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国土強靱化シンポジウム in 徳島
~もしもから、いつもを守る。~

 近年災害が激甚化・頻発化し、また、南海トラフ地震などの大規模地震の発生も切迫する中、防災・減災、国土強靱化の取組の重要性はますます高まっており、国や自治体のみならず、民間企業、地域住民などオールジャパンで進める必要があります。
 一人ひとりの備えと地域の協力が、命の、くらしの被害軽減につながります。本シンポジウムでは、国土強靱化「もしもから、いつもを守る。」をテーマに、南海トラフ地震での津波被害等が想定される徳島県において、地域防災力の一層の強化の必要性や国土強靱化基本計画及び第一次国土強靱化実施中期計画の内容などを紹介・議論しました。

概要

日時:2026年1月19日(月)
   13時30分-16時30分
会場:JRホテルクレメント徳島
定員:200名
主催:内閣官房国土強靱化推進室
共催:徳島県、徳島市、毎日新聞社、徳島新聞社

アーカイブ

https://www.youtube.com/watch?v=iP6DqqTgGck

チラシ(クリックで拡大)

開催概要

ビデオレター

シンポジウムの開催に先立ち、牧野たかお国土強靱化担当大臣より「災害に強い国づくりを進めるには、国や地方、企業や国民一人一人が一体となる必要があります。多くのみなさんに国土強靱化について考えてもらう機会としてシンポジウムを開催させていただきます」とのビデオレターが寄せられました。

開催挨拶


 古川 直季
国土強靱化担当内閣府大臣政務官
 徳島県は有史以来、幾度となく南海地震による被害を受けており、地震や津波の被害を伝える碑が多く残されているとうかがっています。これらは今後、起こりうる災害への貴重な教訓です。この徳島の地で開催されるシンポジウムを通じ、平時からの備え、まちづくりにつながる防災力の強化など、みなさんの参考になる議論がなされることを期待しています。


 後藤田 正純
徳島県知事
 日本では災害時に雑魚寝を強いられるなど、避難所におけるQOL(生活の質)の低さが指摘されています。徳島県では、市町村と連携し、避難所の環境改善を図るとともに、防災装備品の整備を進めており、いざという時に相互応援できる体制の構築を目指しています。本日は、南海トラフ巨大地震で大きな被害が想定されている地元自治体や、他の被災現場で実際に活動された方が登壇されます。生の現場の声をお伝えいただき、国土強靱化につながる機会になればと考えています。


 遠藤 彰良
徳島市長
 南海トラフ巨大地震がいつ起きてもおかしくない状況です。徳島市は基礎自治体として地域住民の命を守るため、災害が発生するおそれが高まった際には正確かつタイムリーに避難情報の発令を行うとともに、助かった命をつなぐため、避難所の拡充や生活環境の改善を進めています。今後は第2期徳島市国土強靭化地域計画に基づき、ハードとソフト両面におきまして、地域の特性に応じた防災対策に取り組んでいきます。

講演1 国土強靱化の取組の推進について

事前防災が被害を軽減する


 山本 巧
内閣官房国土強靱化
推進室 次長
 国土強靱化とは、「強さ」と「しなやかさ」を持った安全、安心な国土、地域社会を構築することです。
 強靱化に向けては、事前防災への取組が大切です。南海トラフ巨大地震では、1241兆円の経済被害が出ると推計されています。しかし道路の整備や建物の耐震強化など、事前に58兆円分の投資をしておけば、被害の3割を軽減できるとされています。
 国では令和7年6月に第1次国土強靱化実施中期計画を策定しました。令和8年度から5カ年計画で事業規模は20兆円強を見込んでいます。今後は防災インフラの整備・管理、ライフラインの強靱化、デジタル等新技術の活用、官民連携強化や地域防災力の強化についての326施策を進めることで、大災害から人命や財産を守っていきます。

講演2 徳島県における県土強靱化の取組

「大規模災害未経験」だからこそ必要な想像力


 朝田 将
徳島県政策監
 徳島県は、切迫する南海トラフ巨大地震だけでなく、洪水や土砂災害のリスクも抱えています。県土強靱化は急務です。
 ハード面では、地震・津波対策として緊急避難場所の整備や高台移転などを推進しています。また、復旧・復興の迅速化を見据え、高規格道路の整備も進めています。
 ソフト面においては、自治体と住民をつなぐ災害中間支援組織との連携を深めています。また、住民主体の避難所運営訓練をはじめ、避難所QOLの向上にも力を入れています。
徳島県は幸いにして、近年、大規模な災害を経験していません。しかし、このことが弱点になるおそれがあります。引き続き、想像力を持って、事前対策に臨む必要があると考えています。

講演3 徳島県での災害中間支援組織の取組について

官民コーディネートの重要性


 上月 康則
徳島大学教授/徳島被災者支援プラットフォーム
(TPF)理事長
 災害時には、専門性を有するNPO等のボランティア団体が被災地で大きな力となっています。一方で令和6年の能登半島地震では当初、官民の連携がうまくいかなかったという課題が浮かび上がりました。
 そこで必要性が高まっているのが「災害中間支援組織」です。この組織は、行政とNPOなどのセクター間の連携を進め、課題解決のための被災者支援コーディネーションを行う役割を果たします。
 TPFは事務局が徳島県という特徴を持っており、官民の連携はスムーズです。ただ、地域内のネットワークに弱さを抱えています。大きな被災経験がない県だからですが、今後は防災だけでなく広く地域課題に取り組む団体との連携を進めていきます。

パネルディスカッション

<モデレーター>


 加藤 孝明
東京大学生産技術研究所教授/国土強靱化推進会議委員

 上月 康則
徳島大学教授/徳島被災者支援プラットフォーム(TPF)理事長

 三浦 茂貴
海陽町長

 浜野 里奈
エフエム徳島 営業部 専任部長 CEO

 丸岡 いずみ
フリーキャスター

 山本 巧
内閣官房国土強靭化
推進室 次長
南海トラフ地震等の大規模地震及び津波等、自然災害への備えについて

徳島県は世界有数の自然災害危険地域

加藤
まずは徳島県の抱えている災害リスクと課題について考えていきたいと思います。
上月
南海トラフ巨大地震では、20㍍を超える津波が想定されています。大雨が降れば、土砂災害や吉野川で大きな洪水も起きえます。近年は大きな災害が起きていませんが、実は徳島県は災害の危険性の高い地域の一つです。
三浦
能登半島地震では基幹道路が寸断され支援や復旧が遅れました。海陽町の高規格道路は海側を走る国道だけです。いざという時、どこからも支援が届かないリスクがあると考えています。
山本
南海トラフの場合、被害は広域に及びます。国では高規格道路の整備に向け対策を進めていますが、支援が届かず、孤立する地域も出てくることを想定しないといけません。

災害でも「折れない国」をつくる

加藤
改めてになりますが、国土強靱化とは何でしょうか。防災と国土強靱化の違いが分からない人も多いように思います。
浜野
防災は災害のダメージを減らすための取組ですが、国土強靱化は災害の衝撃を受け流し、元に戻る「しなやかさ」をつくるための取組ではないでしょうか。被災しても、復興に向けて動き出せる底力とも言えるかもしれません。
丸岡
そうですね。私も「折れない国」をつくる取組だと考えています。災害は防げませんが、いざ、災害が起きても社会活動を止めないイメージです。
加藤
強靱化の「靱」は「しなやか」とも読みますよね。私は災害が起きても、復興できないような状態に陥らないようにすることだと解釈しています。

フェーズフリーな仕組みの活用

三浦
一方で基礎自治体としては予算が限られているという課題もあります。海陽町では、ふるさと納税の返礼品として、町産品を使った防災食を開発しました。これは日常で使うものを非常時にも役立てる「フェーズフリー」の考え方に基づいています。国土強靱化においても平時から役に立つものを作り、災害でも使えるようにしておくことはできないでしょうか。
加藤
静岡県伊豆市の土肥温泉では、災害への備えを観光の売りにしています。津波からの避難タワーを、夕日が見える展望レストランとして開業したところ、1年で10万人を集客したそうです。このように、1施策1目的ではなく、多目的にすることで、国土強靱化を推進していくことができるかもしれません。
山本
内閣府ではキッチンカーやトイレカーなどに対する補助制度を整備しています。平時はイベントなどで使う設備ですが、災害時に役立つからです。また、第1次国土強靱化実施中期計画でもフェーズフリーな仕組みを活用する方針を盛り込みました。

高齢化という課題と民間との連携

丸岡
今の話を聞いていて、過疎化や高齢化ということもセットで考えておいた方がいいのではないかと感じました。私は各地の災害を取材してきましたが、地域における高齢化の進行は復旧や復興の取組に課題をもたらしています。
浜野
私も同感です。エフエム徳島は防災ハンドブックを作成し配布しています。その冊子を取りに来られる地域のみなさんも高齢化が進んでいます。防災の担い手不足の問題が指摘されています。
加藤
もっと民間の力を活用することはできないのでしょうか。
上月
建設会社や運送会社など、被災者支援に役立つリソースを持つ会社はたくさんあります。一方でそうした会社の重機などが津波の到達範囲内に置かれているなどの課題もあります。防災意識をさらに高めてもらう必要がありそうです。
加藤
まとめに移りましょう。
上月
私は「防災はハッピーエンドだ!」という、東日本大震災で大切な娘さんを失った語り部さんの言葉に感銘を受けました。防災には我慢だとか、面倒だとかいうイメージがつきまといますが、そうではなく、みんなが助かって、地域の復旧・復興も早まるような明るい未来を想定することが重要です。そういうイメージを広げていくことが、防災意識や国土強靱化の機運を高める鍵になると思います。
山本
本日は多くのことを学ばせてもらいました。フェーズフリーな取組によって地方を活性化しつつ、明るい未来を想定した防災を進めていく、というアイデアをいただきました。国としても、国土強靱化に向け、一層の取組を進めていきます。
会場の様子/

【連絡先】
内閣官房国土強靱化推進室
〒100-8968 東京都千代田区永田町1-6-1
TEL.03-5253-2111(内線33734)
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