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今後の地理情報システム(GIS)の整備・普及施策の展開について

平成12年10月6日

地理情報システム(GIS)

関係省庁連絡会議申し合わせ



 地理情報システム(GIS)は、行政、企業活動、国民生活の幅広い分野に大きな変革をもたらす21世紀の高度情報化社会の情報基盤であるとの認識にたち、政府は、本会議の枠組みのもと、その整備・普及を推進してきた。今般、「日本新生プラン」の重要課題として「IT革命の推進」が掲げられているが、GISは、ITの恩恵を広く国民生活に浸透させるために必要不可欠な基盤としてIT革命の推進上重要な役割を担うものである。

 IT革命を推進するにあたっては、ハード面の整備のみならず、相互に利活用できるコンテンツの存在が不可欠である。GISの整備・普及は、地理情報を広範かつ利用価値の高いコンテンツとして流通させ、誰もができる限り自由に利活用できる社会を実現していくものであるが、その際、政府の保有する基盤的な地理情報をいかに早急かつ円滑に提供できるかが重要である。しかし、これまで期待に応えるだけの進捗を見ていないのが現状である。このため、政府の保有する基盤的な情報の電子化・提供の促進に重点を置き、関係省庁の密接な連携のもと、民間からの要望も踏まえつつ、さらに積極的かつ迅速に必要な施策を講じていく必要がある。

 当会議は、以上のような認識にたち、GISの整備・普及を早急に図る観点から、必要な関連施策の展開につき、下記のとおり申し合わせることとする。



I 全体の進め方

 「国土空間データ基盤の整備及びGISの普及の促進に関する長期計画」(平成8年12月)において規定された普及期の終わり(平成13年度)までに、「国土空間データ基盤標準及び整備計画」(平成11年3月:以下、「整備計画」という)に盛り込まれた事項を実現することを原則とする。
 その際、「日本新生プラン」の実現のために、特に優先して行うべき事項、前倒しあるいは追加的に実施すべき事項を明確化し、重点的に実施する。
 なお、官民の適切な役割分担のあり方に留意し、官民の連携のもと進めるとともに、国際ルールとの整合性を図る。

II 主要課題と対応方策

1. 地理情報の電子化

(基本的な考え方)
○ 政府の保有する地理情報の電子化は、GIS整備・普及のための最も重要かつ基本的な課題であり、「整備計画」に示された「空間データ基盤標準」については、電子化を極力急ぐ必要がある。
○ 道路データ、住所に対応する位置参照情報などについては、平成13年度までのスケジュール等を明確にしながら進める。

(具体的な施策の進め方)
○ 道路データ
・ 道路中心線等を含む基盤的なデータとして、全国の都市計画区域については、平成12年度中に数値地図2500の整備を完了する。さらに、全国の1/25000地形図のデジタル化については、平成13年度中の整備を目指す。
・ 道路関係図面については、行政の高度化や効率化、民間経済活動への支援に配慮しつつ、平成13年度末を目途に電子化の仕様等に関する基本方針を定め、これに基づき、電子化を進める。
○ 住所に対応する位置参照情報
(街区レベル)
・ 街区レベルの位置参照情報については、全国一律で一定以上の品質のものの整備が求められていることから、国土庁において、平成13年度までに全国分の整備を終了する。
(住所レベル)
・ 住居表示台帳データについては、個人情報保護等の観点からの検討が必要である。このため、関係省庁連絡会議において、GISに係る個人情報保護に関する考え方及びその措置等について平成12年度中に成案を得ることとし、それがまとまり次第、現在進められている個人情報保護法制に関する検討も踏まえ、住居表示台帳データの提供についてその可否も含め早急に結論を得られるよう、関係省庁において所要の検討を行う。

2. 地理情報の提供

(基本的な考え方)
○ 政府が保有する地理情報については、個人情報保護やセキュリティの観点等から特別な理由のあるものを除き、各省庁は提供範囲、方法、条件等を明確にし、インターネットにより無償で提供することを基本とする。

(具体的な施策の進め方)
○ 基盤的な地理情報については、原則として、普及期終了時までに、インターネットでの無償提供を実現することとするが、可能な限り情報公開法の施行(平成13年4月)にあわせて提供できるよう努める。主要データのインターネット提供開始時期は以下のとおりである。

データ名 整備主体 提供開始時期
街区レベルの
位置参照情報
国土庁 平成12年度
国土数値情報 国土庁 平成12年度
数値地図2500 国土地理院 平成13年度
数値地図25000 国土地理院 平成14年度以降目途

3. メタデータの整備・公開

(基本的な考え方)
○ 電子化された地理情報はもちろん、紙地図等のアナログ情報に関しても、地理情報標準に基づくメタデータの整備を早急に行うという基本的な考え方を踏まえ、今後、基盤的な地理情報を整備する際には、メタデータもあわせて整備することを徹底するとともに、データ本体の電子化に比べメタデータの整備が遅れているものの整備を急ぐ。

(具体的な施策の進め方)
○ 基盤的な地理情報(平成13年度に整備するものも含む)に関するメタデータについては、データの電子化にあわせ、原則として、平成13年度中に整備する。ただし、情報公開法の施行(平成13年4月)を踏まえ、できる限り、平成12年度中に整備を前倒しする。

4. クリアリングハウスの整備と連携

(基本的な考え方)
○ 政府部内での相互検索とそれによる重複投資の回避に加え、民間からの効率的な検索を可能とするよう、政府全体の地理情報に関するクリアリングハウス(地理情報クリアリングハウス)を整備する。当面は、国際標準を踏まえた米国の連邦地理情報委員会(FGDC)が採用している手法に基づき整備を進める。
○ 地理情報クリアリングハウスは、国土地理院に設置するメタデータ検索システムと、同システムにより検索されるメタデータを登録するための地理情報を保有する省庁が設置するノードサーバーから構成される。ただし、各省庁が個別に検索システムを設置すること及び他省庁のノードサーバーを共同利用することを妨げない。
○ 地理情報クリアリングハウスは、総務庁が整備・運用している総合案内クリアリングシステムとリンクする。

(具体的な施策の進め方)
○ 国土地理院は、メタデータ検索システムを整備し、平成12年度中に地理情報クリアリングハウスの運用及びノードサーバーの設置やメタデータの整備に関する関係省庁への技術面の支援を開始する。
○ 地理情報を保有する省庁は、地理情報標準に準拠したメタデータを整備し、ノードサーバーに登録するとともに、データの電子化及び提供の状況、メタデータの整備状況等について、国土地理院に報告する。
○ 国土庁は、基本空間データに関するクリアリングハウスのあり方、技術の進展等を踏まえた次世代の地理情報クリアリングハウスのあり方等の検討も含め、地理情報の管理・流通を促進する観点から、引き続きクリアリングハウスの改善に関する検討を進める。

5. 技術的な課題

(基本的な考え方)
○ データの相互利活用を容易にするための標準やプロトコルの開発については、普及期中のデータ整備を促進させるため、できる限り速やかに進める。ただし、地理情報の電子化・提供、メタデータの整備、クリアリングハウスの整備等については、これらの開発が終了する前においても、積極的に進める。
○ GISの整備・普及にとって共通の基盤となる技術の開発については、普及期中に成果を得ることにより、本格的な全国展開に活用する。

(具体的な施策の進め方)
○ 地理情報標準については、平成12年度内のJIS化を図るとともに、G−XMLについては、平成13年度前半のJIS化を図る。また、クリアリングハウスの検索手法の確定に向け、国内用拡張定義の検討を進める。
○ 大容量データの圧縮伝送技術については、平成13年度内に成果を得る。
○ インターネットによる地理情報の相互利用については、データのダウンロードにとどまらず、データの重ね合わせや分析等が迅速に行えるようにすることが重要であることから、平成13年度におけるGISモデル地区実証実験において、具体的に検証する。
○ 国民生活や企業活動における高精度での位置把握に資するため、GPS(汎地球測位システム)を活用した電子基準点データのリアルタイム提供を平成13年度からの3年間で実現するとともに、平成13年度のモデル地区実証実験において具体的検証を進める。
○ 3次元GISに関する技術開発については、平成13年度中に実用化に向けた成案を得る。

6. 民間データの活用と品質評価の検討

(基本的な考え方)
○ 地理情報の相互利用を促進するため、政府のデータを民間に提供するだけではなく、民間のデータの品質を評価し、適切な品質等を備えたものは行政でも活用することが可能な環境を早期に整備する。

(具体的な施策の進め方)
○ 国土地理院は、民間データに関する品質評価のあり方についての検討を進め、平成12年度中に検討成果をガイドラインとしてとりまとめる。この際、地図データの品質及び評価方法に関する国際標準案やGISモデル地区実証実験における検討成果を踏まえる。
○ 関係省庁は、上記ガイドラインに基づき国土地理院が定める品質明示方法案を踏まえ、法令等に定められた地図の精度、品質等の考え方について、平成13年度中に必要な点検を行い、見直しを行うものとする。

7. 地域等への支援

(基本的な考え方) 
○ 地方公共団体等におけるデータ、メタデータ、クリアリングハウス等については、地方公共団体等によって整備されることが基本である。ただし、地方公共団体等の保有する地理情報の重要性、財政状況等を踏まえ、補完的に支援措置を講じていく必要がある。
○ 我が国においてGISが本格的に普及していくためには、地域ごとのニーズや特色を活かしつつ、地域レベルにおけるデータ流通及び相互利用のための基盤を産学官等の連携により形成していく必要がある。

(具体的な施策の進め方)
○ 地方公共団体において整備する地理情報の仕様について、GISモデル地区実証実験における検討も踏まえ、平成12年度中に成案を得る。
○ 地方公共団体等の保有する地理情報のうち、民間からのニーズ等を踏まえ基盤的な地理情報であるにもかかわらず、整備・提供の進捗が十分でないものについて、平成13年度中に提供し得るよう、支援措置等の拡充を検討する。
○ GISモデル地区実証実験について、平成13年度の実施にあたっては、地域におけるデータ流通のための基盤形成を支援するという観点から、データ流通の核となるクリアリングハウスの構築など、内容を拡充する。
○ GIS地域推進母体に関する支援・育成の具体的な方向性について検討を進め、平成13度中に成果をとりまとめる。

8. アプリケーションの開発

(基本的な考え方)
○ GISを活用したアプリケーションを開発することは、GISの必要性、有効性を示す上で効果的である。行政分野においても、行政課題の緊急性に応じ、アプリケーションの開発を急ぐ必要がある。
○ 民間分野のアプリケーション開発は、民間の自主性に委ねることが基本である。ただし、非営利目的の活動に有用なものについては、必要な支援を検討する。
○ 今後、政府の保有する地理情報の提供・流通が実現するにともない、流通している既存の地理情報をできる限り活用しながらアプリケーション開発等を進めていく。

(具体的な施策の進め方)
○ GISは、IT関連の情報ツールの中でも、住民に身近なものとなり得るものであることを踏まえ、平成13年度のGISモデル地区実証実験においては、地域の具体的な課題にGISを適用していく取り組みを支援していく。
○ 特に、諸活動が複雑に展開されている都市地域においては、当該地域の重要な情報基盤として、都市をマネージメントするためのGISアプリケーションのプロトタイプの構築を進めていく必要がある。これは、官民のデータやこれまでに関係省庁で整備してきた技術等を集大成し、平成13年度に実施する。

III GISモデル地区実証実験について

 関係6省庁、地方公共団体、民間企業等の連携により、本年度から着手している「GISモデル地区実証実験」は、GISの整備・普及に関する重要な課題に関連し、普及期終了後のGISの展開のために必要な具体的検証のフィールドとしてきわめて重要である。
 実験参加省庁は、平成13年度中に具体的な検討の成果を得るものとし、また、それ以外の省庁についても、関連施策の実施にあたっては、当該実験との連携を図りつつ、進めるものとする。

普及期終了時までの目標と役割分担