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国土強靱化:私のひとこと special.50

世代がつながり広げる防災・減災!!

防災・減災、国土強靱化ワークショップ(第4回)

 令和5年度第4回ワークショップは、「世代がつながり広げる防災・減災!!」をテーマとして、令和6年1月20日、関西会場にて開催しました。

 防災・減災に関連する地域・コミュニティのつながり作りに取り組んでいる方などを対象として、防災・減災を広げていくためのアイデア・取組を考えていくこと等を目指し、関西にお住いの方による現地会場参加で開催しました。また、話題提供部分はオンラインで全国配信しました。

     話題提供者 宮西 正憲 氏
  

話題提供: 子どもファーストで取り組む防災・減災

 宮西 正憲(みやにし まさのり)氏から、小児科所属・産婦人科医師・造血幹細胞研究者だからこそ見据える長期的なビジョンで、未来志向のお話を頂きました。 宮西氏は、神戸大学の特命教授であり、神戸大学未来世紀都市学研究アライアンス(MIRAIアライアンス)プロジェクトメンバーとして活動を広げられています。防災・減災の中心は「人」であり、災害現場で極めて重要な『共助』の中心となる「人」が減ることは『人的災害』であるとして、以下のお話を頂きました。

  • 人口減少の最たる原因は、出生率の低下であり、1990年に120万人だった出生人口は、出生率1.33(2020年)で試算すると、2080年頃は38万人予想。若い人たちにとって、極めてつらい未来になる可能性。
  • その解決策は、①地方創生(出生率の全国最下位は東京)、②早期生体教育(ライフプランに関する女性自身の意思決定タイミングの早期化が可能になる政策の必要性)、③子育て支援方法の改革(子育てに関する社会保障の低さを改善し、教育や子育てに予算を投入)などであり、出生率を上げることは、未来志向の防災。
  • 生物に学ぶ技術革新(バイオミミクリー)の観点から、人の生体を街づくりに照らすと、種々の臓器と街の構造は似ている。例えば、「血管」は『道路』であり、太い血管で渋滞が発生すると病気になり、また、『人』は37兆個の細胞があると言われる人体の8割超を占める「血液」であり、結局、街づくり・国づくりも、人のバランスが良く健康であれば、自然に良くなるはず。
  • 血液のバランスで一番重要なのは「造血幹細胞」。血小板、赤血球、白血球など種々の細胞を作る大本の細胞であるが、血液中の数は少なく、一番未熟で幼弱。その幼弱な子どもが新しい大人を作り、バランスをとっている。街や国も、一番未熟な人たちが幸せな状況にいるとバランスが整っていく可能性。
  • 地方居住の若い人たちの増加のため、経済・教育・医療等の弱さを是正できるような環境づくりにバブル世代等が取り組む必要。地方産業の創出・発展に伴う若い人たちの居住などで、地方が活性化するのは極めて重要。

 そして、我々に何ができるのかとの観点で、これらのための取組み等をご紹介いただきました。

  • メタバースを活⽤し、孤独を感じている病児と世界をつなぐ企画『KOBEこどもがつながるプロジェクト』(ポートアイランドにある兵庫県立病院)
  • 宮西氏の研究室で進めている難病、遺伝病が治る可能性がある造血幹細胞を使った治療法の研究
  • 数字だけで出⽣率を追い求めるのではなく、この未来やこの社会だったら、子どもを産みたい・子育てが楽しいと望める街づくり・環境づくりなど、⼦どもを取り巻く社会を良くすることで⾃然と出⽣率が上がる街づくりを目指し立ち上げた「Birth2.0」プロジェクト
  • 人口減少の問題は、行政だけの話ではなく、皆に関わる災害であり、皆で取り組む必要がある。何に取り組むにせよ、「子どもの役に立つのか」という子どもファーストの目線を基本とする必要があり、今回を含めて色々な人とつながって取り組んでいきたいとお話を結ばれました。

参加者・話題提供対話、アイデア検討~地域の活動を育み、広げるためのアイデアを、楽しく出し合おう

 宮西氏のお話から、5班に分かれて、防災を広げていくための気づきや悩みを共有し、班ごとにテーマを決め、防災・減災を広げていくためのアイデアを出し合いました。また、宮西氏と参加者との出生率を高める根本要因に関する対話では、子ども・子育てを色々な人が支えていくこと、その楽しさを伝えていく大切なことが話し合われました。

アイデアまとめ、発表・交流~「つながり」づくりに向けたアイデアをまとめよう!

 班ごとに、アイデア検討を踏まえた取組をまとめ、各班の成果および各参加者の意気込み『私のひとこと』が発表・共有されました。

【1班】

 「ここから未来を産もう!」をキャッチフレーズに、子どもの自由や発想を大事にするワークショップやSNSで発信する広報など、子ども中心の社会づくりを目指す取組のアイデア。

 『私のひとこと』は、「子どもが笑顔になる社会、それつくるのは大人の責任」、「つながって、子どもの笑顔を守ろう」、「子どもと大人も笑顔になれる社会(自由、自然体、休息→防災につながる)」。

【2班】

 「子どもから高齢者、地域丸ごと、ワクワクドキドキ、『つながる』」をテーマに、継続的に子ども中心の地域のつながりを促していくため、地域と子どもたちをマッチングし、地域の人が説明役となる街ごと防災ラリー、授業参観と合わせた地域福祉説明会、困っている人と支援者をマッチングする掲示板などのアイデア。

 『私のひとこと』は、「守るべきは命=生命、課題解決のために生命の仕組みから学ぶ」、「子どもファーストの地域コミュニティ活性化に取り組みます」、「(小+中)学校で子どもたちと高齢者との交流会を実施したい!」、「(様々な方からお話を聞いて)賢くなりました」。

【3班】

 「地域の関係性は個人の興味から」をテーマに、押し付けではなく気軽にできることから始め、まず打ち解けていくことを主体として、やかんや風呂桶を転がす大会、子どもとおじいちゃんによる詐欺対策の講演、公民館での寺子屋などのアイデア。

 『私のひとこと』は、「子どもになりきる。」、「思いつきから始める(あまりでかいことを考えずに)」、「ちかくに思いやりあり」。

【4班】

 「大人のみなさん普段から学校へ行こう!」をテーマに、学校でのイベントや集まりを通して世代が交流し、防災を感じる場づくりとして、避難所にもなる学校での夜まで過ごすイベント、キャンプ・グラウンドでの炊き出し、参加したくない人等へのSNSのリアル配信などのアイデア。

 『私のひとこと』は、「良い刺激を頂けた」、「自分の地域から始まる防災!」、「街の血液 人を強く」、「村川参事官すばらしい(国土強靱化推進室でもっと情報発信等してほしい)」。

【5班】

 「子ども☆食べる☆祭り」をキーワードに、子どもたちのためになること、人が集まりやすい食べること、地域の伝統を伝えるお祭りを守っていくこと(高齢世代が若い世代にある程度譲っていく)の取組のアイデア。

 『私のひとこと』は、「こどもといっしょにできる楽しいこと」、「(子どもに)手加減なしの防災活動」、「子どもは地域の宝です!」、「(全ては)子どもたちの未来のために」。

講評、クロージング

 宮西氏から、子どもをテーマとして参加者が同じ方向で議論している姿に感動したことや、ご自身の体験を交えた学びの祭り化などの人のつながり作りが、防災・減災、国土強靱化につながっていくのではないかとのお話を頂きました。

 有識者の宇野沢氏達也から、防災・減災につながる取組事例として、避難路がコースとなっている中学生の駅伝大会のご紹介を頂くとともに、人の生活があるからこそ街であるとの思いを大切にした防災・減災を考えていきたいとのお話を頂きました。また、参加者の今後の活動の参考として、Facebookによりコミュニケーションを広げているレジリ学園をご紹介いただきました。

 また、有識者のレジリ学園関西校の小島一哉氏から、参加者の意見にもあった絆やつながりは、共助にとって非常に大切とのお話を頂きました。また、レジリ学園関西校の活動として、独自のFacebookの立ち上げ、東日本大震災の被災地視察、講演などの活動や、レジリ学園関西校への登録のご紹介を頂きました。

 参加者それぞれが、子どもファーストの視点で、地域やコミュニティでの防災・減災の取組のきっかけや新たな思いとなりました。

第4回 防災・減災、国土強靱化ワークショップ(関西会場)参加者で集合写真

#つながり #コミュニティ


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