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【平成22年度「国連持続可能な開発のための教育の10年」円卓会議(第1回)
議事要旨】

  1. 日 時:平成22年12月17日(金)10:00〜12:00
  2. 場 所:環境省 第1会議室(第5合同庁舎 22階)
  3. 参加者:
    阿部治、福島宏希、及川幸彦、岡島成行、小川雅由、小澤紀美子、佐藤真久、
    重政子、柴尾智子、竹本和彦、多田孝志、田中治彦、田渕五十生、手島利夫、
    古澤真理子、中村利雄、森透(17名、敬称略)
    内閣官房、内閣府、総務省、外務省、文部科学省、厚生労働省、農林水産省、
    経済産業省、国土交通省、環境省(10府省)
  4. 議 題:
    • (1)「国連持続可能な開発のための教育のための10年」実施計画の前半5年間の評価案について
    • (2)国連ESDの10年(DESD)締めくくり会合について
  5. 議 事:
    • (1)開会
      • 今年度第1回を開催する。議長は引き続き小澤氏に依頼したい。

    • (2)「国連持続可能な開発のための教育のための10年」実施計画の前半5年間の評価案について
      • 資料1に基づき、『わが国における「国連持続可能な開発のための教育の10年」実施計画』の実施状況について説明。

    • (3)意見交換
      • 2002年当時に比べればESDもだいぶ認知されてきたと思う。これからの要望であるが、まとめていただいた資料の中身を見るかぎり新鮮味がない。ESDとしてではなく他でやっていることや既にやっていることについてESDという網をかけただけのものが多く、ESDのための新しい施策が非常に少ない。これからはこれがESDといえる施策を行ってほしい。また、省庁が行っていることを取りまとめ、「これがESDである」と言える柱を作って青写真を示さないと国民には非常に分かりづらい。さらに、ESDと「新たな公共」と関連を持たせて進めていくべき。       学術会議の具体的取り組みとして、高等教育機関の環境教育・ESDの定義について整理を行い、総理大臣に意見書を提出している。
      • 国連大学における国際的な展開の状況として、ESDの10年については、国連機関が協力しながら進めておりユネスコがリードエージェンシーとして全体を取りまとめている。また、今年から来年にかけて、国連大学が国連関係機関の委員会の議長役を担うことになり、2014年に向け様々な形で役割を果たしている。
        また、国連大学はESDのボトムアップのアプローチとしてRCEを世界的に推進している。RCEの数も増えてきており、現在は世界全体で100近く、日本では6地域の拠点がある。質の向上も併せて図っていきたい。
        政府として我が国の全体像をクリアにするというのは賛成である。今後5年間にどのように取り組んでいくか、戦略的に2012年のリオ+20や2014年の締めくくり会合等のスケジュールも見据えながら、我が国の全体像を取りまとめて国際的に発信していくべき。
      • ドイツのボン会議における中間報告では地域からの発信の重要性が言われた。日本人は優れた取組を行っているのに言わないところがあり、アピールが弱いので、アピールに力を入れつつ、今後は政府としてのESDの骨格や全体像を示す必要がある。
      • 地域というのは、国際交流・協力、環境、経済、人権、福祉を含め、全て地域住民の暮らしにつながっており、こういった中でESDを落とし込んでいくためには、教育分野だけでなく社会の方向性自体を提案しないといけない。また、トータルの地域づくりの中で、ESDで求められている教育的な力や新たな地域のネットワークづくりといったことを包括的に展開できているかどうかという視点をもってESDを進めなければいけない。パートナーシップや国際協力といった個別の事柄でESDを評価すると全体が見えづらくなってしまう。なお、我々は地域でESDを進めていくなかで、人づくり・地域づくり・仕組みづくりという3つの視点で考えている。教育の分野にこの考え方を入れるのがこれまで難しかったが、学習指導要領が変わったことで、西宮市の教育長がESDについての書説明資料を全ての小中学校の校長に配布された。このことで、当協会が教育委員会より受託している新任教員の環境教育研修がでESDをテーマに入れやすくなった。また、小学生のエコカードやから中学生以上の市民の持続可能な地域づくり市民活動カードを活用した活動をポイント化し、地域のエコ活動に資金還元するための「持続可能な地域づくりサポート基金」をも商工会議所などと作った。
      • 学校教育に様々なことを落とし込んでいくことが非常に重要である。学校教育というシステムを上手く活用することで全国をESDで浸透させることができる。しかし、学校現場では、ほとんどESDが理解されていないのが現状である。理解してもらうためには学校現場への研修が重要である。環境教育推進グリーンプランやユネスコスクールの研修だけでは、全国の教員には届かない。また、自治体の中にESDの担当部署をつくり、その中で、ESDの視点を踏まえた教員への指導を考えるべき。
      • 国立教育政策研究所の中間報告書『学校における持続可能な発展のための教育(ESD)に関する研究』は、ESDに関する有識者からの情報提供や、全国教育センターなどへのアンケート調査、諸外国の取組についての情報収集に基づいている。本調査研究は、平成21年度から23年度までの実施を予定している。とりわけ、平成21年度は、(1)学校におけるESDの取組状況についての国内外の動向調査、(2)学校での実践に生かせる具体的なESDの枠組みを構築・提案、(3)教育実践を基づく成果と課題についての検討、を行った。枠組みとしては、視点整理型アプローチ、チェックシート型アプローチが提示されている。現在は中間報告であり、継続的に実践事例と国内外の研究に基づいて考察を増やしていき最終的な報告書を出す予定である。
      • ESDの最大の課題は地域の課題とグローバルな課題をつなぐこと。地域と向き合うファシリテーター、コーディネーターを養成している。開発教育教材が英文でも利用できるように、立教大学ESDセンターと連携して、あるいは、開発教育協会のHPで公開している。
      • 2004年に愛知万博の事務総長を担い、ESDのキックオフイベントを行った。商工会議所においてもeco検定や出前授業などのESDの趣旨にかなった活動を多く行っている。後半5年間はどこに力点置くか、方向性をどうするかを明らかにしてほしい。2014年に向けて行動を盛り上げていけると良い。
      • ESDに取り組み始めて10年以上経過するが、全体的にまだまだESDが見えず、また、政府のESDの推進体制も弱い。現在の日本社会に起きている格差社会、無縁社会といった新たな問題が出てくる中、どのように持続可能な社会を作っていくかについて、ESDがより大切になってきていると考える。政府としてESDの重要性を再確認し、現在の省庁連絡会議の再編も含めて、より強力なリーダーシップを発揮できるようESDの推進体制の見直しを行い、ESDの取組の「見える化」・「つなぐ化」を推進してほしい。
        大学におけるESDの取組も進んできているが、地域にある大学ほど持続可能性の重要性について肌に感じている。地域のESDはより重要であり、それらを横串にした取組が大事である。
        資料1の取りまとめから抜け落ちているものもある。例えばCOP10で「国連生物多様性の10年」が提唱された。その中心であるCEPAの考え方が抜けている。また、社会的責任円卓会議もESDを意識しているので連携すべき。なお、配布資料にある「ESDの10年・世界の祭典」推進フォーラムはオールジャパンで2014年を迎えるための仕組みづくり・地ならしのために作った組織であり、また、アジアの国と連携して進めていこうという仕組みづくりである。
      • ニュージーランドでは「強い持続可能性」という概念を提示している。これは環境・経済・社会という3つのバランスを取るのではなくて、環境があって社会があって経済があるという考えが一つ。これに加え、生産と消費のバランスを重要視するものである。これは日本政府が提唱している環境立国戦略とも整合している。「バイオリージョン(生命地域)」という考えは、食育、里山、生物多様性といった課題が横断的に関わる。従来の行政区ではないものの考え方の中での取り組みをどのように意味づけるか。そこにはまさに厚生労働省、国土交通省、農林水産省、内閣府等が深く関わっている。一方、「持続可能な生産と消費」という考え方には経済産業省や多くの産業界の方が関わってくる。先日のエコプロダクツ展は20万人という大勢の方が参加しており、その中には多くの学校の子どもたち・教員も含まれている。経済産業省においてもエコプロダクツのキーワードは環境教育と言っており、まさに生産と消費という考え方に教育の概念も入ってくるなど、生産・消費という横断的側面もしっかり考えていく必要がある。さらに「人」について、量と質という側面から、多くの人がどのように交わり質的な改善に導かれるかを考える(人交密度)必要があり、量的視点のみならず、人と人とのかかわりや意思決定などの質的視点を踏まえた上で全体をみていくことが必要である。
      • ESDの重要性を再認識。これを日本全体へ広めるのは難しい。文部科学省の研修会では、100人のうち1人だけがESDを知っていた程度であった。学校教育については、学習指導要領にESDを位置づけたことは非常に重要であり、さらにこれを進化させるべき。また、ESDがなぜ広まらないかは、ESDの概念が理解されていないため。やはり解釈や翻訳が大事ではないか。さらに、理念と実践を結び付ける手立てを考えるべき。現在、ESDの目指す人間関係づくりといった社会像と現実社会が逆を向いているため、ESDが日本の教育を見直すきっかけになる。さらに研修も重要である。「統合型の学び」といった新しい学習の理念(概念)を生み出す事がESDであり、基本的なESDの用語を踏まえた上で、様々な場面における研修を実施することが重要である。既存の取組をうまく活用してESDの認知度を高めることも重要。
      • 各省庁の施策が一つのテーブルに載ったのは意味がある。次は「つながる化」が重要。地域レベルでの「つながる」とはどういうことか政府などにぜひ知ってもらいたい。これまで、文部科学省や環境省が頑張ってくれたため、ESDは広まってきているがデコボコであり格差がある。気仙沼では100%の教員がESDを知っているし、60%の教員はESDについて説明ができるが、これは全国的に見ると、ある意味、特異な数値である。
        これからの取り組みとして、各省庁で行われている施策を地域に落としていく際には、地域と学校の両方で実施し、この2つをうまく連携させることが重要である。今まで関わりのなかった各セクターや各地域が「ESD」という言葉でつながれるというのを実感として持っている。気仙沼でいえば、まず学校では、市内に34校あるなかで32校がユネスコスクールの認定を受けており、これらの取り組みのなかでESDという言葉が広まっている。また、地域でいえばRCEの認定を受けており、ここからの発信により地域にESDを広めていく。さらに環境省が進めている「+ESDプロジェクト」の活用も検討している。これからはこの三つ巴でESDを推進して行くこととなるが、これらの事業の背後には、ACCUと文部科学省、ESD-Jと環境省、そして国連大学など様々な機関や行政のバックアップがあり連携がなされている。こうした連携の形を2014年の締め括り会合に向けてグッドプラクティスとして出していかないといけない。
        現在、ESDについて「測る」時期に来ていると考える。ESDの理念がどれだけ共有されたか、実践されたかといった視点やどれだけ続いているのかといった長さ、他にもパートナーシップ、発信といった観点からもしっかり測っていく必要がある。
        ESDの露出度も十分ではない。気仙沼では新聞に取り上げる機会も多く露出度も高い。この円卓会議の開催も気仙沼では報道された。ESDの露出度を上げる取り組みをそれぞれが行っていくことが地域での認知度の格差を埋めるためにも重要である。
      • 政府の全体像を知るために、内閣官房にポータルサイトを作る、または、各省の取組のリンクを貼るなど、簡単に認知できるようにしてほしい。各省の取組の中で、ESDの明示がされていない。今実施しているのは課題解決型の取組だが、そうではなく、人づくりなどの視点を入れて欲しい。また、政策提案する時にタイミングがずれるので、実施計画の見直しスケジュールを教えてほしい。
      • ポータルサイトはESDの立体視化が難しい。ESDはやればやるほど絵に描くのが難しくなる。ESDが取り扱うのはプロブレムではなくイシューであり、このことをしっかりと外部に伝えることが重要である。
      • ESDは「視点の編みなおし」ではないかと考える。今まで各々の視点で地域に根ざした色々な活動を行われているが、これをもう少し別のESDという視点を持って、地球環境そのものを次世代にバトンタッチしていくということ。世界遺産対策だけでなく、地域のすばらしい活動を守っていくという視点から地域・世代間教育として展開すれば普遍性をもつ教育となるのではないか。そういう観点で今度日本ユネスコ協会連盟と共同でテキストを作成する。ESDを進めることが地球の未来につながっていくのだという姿を共有しながらそれぞれの取組を進めていくことが大切である。
      • ESDにリアリティを感じていない。既に取り組んでいる国際理解教育は行っており、ESDに当たるが、これに「ESD」という名札を付けてもらう必要性がない。実社会におけるESDに対する壁のようなものについてチェックシートを作って、今取り組んでいるがうまくいっていない活動をこういう視点で捉え直すと何か方向性が見えてくる、という提案が出来れば良い。よりリアリティが持てるのでないか。
      • 「ESD」という言葉よりも、伝えようとしている概念やコンテンツが伝わることが大事だと思う。これからは評価をいかに行い、その中で活動を軌道修正できることが実社会では必要ではないか。
      • 資料1に記載されているESD関連事業が、国内実施計画当初から掲載されているものと9割くらいが一緒にみえる。毎年行っている教職員交流事業で、2011年1月にも韓国から150人の教職員が日本のESDを見に来る。その時、我々がESDを魅力的に語れる語り部になっているか、学校だけでなく、公民館や地域コミュニティもESDを語れるかが、アジアのコミュニティの発展のためにも重要である。
      • 成人を対象に未来遺産運動といった地域遺産の保護を応援する活動を行っている。様々な活動をやっているが、ESDの理念を伝えるのが難しい。最終的には上手く説明したい。
      • 事務局には骨格をまとめていただき、次回につなげていきたい。また、ESDの概念や理念の見える化や、社会に広めるために教育の方法まで踏み込んでいくか等も議論していく必要がある。 

    • (4)国連ESDの10年(DESD)締めくくり会合について
      • 資料2に基づき、2014年における国連ESDの10年の締めくくり会合の開催について説明。
        会合は、日時・場所は未定であるが、日本政府とユネスコの共催で開催する。この会議は官民挙げての大きな会議にしたい。また、名前は「締めくくり会合」だが、ESDの新たな発信の会議としていきたい。

    • (5)閉会
      • 今後は、国内実施計画の改定の作業を進めていきたい。次の円卓会議では、実施計画改定案にご意見をいただく予定である。また、改定案にかかるパブリックコメントも予定している。なお、改訂国内実施計画は来年3月に予定されているユネスコ国内委員会総会で発表したい。

      (以上)