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国土強靱化:私のひとこと special.24

地域の多様な人々の支え合いを考えよう

(国土強靱化ワークショップ(第2回))

 平成30年度第2回のワークショップは、防災・減災への関心を高め、取り組みを広げていくため、「地域の多様な人々の支え合いを考えよう」をテーマとして、平成30年9月22日仙台市にて開催しました。
 今回のワークショップは、防災・減災に関心のある方に新たな交流や気づきを広げていただこうとするものです。支え合いによる「早期避難」を切り口としてアイデアを検討していただくことにより、未来指向型の発想・共有を目指した企画です。学生、子育て世代、高齢者の方など多様な世代の方々が参加しました。


第2回国土強靱化ワークショップ(仙台市)参加者で集合写真

話題提供: 支え合う早期避難とは?

アウトドア防災ガイドのあんどうりす氏より、アウトドアのテクニックを生かし、支えあって生き延びるための取り組みのヒントとなるお話をいただきました。
 はじめに、津波避難などに、高い所に手が届くクライミングのテクニックを教えていただきました。参加者が実際にやってみてやってみると、普段では手の届かないところにまで手を伸ばせることができ、皆さん納得のノウハウでした。 続いて、逃げない、避難しにくい理由とそのための解決策のお話がありました。
 まず、避難所が難民支援の基準以下などの状況と言われて、避難所に行きたくないとする人、なかでも乳幼児連れの方は避難所に行かない人が多いとのことです。24時間以内に、温かい食事を1時間に1000食出すことのできるキッチンカー、簡易ベッドや1家族で利用できるテント(冷暖房完備)、車椅子の人も困らないようなトイレが届くなどの避難所づくりに取り組まれているイタリアの例が紹介されました。内閣府の避難所ガイドラインを生かし、女性とか子どもへの配慮や授乳室の設置などを位置付けるなど、避難所生活の向上に取り組む必要があると指摘されました。

避難道路(ルート)が危ないから逃げない人に対しては、宮城県がお手本であるようにブロック塀撤去を進める必要があります。その際、国分寺市では生け垣にするための助成金を出し、地域のみんなで生け垣にして手入れできるようにして、地域の支えあいでブロック塀を無くした事例もあるそうです。
 その他に、情報がいろいろあるが、何を見ればいいか分からないという人もいます。これについて、例えば、地盤サポートマップという民間のサイトなど分かりやすい情報サイトがあるなども知っておくこと、広めていくことも大事とのお話でした。また、雨雲レーダーなどスマホからの情報を、アプリ利用が得意な地域のリーダーが広げるなどもヒントとしてお話されました。他方、最近気象庁が6時間を超える15時間予報を出しているが、スマホのアプリではなく、トップ画面に表示するなど伝える一工夫が必要とのことです。
 また、気象用語の単位がイメージしにくい問題もあります。これについては、『せきらんうんのいっしょう』という絵本を書いた気象庁気象予報官の荒木健太郎さんが、時間雨量100ミリの雨の威力について、1平方メートルに1時間に1回100キロの小ぶりの力士が一人落ちてくるという、わかりやすいスライドを提供しているとのことです。アメリカのニュース番組でも、イメージしやすい避難情報が放送されているそうです。また、川の防災情報という、上流で氾濫したらすぐ分かるというサイトが出ている。情報を知って早期避難につなげていくため、こうしたいろいろな手段や情報を知っておくことが大事とのお話が続きました。積算雨量が400ミリに近づくと、ウェザーニューズではハザードマップで危ないとされている所の80パーセントが実際に被害に遭ったという統計が出ており、400ミリという数字を覚えておくことも大切とのことです。

さらに、避難のタイミングについての正しい知識も必要とのお話が続きました。「避難指示」は、気象庁が出してる土砂災害についての対照表では「避難を完了」となっており、「避難勧告」では一般の人は避難すべき状態だが、すでに非常に危険な状態なので、いつも発令されるとは限らないが、「避難準備・高齢者等避難開始」の情報がでたら、高齢者に限らず要援護者やそれ以外でも、早めに声をかけあい避難しあえることが重要とのことです。
 さらに、情報を得ても決断できない人が非常に多い問題もあります。ちなみにアメリカや台湾では、逃げろと言われたら、過剰避難が問題になるほどしっかり逃げています。アウトドア系の人もそうで、学校の教育を含めて、自分で自分の命を守れるように判断できるようにしていくことが大事。ただ、ひとりで判断するのが苦手な人も多い。そのため声をかけあう避難がおすすめで、子育て世代は、西日本豪雨でも声をかけあっていたとのことです。

そして、自然について理解することの大切さについて話されました。アウトドアの人たちは、水の中に入るときに必ずライフジャケットを着ける。膝より上に水が来たら簡単に人は流される。また、水の流れが3倍になれば力(動水圧)は9倍になるなど、水の怖さを知っているからだそうです。また、自然を相手にするときには仕組から考える必要があり、例えば、長靴はだめで運動靴が良いとの話があるが、運動靴は寒いときには体が冷えるなど、一概には判断できないことも知っておく必要があるとのことです。
 続いて、避難がしにくい人たちが避難しやすい「わざ」のお話がありました。ベビーカーで逃げることについて、タイヤの半径以上の段差は普段から乗り越えられない、災害時地面が隆起していると乗り越えられないなどのことから、抱っこやおんぶのスキルを知っておくことが大切とのことです。また、アウトドアの大事な知恵である「濡れたら体が冷えること」については、車椅子でも濡れずに逃げられるようなレインコートがあることなど普段の生活から知っておく、用意していくことが大事とのお話でした。
 そして、日常からの自らの命を助けるための取り組みが、支えあう早期避難にもつながるとお話が結ばれました。両手を空けて誰かをおんぶできるスキルを、このスキルのある70代以上の方が地域の中高生に伝授できると、支え合う避難もできる。おんぶのやり方を若い世代にも伝えることで助けられる人も増えるのではないか。
 このワークショップで、避難しない人やできない人の様々な問題点を出し合い、どのようにしたらいいかを話し合っていただきたいとのことでお話が結ばれました。

参加者対話~話題提供を聞いて感じたことは?気づきを話し合おう!

あんどうりすさんのお話から、地域の多様な人との支え合いを考える視点に立って、4班に分かれたテーブルごとに気づきや関心のあることを話し合いました。
 そして、テーブルごとに話し合われたテーマを発表しました。
 まず、いろいろな意見があるメンバーがそろっているとした班でのテーマは、避難指示や判断、避難所、日本の防災に関する文化について。
 次の班では、女性に優しい思いやりの避難所、避難情報の判断基準、自然を学ぶこと、昔の知恵を生かすことなど。 続いての班では、小さい子どもを抱いても行きやすい避難所など避難所について、そして、昔とか自然に関する知識が大事なこと、スマホに頼らない避難情報を得られるような手段の確保、日常からの経験の共有など。
 最後の班では、快適な避難所、コミュニケーションと知ること・伝えること、避難所を普段から把握しておく必要性、学校での防災教育など。

これらの発表から、関心をもってアイデアを検討していくため、参加者の意見で次の4つのテーマがまとまりました。ひとつは「避難の情報を知る、伝える」、そして「楽しい避難所」、「経験と知恵の伝承」、「災害時のイメージを理解する」です。

アイデア検討~災害時に支え合うアイデアを、楽しく出し合おう!

参加者が、参加者がテーブルに固定されないで、様々な議論の場に参加、体験するワールドカフェ方式により、参加者全員が、検討テーマそれぞれに意見やアイデア出しを行いました。
 設定したテーマごとにテーブルを設けて、参加者がそれぞれ自分の興味のあるテーマなどのテーブルに移動し、そのテーマのアイデアを付箋紙(ポストイット)に書き出し、用意された模造紙に張り込んでいきます。1テーマごとに参加者全員のアイデアが盛り込まれた模造紙が出来上がっていきました。
v「楽しい避難所」というテーマでは、負のイメージを変えていくため、空間の作り方、衛生面、被災された方それぞれの得意分野を生かした役割分担など、さまざまな視点からのアイデアが出されました。
 「災害時のイメージを理解する」では、映像系で伝えるなどの伝え方、ARやVRの活用、防災運動会などのアイデア。 「避難の情報を知る、伝えるコミュニケーション」では、情報伝達のための日頃からの人と人とのつながりづくり、情報を得る手段の充実などについてのアイデア。
 「経験と知恵の伝承」については、地名や被災履歴を知ること、そのためのまち歩きの実施、津波伝承館や観光事業などによる外への発信、学校教育など学ぶ機会づくり、そして災害時に役立つもの・ことを伝えるためのアイデア。

アイデアまとめ~支え合うアイデアをまとめ、日常からの取り組みを考えよう!

まず、参加者がそれぞれ興味を持ったアイデアごとに、新たにグループを作りました。参加者一人一人が検討するためのテーマを選びました。 テーマごとに、アイデアを盛り込んだ模造紙を前にして、アイデアの絞り込みと取組を考え、ビジュアル性に富んだ発表資料をまとめていきました。

「避難の情報を知る・伝えるコミュニケーション」グループ

テーマごとに、絞り込まれたアイデアとその取り組み内容を発表しました。

「コミュニティづくり」グループ

町内情報大伝言大会をやりましょう、しかも抜き打ちで時間を問わずというアイデアです。例えば、避難所のある地域ごとに、地域の防災上のリスクや危ない場所などの情報を抜き打ちで、伝言ゲームをして、ちゃんと最後まで正確に伝えることができるかやってみるものです。
 災害時の防災上のリスクを伝えていくことになるので、地域ごとのリスク、弱点を知ることになります。そして、避難所に集まることになる方々の顔を直接お互いに知ること、抜き打ちなのでツールが電話だけではなく実際の災害時での方法を使うことになること、地域のコミュニティーが良くなること、伝わらない場合の改善点を考えるきっかけとすることなど、多くの効果が考えられたアイデアでした。

「楽しい避難所」グループ

楽しむための優しい避難所づくり、それも安全安心であって、それで快適である、その二つの面がある避難所についてアイデアが出されました。
 まず、安全安心については、子どもや母親が安心できるスペースがあること。そして、快適については、自分なりの役割がありやりがいにつながること。
 また、ペットも一緒に過ごせる避難所、子どもがわくわくする秘密基地のような避難所。そしてオフィスの改善のスキルを取り入れた避難所。
 災害時の効果として、(早期避難につながるよう)避難所に行きたいと思えるし、ストレスが減ったり生きる力が出てくる。周りとの助け合いや統率(ルール)も生まれ、早い復興にもつながるのではないかなどが提案されました。

「経験と知恵の伝承」グループ

「生き残る探求術を知る」を柱として、さまざまな取り組みのアイデアが提案されました。
 一つは、毎年継続していくこと、そして実際に体験するものとして、子どもを中心として、大人も巻き込んでいけるような取り組み。地元でいろんなことを知ってる人、例えば災害の体験を知ってる人、食べられる野草のことを知ってる人などそれぞれ専門性を持っている人を生かす。
 二つ目は、町のことを知る。どこが危険かを知るというまち歩き。新しく来た人とか子どもたちが、その歴史、地名の歴史を知ることによって、安全な所、危険な所を知る取り組み。
 三つ目は、身近な工夫のサバイバル術を学ぶ。避難訓練時やポイント制、学校での教育など。
 これにより、地元の方を生かしたりつながっていくこと、一人一人が活躍できるような状況を作り出すこと、世代間の助け合いや共助の雰囲気を作り出すことなど、多くの効果があるアイデアが提案されました。

「災害時のイメージを理解する」グループ

怖いということを伝えることが大事との観点からアイデアが提案されました。災害の怖さを知り、逃げるようになるために、ゲームとしていこうとするものです。
 うまく逃げたら生きられるけれど、逃げなかったら大変。そして、人を助けたら、危険が増すけどいい結果となる。このような避難体験ができるゲームを開発しようと提案されました。
 災害時に命を守ることや金銭的な損失を減らすことについて、ゲームを通じて体験し考えることができる、そしてさまざまな立場の人の行動や選択を知ることもできる。
 楽しみながら、支え合う取り組みにつながるアイデアでした。

チェックアウト~参加者からひとこと発表

輪になって、ワークショップで感じたこと、思ったことを発表しあいました。
 「鍛える」「自然のことをもっとたくさん知る」「まず自分が安全でいる」「日頃から防災のための準備をしておく」など災害時の具体的なイメージからの気づきや、「地域の災害リスクを点検する」「体験型の津波伝承館を建てる」などの支えあいのための取り組みなど、ワークショップを通じての参加者の思いが発表されました。

防災・減災に関心を持っていただき、さらに取り組みを広げていこうとする国土強靭化ワークショップ。参加者それぞれが新たな気づきを発見するとともに、皆さんでアイデアを出し合い具体的な取り組みとして考えていくことで、参加者のこれからの日常に生かし、防災・減災の取り組みを広げるためのきっかけとなる機会を共有していただきました。

#つながり #コミュニティ

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