令和4年度第1回ワークショップは、「子どもや母親をつないで防災力UP!」をテーマとして、令和5年1月14日東京都にて開催しました。
地域に根差しつつ、空間に限定されないレジリエンス・コミュニティ活動を広げるため、関東ブロックお住いの方による現地会場参加と、東北から九州まで全国からのオンライン参加の両方によるハイブリッド方式で開催しました。
![]() 話題提供者 山崎 光 氏 |
![]() 話題提供者 田中 孝代 氏 |
話題提供者お二人それぞれのお話から、子どもや母親をつないだ地域の防災力向上を実践する取組を知り、防災・減災の活動を地域に創造的に広げるヒントを頂きました。
山崎 光(やまざき ひかる)氏より、東京の三鷹市を中心に、子どもたちに自分の命を自分で守る方法を伝えたい、楽しく学んだり触れたりすることによって防災が苦手ではない子どもたちを増やしたいとの思いで立ち上げた「やろうよ!こどもぼうさい」の様々なイベント活動、SNS(特にYouTubeチャンネル)、そしてオンラインイベントの取組などが紹介されました。
子どもたちに防災を楽しく伝えることは10年後、20年後には防災が苦手ではない大人が増え、日本は今よりもずっと災害に強い国になる。これからもつながりを大切にしながら、活動を続けていきたいと話を結ばれました。
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田中 孝代(たなか たかよ)氏から、学習塾を開設し、1,000人以上の親子に関わる中で、母親の支援として、お母さんに「学び」「笑顔」「本音で語れる場所」を届けるためのオンライン講座「おかあさんの塾 MOHA」活動から、子育て中の母親を巻き込むつながりづくりを学びました。
障害のあるお子さんをお持ちの田中氏は、同じ境遇のお母さんたちと共に、障害児を預けることのできる保育施設の存続のために立ち上がったことが、活動の始まりとなったそうです。状況を変えたいのなら、みんなで動くしかないと実感したそうです。
身近な人からの働き掛けのほうが、お母さんたちは動くのではないか。そして、女性視点の防災についても、いざという時には一緒の避難や活動して動くのではないか。小さな活動だが、少しずつできることを増やして、広げていきたいと話を結ばれました。
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山崎氏の子どもにつなぐ思いのお話、そして田中氏の母親へのきめ細かな取組のお話から、現地会場2班(1,2班)、オンライン3班(B、C、D班)に分かれて、気づきを共有しました。
災害に備えたつながりづくりについて、グループごとにテーマを決め、災害時のつながりづくりためのアイデアを出し合いました。
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班ごとにアイデア検討を踏まえて、アイデアをまとめ、日ごろからの取組を考え、発表資料をまとめていきました。そして、各班からアイデアが発表、共有されました。
【B班】 | 自治会の加入率・新陳代謝を高める中で、楽しいイベントを増やしていく自治会のアップデートの取組。そして、学校行事と絡めた防災教室、企業との連携などの取組が発表されました。 |
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【C班】防災ステルス作戦。防災を表に出さない。アウトドア、キャンプブームでいろいろものをそろえていくことで、実は生活の中でのレジリエンスを高める、との取組のアイデアが発表されました。 |
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【D班】小学校低学年と高学年と中学生と高校生など、関心や対応の相違に応じた細分化した取組が発表されました。自分たちの特性もきめ細かく生かし、年齢に応じた適切な防災の知識を伝えられるのではないかとの気付きにもつながりました。 | |
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【1班】防災アプリや地域防災イベントのマッチングアプリ作り、「におい」も生かす防災教材作り、ジュニア防災士を育成し地域をつなげる取組が発表されました。ジュニア防災士の育成は、静岡県での中学校全員が防災士の資格を取る取組を参考に、大学生から幼稚園・保育園まで互いに教え合うと共に、保育園と介護施設、元気な年寄りと高校生や大学生など様々なつながりを作る提案です。 | |
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【2班】リモート自治会、そして若い世代が集まるショッピングセンターなどで防災活動を周知する取組。そして、子どもの訓練などに参加し、世代差を埋め、特に災害体験の少ない親世代の自助・共助の意識を高める取組が提案されました。 | |
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講評、クロージングワークショップ成果の発表について、山崎氏からは、沢山のヒントをもらい、わくわくし、一緒に日本の防災に取り組んでいけたらいいなと感じたとのお話がありました。田中氏からは、ジュニア防災士など、長期の目線で見て今からチャレンジすることも大切とのお話がありました。有識者の池上三喜子氏から、一番大事なことは人のつながりとのお話がありました。そして、参加者への気づきや学びのための福祉避難所等の貴重な情報提供を頂きました。 有識者の宇野沢達也氏は、地域社会の強靱化のためには、権威的・トップダウン的ではなく、話題提供からも伺えたように、お子さんや家族など身近なところから進めていくことが大切と指摘されました。このための民間の有志によるコミュニティづくりとして、Facebook等による「レジリ学園」のご紹介がありました。 参加者それぞれが、アイデアを発表し合い、共有することにより、子どもや母親をつないで防災力UP!に取り組んでいく、大きなきっかけとなりました。 |
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![]() 第1回国土強靱化ワークショップ(東京)参加者で集合写真氏 |
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