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国土強靱化:私のひとこと special.45

助け合いのつながりで防災力UP!

国土強靱化ワークショップ(第3回)

 令和4年度第3回ワークショップは、「助け合いのつながりで防災力UP!」をテーマとして、令和5年2月25日関西会場(大阪市)にて開催しました。
 地域に根差しつつ、空間に限定されないレジリエンス・コミュニティ活動を広げるため、大阪府、京都府、兵庫県、奈良県のお住いの方による現地会場参加と、北海道、近畿、中部、関東の全国オンライン参加によるハイブリッド方式で開催しました。


話題提供者 前川 良栄 氏

話題提供: 「助け合いのつながりで防災・減災に取り組む~地域のみんながつながり、助け合う取組~」

 防災企業連合 関西そなえ隊そして防災士として活動されている前川 良栄(まえかわ よしえ)氏から、障害のある人、高齢者、外国人、そして怪我・病気など様々な立場のつながりによる地域の防災力向上の取組を学び、防災・減災の活動を地域に創造的に広げ、展開していくためのヒントを頂きました。
 前川氏は、京都府立宇治支援学校防災アドバイザーとして、地域と合同の避難訓練、備蓄を利用した学校給食など、地域に根差した防災活動を展開されています。また、お子さんが通う宇治支援学校での防災研修では、他校のPTAへ呼びかけを行うなど、地域を超えたネットワークづくり、活動の展開にも取り組まれています。
 東日本大震災で障害者や高齢者が避難所を転々としたケース、西日本豪雨で母子が障害のため自力で避難ができず亡くなられたケースなど地域のつながりが求められることや、地域全体としての在宅避難者の支援の必要性などを指摘されました。また、避難生活のための好事例として球磨川水害時の避難所や、地域に合わせたアプローチとして気仙沼市大浦地区の取組などを紹介いただきました。
 いろいろな地域ごとに、いろいろなやり方で取り組まれているが、このワークショップで、皆さんにそれぞれの知見に基づいてアイデアを出して頂けたらと話を結ばれました。

参加者対話・アイデア検討~助け合いが必要な人の視点から地域の活動を育み、広げるアイデアを出し合おう

 前川氏の実際の取組のお話から、現地会場3班(1、2、3班)、オンライン3班(A、B、C班)に分かれて、気づきを共有しました。
 そして、参加者それぞれが、車いす利用、障害児の親、介助が必要な一人暮らし高齢者、妊婦などの視点から、災害時の困り事や、助け合いが必要なことを考えてみました。

アイデアまとめ、発表・交流~「つながり」づくりに向けたアイデアをまとめよう!

班ごとにアイデアをまとめ、日ごろからの取組を考え、発表資料をまとめていきました。そして、各班から取組プランのアイデアが発表、共有されました。

【A班】 訓練や避難所生活への参加のハードルを下げるためには、日頃のお付き合いが大切であり、「楽しくないと長続きしない」との観点から取組プランがまとめられました。具体的には、地域への愛着を強める公園に花を植える会など、自分がその地域の一員と感じ災害への意識や情報を共有できる取組が提案されました。

【B班】 普段からのあいさつを大事にして、こつこつとつながりを作るという観点から取組が発表されました。各種団体の見学体験、障害者コミュニティや職能団体と一緒に活動するなどにより、たくさんの人を巻き込んでいく。一つの団体や組織では取り組みづらくても、選択肢を増やしていく。そして、ゲーム感覚で防災に興味・関心を持ってくれる取組など、みんなで団結して取組をこれから進めていきたいと提案がまとめられました。

【C班】 地域のつながりが減災につながるという観点から取組が発表されました。高齢者向けスマホ使い方教室、要配慮者の立場になった避難訓練、女性視点での避難所運営、地域での女性の防災リーダーの指名、イメージTENなどゲームの取入れ、小学校との連携による授業参観時での防災訓練、南海トラフに対応した高台移転や危険区域の指定などの取組が提案されました。

【1班】 情報収集をテーマとして、若い人を取り入れて、情報を集める進め方についての取組が発表されました。そのためには、構えて待つのではなく、こちらから情報発信して入っていく。動画ツールの活用、それぞれの人が実体験した声・情報の収集。そして、期限切れ間近の備蓄品をバザーに出して興味を持ってもらう、自分事として感じてもらうなどの取組が発表されました。

【2班】 つながりづくりを強くしていくために、デジタルとアナログ両方からのアプローチの取組が発表されました。地域やマンション等の人材を見える化し、掘り起こす情報共有ツール「支え合いマップ」をOKという人だけから、まずはスタートしていく取組。リアルなつながりとなる若者による高齢者向けスマホ教室。地元のお店や人気店とコラボするなど、防災色は出さずに普段のつながりを増やし、防災・減災につなげる取組が発表されました。

【2班】 現役世代の大人を巻き込むことが大事との観点からの取組が発表されました。学校で学ぶ機会のある子どもや地域に関わる高齢者に比して、現役世代は当事者意識が低いとの問題提起です。地域運動会での防災借り物競争、地域施設活用による遊びからの防災知識の提供、妊婦さん対象セミナー、防災マルシェなど、防災に直接関係ないところへの防災に関する仕掛け等を通じて、小さなグループの興味のあるところからつながっていく取組です。

講評、クロージング

 前川氏から、自分も真似したい素晴らしいアイデアがあったとの講評を頂くとともに、助け合いのつながりづくりには、要支援などで括るのではなく、その人個人に関心を持ち大切にする思いが伝わることが大切であり、そして何よりもご自分の命を守っていくことが助け合うためにも必要であるとお話されました。
 有識者の池上三喜子氏から、ご自分の体験から大事なこととして、お互いを幸せな気持ちにもしてくれる声掛け、何ごとにも諦めずに挑戦すること、子育て世代を巻き込むために子どもに配慮することのお話を頂きました。また、福祉避難所等について貴重な情報提供を頂きました。
 有識者の宇野沢達也氏は、コミュニティの最小単位の家族から活動を広めて頂きたいこと、その際には無理強いや批判をせず温かく見守ることが大切と話されました。そしてFacebook等による「レジリ学園」を情報共有の場として活用し、参加者の活動を進めて頂きたいとのお話を頂きました。
 また、レジリ学園関西校の小島一哉氏から、活動・イベントの紹介と参加の呼びかけがありました。
 参加者それぞれが、助け合うお互いの立場を考えながらアイデアを検討し、発表して共有することにより、「助け合いのつながりで防災力UP!」に取り組んでいく、大きなきっかけとなりました。




第3回国土強靱化ワークショップ(関西会場)参加者で集合写真
#つながり #コミュニティ
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【連絡先】
内閣官房
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