための地域活動をご紹介いただきました。自主防災会会長や消防団団長などに渡される災害時に使用する避難行動要請者名簿は、個人情報保護の関係で使い難く、また、災害時に急には使えない可能性があること等から、町会の班単位で、要配慮者の方からの必要な支援の自己申告やその情報共有の同意等により、班内で情報共有・班内で支える仕組みを作り、さらに、班から町会単位や小学校単位の地域まで、安否確認等ができる仕組み作りを進めているそうです。自分の困りごとを言える地域・町づくりはとても大事ではないか、種々の抵抗等もあるが一歩でも半歩でも前に進んでいかないと何もできないという思いをもって、関係する方々に理解を求めて、この取組を進めているそうです。
 また、子どもたちへの防災教育として、12年目となる地元小学校での防災教室では、自分の命を守る行動ができれば周りの大人の命も守ることができる等を伝え、これまで、段ボールベッド体験、新聞紙のスリッパづくり、簡易トイレ体験、竜巻や液状化の発生実験等を実施。今年は、1年生から6年生まで571名参加で、防災士、婦人会、更生保護女性会、金沢市のコミュニティ防災士会等にお手伝いを頂いたそうです。
 最後に、能登半島地震に関するお話として、地震後に珠洲市に行ってみると、360度どこを向いても建物が潰れており、能登の人は能登を愛しているので2次避難も難しく、また、避難先では種々の困ったことが起こっていたそうです。
 今回の能登半島地震で感じたことを絶対に忘れずに、もう一度、自助を考え直してほしい、金沢には大きな断層である森本・富樫断層があり、皆で一人一人、自分事で受け止めて備えることを考えていかなければいけない、とお話を結ばれました。

参加者・話題提供対話

 木下氏のお話から、1~3班に分かれて、防災を広げていくための気づきや悩みを共有し、グループごとに発表し、参加者全体で共有しました。
 また、お年寄りに避難方法を伝える方法や、避難が難しい場合の判断をどうするかなどの質問に、木下氏から、玄関先まで避難を誘導することや、近くの人が支えることをしっかりと伝え。実施していくことが大切とのお話や、支え合いに無反応な方への取組に関する質問には、毎年しつこいぐらい継続していくことが大切とのお話を頂きました。

 
 

防災・減災を広げる取組・今できることを考えよう!

 班ごとにテーマを決め、気づきの掘り下げを図り、防災・減災の取組や今できることを考え、各班の成果および各参加者の思いが込められた『私のひとこと』が発表されました。

 
【1班】  「地域力アップ ~巻き込み、協力、つながり~」とまとめられました。明日すぐできること・取組として、学校との連携、お隣さんと仲良くなる、町会行事の参加を進める等の提案。
 長期の取組として、祭りでの炊き出し、防災訓練の見直し、世帯台帳を作って地図に見える化、近くに逃げられる場所のマップ作成、防災新聞発行、お年寄りや子どもの参加を促進するために訓練参加でのポイント付与などの提案。
 『私のひとこと』は、「地域の方と楽しく協力」、「生涯隊長(自主防災の隊長をやっているので)」、「防災も楽しく町づくり」、「豊かな老後のために今日がある」。

 
【2班】  「災害に対応できる組織づくり」をテーマとして、問題意識を持っている人がまず行動して、町内会長や地域のキーマンを仲間にしていき、例えばLINEグループを作るなど、どんどん防災の輪を広げていく取組。町内会など地域組織が機能している地方では、その組織を生かしつつ防災意識を高めていくことが重要ではないかとの提案。
 『私のひとこと』は、「災害に対処できる組織(町内会など)をどう作っていくか」、「あきらめず防災活動を!!」、「日頃からしていないことは、いざという時、動けない。」、「防災・減災は、子どもの防災教育が地域の防災力になる!」。

 
【3班】  「高齢者を生かした○○」をテーマとして、高齢者だからと言って要支援者ばかりではなく、動ける側・助ける側の方もおり、いろいろな井戸端会議で近所情報に通じている方や昔からの住民で災害の歴史・地形に通じている方などに、一緒に動いてもらうとともに、その方の子どもたち、孫たち、知り合い等を連れてきてもらう提案。そして、とにかく自助。自助ができなければ共助にもいけないとのお話。
 『私のひとこと』は、「未来を考える、立ち止まる、進む(とにかく「自助」が基本として、「共助」を5つの「自助」が支え)」、「自助×3、近助、隣助、向助、老々共助」「みんなの知恵は宝!!」、「愛、リーダーシップ、自助、地域コミュニティ、親子、責任、定年後、男性、高齢者、相互支援」。
 

講評、クロージング

 木下氏から、自助が大事なことが伝わり、また、とても参考になる多数の意見を聞くことができた、とお話を頂きました。
 有識者の東京都火災予防審議会委員をされている池上三喜子氏から、幼児期から社会人に至るまでの総合防災教育体系と、人形を使って幼児にも分かりやすく身近な危険なもの等を解説した資料を提供・解説いただきました。防災教育を今後も使命としていく中で、諦めずに続けていくことがとても大切であることや、このワークショップの各グループでは、とても良いことに気付いており、これからも諦めずに実践してください、とお話を頂きました。
 有識者の気象予報士の宇野沢達也氏から、内閣府防災の指針に基づく金沢市の地域防災計画には、自主防災組織などを配備しなさいと示されており、それらの各組織で、要支援者台帳などに関し、どのように取り組んでいくかを複数目線で考えていく必要性を指摘されました。また、避難訓練などを地域で伝えることの大切さに加え、能登半島地震では多数の方が亡くなられ、地域コミュニティに与える影響の大きさを考えた支援が必要であることを指摘されました。そして、レジリ学園のご紹介を頂き、本日のつながりを大事にして欲しい、とお話を頂きました。
 地域・コミュニティの「強靱化」のため、能登半島地震を踏まえた気づきや課題を共有化し、地域で活動されている話題提供者、現地参加者のこれからの取組とつながり作りのきっかけとなりました。
 ワークシヨップ終了後、参加者有志で作成した、能登半島地震の被災地の皆様に思いを込めた寄せ書きを木下氏にお渡ししました。

 

第5回 防災・減災、国土強靱化ワークショップ(金沢会場)参加者で集合写真
#つながり #コミュニティ
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防災・減災、国土強靱化ワークショップ(第4回)
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内閣官房
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