内閣官房 サイトマップ
トップページ 内閣官房の概要 所管法令 記者会見 報道発表 資料集
政策課題 国会提出法案 パブリックコメント等 情報公開 調達情報 リンク
トップページ 政策課題 法令外国語訳推進のための基盤整備に関する関係省庁連絡会議会議


法令外国語訳・実施推進検討会議(第3回)議事概要

(司法制度改革推進室)
※ 速報のため,事後修正の可能性あり


日 時
平成17年5月26日(火)13:30〜15:30
 
場 所
永田町合同庁舎第1共用会議室
 
出席者
(構成員)柏木昇(座長),アラン・D・スミス,内田晴康,後藤修,布施優子,松浦好治,内閣府,金融庁,警察庁,公正取引委員会,防衛庁,総務省,法務省,外務省,財務省,文部科学省,厚生労働省,農林水産省,経済産業省,国土交通省,環境省     ※敬称略
(オブザーバー)人事院,最高裁判所
(事務局)本田守弘審議官(司法制度改革推進室長),小林昭彦参事官,小川新二参事官,中川明子参事官補佐,山本拓参事官補佐
(説明者)外山勝彦助教授(名古屋大学大学院情報科学研究科),小川泰弘助手(同)
 
議 題
(1)コンピュータを利用した対訳辞書の作成について(外山助教授説明)
(2)翻訳推進の在り方(対象,方法等)について
(3)作業部会の作業要領及び一部法令翻訳の対象について
(4)その他
 
配布資料[PDF]
資料3−1法令外国語訳推進のための基盤整備に関する主な検討事項について(論点表)−II 翻訳推進の在り方(対象,方法等)
資料3−2訳語ルール策定等に関する基本的指針及び作業要領について(案)
○ 柏木座長提出資料(作業部会による法令の翻訳について)
○ 外山助教授提出資料(コンピュータを利用した対訳辞書の作成)
 
議事要旨
以下のとおり,議題について議論等が行われた。
(□座長,○有識者構成員,●関係府省構成員,■事務局,△説明者)
(1) コンピュータを利用した対訳辞書の作成について
 名古屋大学大学院情報科学研究科の外山勝彦助教授及び小川泰弘助手から,コンピュータを使用した対訳辞書の作成について,資料(コンピュータを利用した対訳辞書の作成)に従い,概要,以下の説明がなされた。
 対訳辞書作成作業は大きく分けて,各府省の協力により既存の対訳データを集めて対訳データベースというものをつくる,コンピュータを使ってそのデータベース中の対訳語を自動的に抽出する,このコンピュータの計算結果を人手でチェックをするという3つのステップから成る。
 今回,各府省から提出されたデータのうちデータ整形の済んだ153 本の法令データを処理の対象として対訳データベースを作った。データ整形が済んでいないものについても,今後,引き続き作業を進める。
 次に,対訳データベースについて,コンピュータによってワード・アライメントと呼ばれる作業を行った。これは,対応する文の間で,日本語の単語と英語の単語の組合せが同時に出現する度合いを計算し,この度合いが強いものは訳語である可能性が高いということで,それを訳語の候補として出力するというものである。その中から明らかに不適切なものは,訳語候補リストから除去した。
 今後は,人の手によって,コンピュータが出した対訳候補のリストを見て適切であるかどうか内容を検討し,その対訳候補の削除・変更・追加・訳し分けなどの情報を付加する作業をしていただくことになる。その際,名古屋大学において開発した対訳表現抽出支援ツール(Bilingual KWIC)を利用することが可能である。
 
 その後,以下のとおり質疑応答が行われた。
 訳語の抽出により,最も適切な訳語のオプションが得られたと理解してよいか。
 元々の法令データに依存するし,コンピュータが最も適切な訳語まで選べるわけではない。人手によるチェックが必要である。
 語数を1対1にするのか複数にするのか,統合するときにどうするのか。集めて単に和集合のデータベースを作るのか。
 各省で適切な訳語をまず選んでもらい,作業部会の有識者に見ていただいた上で確定して統合するという形になる。
(2) 翻訳推進の在り方(対象,方法等)について
 「翻訳推進の在り方(対象,方法等)」に関する論点について,資料3−1に従い,以下のとおり議論等が行われた。
 翻訳の対象と順序等については,司法制度改革推進本部の国際化検討会のワーキンググループにおいて,「これまでは関係府省や民間による個別的取組が行われていたに止まり,それにより一定の成果が上げられているものの,利用者から見て,統一的で最新の法令をベースとして信頼できる外国語訳が十分に行われていない…などの問題点が指摘されている」,「上記のような問題点を解決し,内外のニーズにこたえるため,我が国の法令の外国語訳を早急に推進する必要がある」,「法令等の翻訳については,訳語ルール作成過程での(ママ)一部法令の翻訳を行うとともに,翻訳ルールを含む検討会議の検討結果を踏まえて本格的に行う」,「翻訳の順序については,利用者のニーズを適切に反映させることとし,基本法や利用者のニーズが強い法令(1(1)参照〔注:知的財産関係法,経済関係法,行政手続関係法,労働関係法等〕)についてできるだけ優先的に外国語訳を推進するとともに,その他の法令等の外国語訳についても,必要な整備に努める」,「第一次的には法律を対象とするが,必要に応じて下位規範も対象とする。ただし,下位規範については,解説の翻訳等の方法によることも考慮する」とされている。
 「いかなる範囲の法令について,英語訳を進めていくべきか。基本法や利用者のニーズが特に強いとされている各分野以外で一定のニーズのある法令の英語訳についてどのように考えるか」。翻訳の目的との関連だろうと思うが,ワーキンググループでは,国際取引の円滑化,対日投資の推進,法整備支援の推進等の観点から,外国語法令の翻訳の基盤整備が必要であるとされており,こういうニーズを考えながら適宜その取捨選択をしていくということになろう。
 次に,「上記の英語訳をどのくらいの期間で翻訳をすべきか」については,予算等の制約もあり,どれだけの法令を翻訳するかにもよるが,一応ニーズの高い法令を翻訳するということで,1年から2年という考え,あるいは3年から5年という考えがあると思うがどうか。
 ユーザーの観点から見れば,なるべく早く,なるべく多く翻訳して欲しい。政府のアクションプランのようなものがあれば,それについてユーザーの意見を聞くことができる。どの程度の期間にするのか,どの法律の翻訳をまず優先させるのか,具体的なアクションプランがあれば,この会議のメンバーだけではなくて,いろいろな人の意見を聞くことができる。期間は3年間にしてはどうか。
 私も,最大限3年程度で,どういう法律の翻訳をいつまでに完成していくかというアクションプランを示してやっていくのがいいと思う。最大でも3年で,早ければ早いほどいい。現実性のあるプランを立てて,具体的な指標を示してやっていただければいいと思う。
 時期の問題は,余り長くかかっても間延びしてしまうので,3年ぐらいが目途ではないか。この点は,どの範囲の法令を翻訳するかということも絡んでくる。基本的な原則としてはニーズの高い法令を翻訳するということでは異論がないが,どの範囲の法令のニーズが高いかについては,いろいろ意見が分かれるだろう。ニーズに関しては,国際取引の推進とか法整備支援あるいは日本にいる外国人の便宜といった今回の法令翻訳の意義を踏まえて,各府省に判断していただくしかないのではないか。ただ,その際,先ほど指摘があったように,一般の意見も聞くようにすれば,各府省にとっても大変参考になるのではないか。その上で,各府省で優先順位を付けてもらい,3年を目標として翻訳を推進していただくということになるのではないか。
 3年では長過ぎる。各府省から提出された既存の訳はかなり完成度の高いものだろうから,これをコンピュータ・システムも使ってレビューしていけば,かなり早くできるのではないか。また,前回皆様から指摘のあったニーズの高い法令のうち新規に訳さなければいけないものについては,やはり1年から1年半ぐらいというのがユーザーの目から見れば,あるべき姿ではないか。今後の新しい立法や既存の法令の改正についてのフォローアップは,長い目で見る必要があるので,それはその都度やっていくということだろうが,新規立法あるいは改正の都度に日本語・英語を同時で出していくというのが一番望ましい姿だろう。
 いずれにしろ,今の区分けは別にして,大きなスケジュール,アクションプランのようなものがないとなかなか作業は進められないのではないか。
 どの法令をどういう具合にいつまでに訳すかという行動計画は作らなければいけないと思う。3年では長過ぎる,1年から1年半くらいではないかという厳しい御意見があった。確かに,既に英訳文があるものについては比較的作業は早いと思うが,例えば,会社法などはスクラッチから1,000 条近い条文を訳さなければならないわけで,これを1年半というのは難しいのではないか。
 既存の翻訳があるもののレビューと前回出たニーズの高い新規翻訳については,やはり1年から1年半ぐらいでやる必要があるだろう。3年から5年というところには,次のプライオリティーのものが翻訳対象に入ってくるだろう。
 会社法のようにこれから最初から訳さなければいけないものについては,かなり時間がかかる作業になるのではないか。
 当省は,基本法を多数所管しているので,ユーザーの翻訳に対するニーズは非常に大きいと認識している。個別的に一部の翻訳をやっている分野もあるが,今回は統一ルールに従ってやっていこうといういわば初めての試みであり,会社法など全く新しく翻訳する法律も含めて,果たして1年半とか2年とかでできるのか疑問である。レビューの場合は1年半ぐらいという話があったが,新規に翻訳をやっていかなければいけない法令が非常に多い当省としては,整備を急ぐ必要というのも理解してはいるが,実際の作業の関係から,合理的な期間を設けていただきたい。
 何を翻訳するか,それが既に翻訳されているものなのかどうか,その条文数がどのぐらいあるのかどうかということにも関連してくるのではないか。何を翻訳するかについては,先ほど指摘があったように,行動計画を作って,それについて,パブリック・コメントを求めるかどうかは別として,いろいろ意見を聞いた上で,どの範囲の法令を翻訳するかを決定する。その中身によるのではないか。中身の重い法令の翻訳は,1年から1年半では無理だろう。早く翻訳できるところもあるかもしれない。そういう観点からもう一度レビューする必要があるが,目途を決めておかないと,行動計画もできない。とりあえず3年ぐらいのところではいかがか。
(異議なし)
 今度は,その3年の範囲内で何を翻訳すべきかであるが,これについては,各府省が一番ニーズに関する情報を持っていると考えられるので,各府省にまずは任せるということになるのではないか。
 このプロジェクトを始めたとき,まず最初に信頼できる翻訳のための辞書を国が作って一般的に公開するということを考えていたと思う。非常に信頼性の高い辞書が市場に無料で公開されることになれば,今までの既存の翻訳を全部洗い直すという作業が始まるだろう。コマーシャルベースでペイするものは,それで動くのではないか。しかし,一方でコマーシャルベースに任せていては継続的にきっちり翻訳されていかないものもあるし,翻訳されないものもあるだろう。国のポリシーとして,少なくともこの範囲の法令はきっちり継続的に翻訳もするし,改正にも対応しなければならないという判断をしなければならないと考えている。そうだとすると,最初の1年半ぐらいのところでまずやるべきものというのは,ほとんど合意が形成されていると思うので,差し当たり1年半ぐらいに何をやるかを決め,その後はその辞書の信頼度を高めながら市場の動きをにらんで考えるという方が,かなり弾力的な判断ができるのではないか。
 コマーシャルベースでできてくるものは,当然有料で提供されることになるだろうから,非常に経済的必要性が高いものは,そういう格好で対応されるだろう。だから,アクションプランも,どの法律をやるかというのを固定的に考えるよりは,まず緊急性の高いものを考え,また,国として,やはり基本法の翻訳をそろえるという観点も重要だと思うので,それらを優先した上で,その後は,もう少し時間を見ながらプライオリティーも決めていったらどうか。
 行動計画案については余りリジッドなものを作らず,おおよその計画で1年半ぐらい様子を見ると大分先が見えてくるのではないかという御意見だったが,どうか。
 実際,法律によってはマーケットベースの採算に乗ってくるものもあるだろう。民間ベースでそういうサービスが提供されている限りは国があえてそれを奪う必要はないというのがこの全体的なプロジェクトの考え方なのか,そうは言いつつも統一法典というか,国にすべてが集中して,そこに行けばとりあえず基本的なものはそろっているということに意義があるということで,そろえようという方向なのか,その辺の基本的な考え方はどうなのか。
 それ自体この検討会議で御議論いただく大きなテーマであるが,このプロジェクトの前提となる共通認識として,これまで民間の訳や政府の個別の翻訳もあったが,ユーザーからすると必要な訳が手に入らないなど,日本の法令の翻訳としては不十分な状態が続いているということがあった。やはり,マーケットベースに乗るものがあるから何をしなくてもいいのだということにはならないのではないか。ある程度は国も関わって基盤整備をしていかなければいけないのではないか。それが辞書を作るだけでよいのか,ある程度の範囲内のものについては翻訳をそろえる必要があるのか,どのくらいの範囲が相当かについては,議論があるだろう。また,その上で,民間訳との役割分担やその後の翻訳の推進の方向についても,この場で御議論をいただきたい。
 省によって,民間部門が英訳を出しているとか,場合によっては所管の民間法人とか公益法人がやっているとか,あるいは所管はしないが接点が多い法律事務所などにお願いしているといった例は結構あると思う。民間で採算ベースでやっているものを全部国がやってしまうとなると,民間からは,シェアを奪うのかとか,食いぶちがなくなってしまうという話も出てくるのではないか。他方で,統一的にやることにも,ある程度の価値があるだろう。著作権などを民間等に残しつつ,その成果をうまく利用していくなど,柔軟な制度設計にしていただけないか。
 原則として民間ができることは民間に任せるべきだと思うが,ユーザーの観点から見れば,現状のままでは,翻訳内容がばらばらであり,統一性が非常に重要である。ある程度政府が主導しないと翻訳は改善しないと思う。ルールを決め,そのルールに基づいて官庁が翻訳すれば,民間の翻訳会社ももっといいものを作るだろう。
 民業を圧迫するようなことになれば必ずしも本意でないが,民間に任せておいただけでは今まで整備されなかったわけで,やはり法律文化のインフラストラクチャーの整備には国がある程度乗り出さないといけないということから,今回の検討が始まった。そのすみ分けをどうするかというのはこれからの議論であろう。少なくとも,司法制度改革推進本部のワーキンググループでは,そういう問題は指摘されたが,具体的にどういうシステムで民間とのすみ分けをするかというようなことについては,必ずしも詰めたわけではない。すべて国がやるというのは無駄だし,すべて民間に任せるということも経験上明らかなようにうまくいかないわけで,その中間のいいシステムを考えていくというのが,これからの問題だろう。フレキシブルに考えていきたい。
 その意味でも,政府でどういう法律を対象にして,いつまでの間にやるかが早く開示されれば,コマーシャルベースでやる場合には競合するようなものはやらずにほかのものをやるだろう。ある程度早目に対象法令とかスケジュールを発表し,かつ,確実にできるような体制とか予算の裏づけを早目に明らかにしていただければ,競合を避けてむしろ補完的にうまくいくのではないか。
 行動計画あるいはアクションプランが必要ではないかという御意見を多数いただいた。どういったものを盛り込むかについては,各省の事情・意見も踏まえて考えなければいけないので,行動計画を作ってどういったものを政府として取組んでいくのか考えるという方向性でよろしければ,次回の会合までに行動計画の案のようなものを各省から出していただき,それに基づいて素案を作って次回の検討会議で御議論いただくという手順で詰めさせていただきたい。
 政府で翻訳を進めるということになると,そのための予算が問題になってくるが,平成18年度については,特段の予算措置が講じられていない限り,通常の予算の範囲内で対応していただくことになる。内閣官房でも,各省が予算を獲得されるについては,行動計画ができたとか,この会議で方向性が決まったということがあれば,必要な範囲で財務当局に説明をするなど可能な範囲での協力はできると思うが,基本的には,必要な予算なり体制については各省で獲得してもらうということを前提に,行動計画としてどのようなものができるのかということを考えていただき,次回までに協議させていただければと考えている。
 行動計画がないと議論が進まないことになるのではなかろうかと思うが,行動計画を作るにしても,先ほどから議論になっているように,1年半の行動計画をつくるのか,3年の行動計画をつくるのかという問題がある。早くやれという御意見があり,私も早くやってほしいが,例えば,スクラッチから翻訳しなければいけない条文をたくさん抱えているところや,既にかなり翻訳が進んでおり,それを整備すればよいというようなところ,あるいはニーズのある法令が少ない府省など,いろいろ事情があるだろう。それも考慮すれば,最長3年で,できるだけ早くやっていただくということで行動計画をまとめていただくのが一番妥当ではないか。
 内容的にも,リジッドに3年で翻訳できるものを全部挙げろということになると,翻訳しなくてもいいような法令の翻訳が出てくることにもなりかねず,非常に無駄であろう。翻訳しても意味がないものは対象から落とすことになるだろうと思うが,その辺の判断もまずは各府省に任せるとして,できるだけ前倒しに翻訳をしていただきたいが,最長3年ぐらいということになるのかなという気がする。
 各府省が翻訳をする場合,その翻訳を最終決定する内部手続のようなものはあるのか。誰かがドラフトをし,誰かが審議をして,最後決裁するというやり方か。
 省によっても異なるだろうが,例えば,下訳を外注に出すなり翻訳業者に依頼するとしても,やはり所管法令なので,内部できちんと見た上で作るということにはなるだろう。
 もう一つの問題は,今の行動計画に出た法令を翻訳すれば済むという問題ではなく,改正の問題もあるし,新しい法令が出てくるという問題もあるし,一応作った辞書のメンテナンスとインプルーブの問題がある。そういう作業をする何らかの機関なりシステムができないといけない。そういうところが認証を行うなどということも考えられるかも知れないが,将来の議論の対象だろう。
 民間の訳を作られている方と政府との業務分担のところの話は,事務局においてどういう形で考えればいいのかというのをより深く御検討いただければありがたい。予算とか定員を各省で要求するという話があったが,結局政府全体として,例えば,定員であれば今後5年間で10%削減するとか,予算も増えていくというよりはむしろ頭打ちというのが現状であろうから,結局他の人員や予算を翻訳の方に移すということを各省はやらざるを得ないだろう。政府と民間で,どういう形で分担を考えていったらいいのかというところは,これをうまく進める上で極めて重要ではないか。我々もいい考えがあれば提案するが,事務局でも検討いただければありがたい。
 非常に大事な論点であり,事務局でも考える必要があると思う。また,先ほどの行動計画の中でどういったものを盛り込むのかということにも関連して,各省から知見を提供していただきたい。協議の中で,各省からも御意見をいただきつつ,事務局でも,どんなことが考えられるのかという下書きのようなものを考えていくことにしたいと思う。
 主として法律の翻訳を対象とするわけだが,下位規範や各府省が作ったガイドライン等もニーズが高ければ翻訳の対象の中に含める,これらについては,法令の翻訳に代えて日本語の解説を英語に翻訳するということも考えられるが,どうか。
 ある程度解説を付けないと分かりにくいと思う。日本の六法を見ると,判例なども書いてある。そういう説明がないと,法律そのものだけでは理解しにくいだろう。前の会議で注意書きを是非使っていただきたいと言ったが,法律の翻訳だけではなくて,ある程度解説を加えて一緒に出版する方が,利用者にとって使いやすい。
 今の意見は,法令の翻訳に加えて法令の解説を付け加えるべきということであったが,私の趣旨は,例えば外国為替管理法など下位規範が非常に細かいものを全部翻訳するのは大変なので,サマリーで足りる場合もあるのではないかということである。できれば解説もあった方がよいが,翻訳を作る上で分かりづらいときにはできるだけ解説を付け加えることになっている。それは是非お願いしたい。また,下位規範で非常に細かい条文もたくさんあるというものについては,解説あるいはサマリーで代用するというようなことも考えられるのではないか。
 法令の中で,例えば独禁法など,非常に抽象的な規定だけがあって,これを読んだのではほとんど意味がわからず,ガイドラインが事実上これに代用しているものがある。そういうものはやはり訳すべきではないか。ただ,公取の場合は,ほとんどガイドラインは既に英訳していると思うが,ほかの法令で,その法令が抽象的でガイドラインが事実上法令規範化しているようなものがもし各省庁であれば,それを挙げていただいて,その範囲までやれば,より適切ではないか。
 一定の場合には英文でサマリーを書くことで法令の翻訳に代えるというアイデアはどうか。
 それはそれで,法令には実際にこういうのがありますという例示をしておけば,あとは日本語で検索できるので,非常に参考になるのではないか。
 これも時間との兼ね合いの問題で,例えば為替管理法の別表のようなものや貿易管理の別表のようなものは,実際に輸出入を行う者にとっては非常に大切で,これがわからないとどうにもならないが,だからと言って,あれを全部翻訳していると非常に膨大な作業量になってしまう。そういうものについては,行動計画の中のプライオリティーの付けようの問題ではないか。
 解説だけで十分わかるような法律というなら,外為法はその一つの例だと思うが,特に外国人に適用されることが多い法律については,なるべくその下位規範も翻訳して,更に解説を付け加えていただきたい。例えば,保険業法を早く翻訳する必要があるというわけではないが,保険業法は下位規範を全部見ないと,法律をどう解釈すればいいのか,どういうふうにその法律が適用されるのか,細かいところがわからない。優先順位を決めなければならないが,よく外国人が使うような法律については,下位規範も翻訳していただきたい。
 全部分かればこれに越したことはないが,例えば,独禁法であれば,「不公正な取引方法」の行為類型を規定した公正取引委員会の告示(いわゆる一般指定)を訳さないと「不公正な取引方法」の内容がわからないというように,政令等に委任する規定が法律にあるものを中心にプライオリティーを決めて訳していくやり方がいいのではないか。また,特許庁のホームページには大変詳しい解説が書いてある。ああいうものと併せて見ていくということを最初はしていかざるを得ないのではないか。
 ニーズの強い法令は,ここに知的財産法関係,経済関係法,行政手続関係法,労働関係法と例が挙がっているが,具体的に一体何の法律かということになると,抽象的に議論してもしようがない。行動計画案が出てきたときに,その中にこれが漏れているのではないかとか,これは後に回してもいいのではないかというような御意見が出るのではないか。そのときにもう一回レビューするということでよいか。
(異議なし)
 次に,資料3−1の「2.翻訳の主体・方法について」に関しては,先ほど民間における取組をどうするかという議論があったが,これについては少し事務局に検討してもらう必要があると思う。一応の方向性としては,すべて政府がやるということはない,すべて民間に丸投げするということもない,その中間を目指すということで,具体的にはどうしたらよいかについて,もう少し詰める必要があると感じている。
 「翻訳ルールがデファクト・スタンダードとして尊重されるためには,主要・基本的な法令については,政府において翻訳を進めるべき」ではないか。実際問題として,法務省が翻訳ルールに従って民法,刑法など基本的な法令を訳し,名古屋大学のコンピュータ・ソフトを使ってかなり網羅的に翻訳を検討して訳語を選んだり,あるいはフレーズの翻訳ルールを決めたりすれば,自然とデファクト・スタンダードになるのではないか。行動計画案については,先ほど説明があったとおり,最長3年の範囲内で,どういう翻訳を行うかについてまずは各府省に行動計画案を策定してもらい,それを更に検討するということでお願いしたい。
 各府省には,今回策定する翻訳ルールを尊重して翻訳をしてもらうことになるが,翻訳ルール自体について更に意見はあるか。前回,翻訳ルールについて,なるべくローマ字は使わないというようなことを議論したが,いかがか。
 前回言ったように,ローマ字表記は利用者にとって分かりにくいと思う。ほとんどの翻訳利用者はアメリカ人かヨーロッパ人で,日本語と違う言語を母国語とする。余りなじみのない日本語は覚えにくいのではないか。日本語をそのままローマ字にするのでは,理解して覚えられるのは日本語のできる人だけだろう。特に日本語は漢字が中心で,漢字が分からないと分かりにくい。ラテン語かドイツ語が元の言葉にしないと欧米人にとって分かりにくいと思う。日本語には同音異義語が多い。例えば,公正取引と会社更生の「コウセイ」は,聞くだけでは分からない。そういう例は少ないかもしれないが,外国人の耳には似ている言葉が多い。今,アメリカでも日本の郵政公社の民営化が話題になっているが,みんな「簡保」のことを「ケンポー」という。しかしこれでは,日本人ともコミュニケーションがうまくとれない。日本語を一つの英語の表現にするのは非常に難しいとわかっているが,そういう努力をしないと,利用者にとっては使いにくいと思う。
 この翻訳のプロジェクトは,日本語がわからない人に日本の法律をわかってもらうことが目的であるから,ローマ字表記ではその目的と真っ向から反するだろう。また,完全に正確な翻訳は不可能であるから,学者のように正確性を追究すると絶対にらちが明かない。日本語がわからない人,日本に投資をする人や日本で生活をする日本語がわからない人たちが訳文を読んで,できるだけ日本の法律に近いイメージを抱いてもらえるということが基本的な発想なのではないか。そういう発想で翻訳をやる必要がある。できる限りの範囲内で日本法に一番近いイメージを持ち,しかも,英語を話す人たちにとって耳慣れた表現を使うということが大切なのではないか。
 もう一つ,大問題であるが,この翻訳のプロジェクトはこれ1回で済まず,新しい改正とか新しい法令に対処する,あるいは翻訳辞書の改善というような活動が続いていくだろう。こういうメンテナンス体制について,どのような枠組みが考えられるか。
 当社の経営会議では,外国人役員がいるので,上程資料や議事録を2か国語で作っている。これから外国語訳していくものについては,同時に翻訳していった方が,時間をおいてからやるよりも効率もいいし、翻訳すべきことを忘れないで済む。オンゴーイングで日本語と外国語を同時に作成していくということを考えると,今後,所管される各府省が新たな立法をする場合や法改正をする場合には,余り間を置かずに訳も出していくというようなことを何かの形で明確にしていけばよいのではないか。
 難しいのは民間とのすみ分けの問題である。基本的な法令については,国の法律のインフラストラクチャーの整備として国がやらなければいけないということになるだろう。しかし,これから出る法律について,すべて英訳を行うということになると,民業圧迫ということもあるし,作業が非常に膨大になってしまうということもある。
 やはりイニシアティブは各府省に取ってもらうということをはっきりして,各府省が人的なリソースの問題,時間的なものを含めて難しいということであればアウトソースし,そのときに民間を使うというような考え方の方が一番わかりやすいし,民間にも機会が与えられるのではないか。
 この点については,もう少し具体的に何かたたき台をつくる必要があるという気はするが,アウトソーシングも非常に金がかかるというのがいつもネックになるし,民間がやってくれそうなものと,民間がやってくれないけれどもこれだけは是非外国の人にも知っていただきたいという法律とをうまく振り分けなければいけないということも問題になる。また,各府省がやった英訳の基盤があれば,自動的に各府省がその改正についても英訳を整備する責任があるのかなど,いろいろ細かな問題がある。
 このプロジェクトの要になっているのは翻訳辞書の品質で,これが常にバージョンアップされないといけない。その点だけは手を抜かないということが最も重要なのではないか。辞書の品質が高ければ高いほど,翻訳するときはこれが使われることになる。その中の言葉の使用法や表現方法など,内容が充実してくれば,それを使えばある程度の翻訳の品質は保証されるのではないか。その点をまず先に決めたらどうかと思う。その後は,ものよっては国でやるし,ものによってはアウトソーシングするということでよいのではないか。
 要するに,法令英訳整備の更にその基盤である,コンピュータ・システムなどのインプルーブメントとか,翻訳辞書のインプルーブメントとか,翻訳ソフトなども,もっと使いやすい翻訳ソフトが出れば,それに変えるというような作業も出てくるだろう。
 フランス政府はLegifrance というフランスの法令のデータベースを持っていて,それは本来的にフランス語で用意されているが,そのページから同時に英訳を見に行くことができるという形になっている。そういうイメージのものが提供され,その部分の中心に辞書があって,辞書はどこかで集中的に管理するけれども,それ以外のものはデータをつなげて,あるところからそのデータを見ることができるという形にすれば,国の仕事と民間の仕事を1か所に持ってくることができる。最近ポータルというような言葉が言われているが,それに近いようなコンセプトで,日本政府の法令データベースへ行って日本語の法令を見るだけではなく,そこから英訳へも入っていけるようにする。翻訳の中には,政府によってメンテナンスをされているものもあれば,民間によってメンテナンスをされているものもあり,その両方に辞書が共通に使われているようにするというのがよいのではないか。
 個人的な考えだが,今までは民間に全部任せていたが,品質のいいものを作ろうとすると非常にお金がかかるのでだめだった。他方で,全部政府がやるというのも行き過ぎであろう。民間にできることは民間に任せろということで,全部政府がやってしまうというのは今の時代に逆行する。そうすると,どうしてもその中間案を考えなければいけないということで,行動計画を作って,最初は各府省の方々に大変な御努力をいただくかと思うが,その後の作業については必ずしも府省が全部やるのではなくて,中間法人,あるいは独立行政法人(新しいものは作らない方針のようだが),大学,アカデミックの中にそういう機関を設け,そこが各府省からアウトソーシングの受け皿になるというようなことで,各府省の翻訳への労力を軽減することも考えられるのではないか。この辺についても,何かいいアイデアがあれば,是非お寄せいただきたい。そういう辞書のインプルーブや,法改正への対処のための枠組みづくりも,これから検討していく必要がある。
 ニーズの関係は本日もいろいろ御議論いただいたが,前回の検討会議で御紹介したように「対日投資会議」の専門部会の岡俊子委員及びウィルフレッド・ウェイクリー委員について,個別にヒアリングをしてほしいというリクエストを受けている。このヒアリングをどのように実施するか。検討会議としてヒアリングを行うということも考えられるし,事務局がお話を聞いて,その結果をここで紹介するという方法もある。
 ここで議論してもニーズがどこにあるのかというのは議論が尽きかねる。もう少し広い範囲で意見を拾ってくる必要がある。そういうことから考えれば,事務局に任せるのがいいと思うが,どうか。
(「はい」と声あり)
 では,そのようにお願いしたい。
 ニーズが強いとされている法令など一定の範囲については各府省で翻訳を整備する,その翻訳については,行動計画を作成することとし,どの法令をいつごろまで翻訳するのかを明らかにした案を各府省から御提出いただく,それを次回のこの会合で検討する,行動計画の期間としては3年間,平成18年から平成20年までとするということにしたいが,それでよろしいか。
(「はい」と声あり)
 具体的な作業依頼については,事務局から各府省にしていただく。
(3)作業部会の作業要領及び一部法令翻訳の対象について
 次に,作業部会の作業要領及び一部法令翻訳の対象について,資料3−2及び柏木座長提出資料(作業部会による法令の翻訳について)に従い,以下のとおり議論等が行われた。
 資料3−2(訳語ルール策定等に関する基本的指針及び作業要領について)は,第1回の会合の際に事務局から示された作業部会の作業要領について,これまでの御議論等を踏まえて修正を加えたものである。もう一つ,「作業部会による法令の翻訳について」として,訳語の選定作業などのために一部法令を翻訳しなければいけないわけであるが,これについて,とりあえずこれだけの翻訳を今年いっぱいにやりたいという内容の私の試案である。これも御検討願いたい。
 基本法関係ということであれば本来もっと広いと思うが,商法関係や証取はちょうど改正の俎上にあるので入れなかったという趣旨で理解してよいか。
 間に合わないだろうということである。
 例えばAIPPIなどで知財関係の英訳のかなりレベルの高いものがあるが,既存のもので政府でないところでできたものは,かなりレベルの高いものがあっても,それを参考にしたりとか,取り入れたりということはしないということか。
 一部法令の翻訳の意義としては,いい辞書を作るということと,基本的なものを早く訳そうということがあるが,外部で非常にいいものがあれば,それを利用しない手はない。ただ,著作権の問題があるので気を付けないといけない。著作権の問題さえ解決すれば,いいものはどんどん利用して、その労力を省くということはした方がいいのではないか。
 特許関係の法律は,AIPPIという外部の団体が既に訳しており,それをそのまま利用しようとすると著作権の問題が生じる。一括で買い上げるという話もしてはいるが,それをすると早い代わりに一度に相当な金額を支払うことになる。また,当該団体の翻訳の体制を考えると,今後もそこに任せておくことが難しいということもある。そこで,新しくやろうとした場合には,どこまでできるかという問題があり,これは今後,各府省と事務局との間で議論させていただきたい。
 翻訳の際の外注については,会計法の制約等で,100 万円以上だと公募ということになり,公募とした場合には一番安いところが落としていくことになるが,この翻訳の質はどうやって確保していくのか。いい辞書があればそれだけでよいということにはならないであろう。発注の仕方などは考えていかなければならない。発注の仕方については,例えば,1つ窓口があってそこでやるという方法や,各省別々にやるにしても,統一を図るという方法があり得る。あるところでやるとかなり安く済むが,他のところだと相当高くなるというのでは,予算要求の際にも説明が難しい。
 難しい問題があるようなので,具体的には更に事務局と各府省で打ち合わせていただきたい。
 このリストにある法律は,どのような基準で選ばれたのか。
 基本的であることとニーズと作業量の3つのバランスで選んだ。
 そうであれば,個人情報保護法を入れていただきたい。
 行政機関個人情報保護法について御相談いただいたが,法律の構造からいうと対民間あるいは対国民のものと対行政機関のものの上に,基本法として一般的な個人情報保護法というものがある。基本法からということであれば,まずそちらからやるべきではないか。
 個人情報保護法は,先般7月に全面的に施行ということで脚光を浴びているところであり,御趣旨は理解している。できる限り対応させていただきたいとは思っているので,改めて御報告させていただきたい。
 個人情報保護法は是非翻訳していただきたい。外資系会社の大きいところは,ある程度翻訳しているのではないか。例えば,米国商工会議所に頼んで,それらを集めれば参考になるのではないか。
 当省については,民法財産編724 条、刑法264 条ということで案をいただいている。これまでの議論で基本法の重要性ということは指摘されており,ニーズは十分認識しているが,他方で,今回の一部法令の翻訳については,現状の体制で取り組まなければならないという制約があるということは十分御理解いただきたい。基本的には,この約1,000 条の条文について一から取り組むことになるので,来年1月まででは全部は難しいと思うが,今回策定する翻訳ルールの方にも可能な限りフィードバックさせていきたいし,残りの部分についても,2年目以降の取組の中に取り込んでいくことになろう。そういう前提で,この基本法については取り組んでまいりたい。
 具体的にどの範囲でというようなことは各府省で事情があろうかと思うが,事務局と打ち合わせいただきたい。
 資料3−2「訳語ルール策定等に関する基本的指針及び作業要領について」に関して,何か意見はないか。
(異議なし)
(4)今後の予定について
第4回会合は,7月ころに開催する。
 
今後の予定等
第4回会合は,7月ころに開催する。