実施に至る経緯・動機
- 市が実施する制度は多岐にわたり、市民にとっては制度の検索や問合せに時間を要することから、自らが対象となっていることに気が付かず、受給漏れなどが生じているケースがある。
- 市は様々な手続きをとおして市民から住民情報を預かっているため、これらの情報を解析することで、市民一人ひとりに合った情報提供が可能であることから、LINEを活用した市民へのプッシュ型通知サービス「あなたが使える制度お知らせサービス ~For You~」を令和3年1月より開始した。
解決する課題の具体的内容
- サービスを受給できる可能性がある市民へ個別にLINEで制度内容を通知することで、受給漏れを防止しサービス受給率の向上を図ることができる他、市民が制度の検索などに要する負担を軽減することができる。
- 特に、行政サービスを必要とする市民ほど、制度を調べる時間が無い傾向にあることから、行政が真にサービスを提供したい市民へ、サービスを届けることが可能となる。
デジタルを活用した取組による成果
取組のアウトプット(令和4年9月末時点)
通知した延べ回数 | 121件 |
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通知した延べ人数 | 14,784件 |
通知した手続き数 | 通知対象制度26制度のうち20制度 |
取組のアウトカム(令和4年9月末時点)
サービスの利用申請者数 | 8,798人 | |
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利用者アンケート結果 (回答数328人) |
手続きを忘れずにすませることができた | 11.4% |
制度を自分で調べる手間が省けた | 24.6% | |
自分が利用できることを初めて知った制度がある | 15.2% |
- 利用者から「子どもの予防接種は種類が多く、一度にまとめて予診票が届き、接種時期を自分で確認する必要があるが、接種時期に「あなたが使える制度お知らせサービス」から通知が届いたので、忘れずに予約ができた」など、評価の声をいただいた。
- 担当課から「制度通知直後から問い合わせ件数・申込数が増加した」との報告あり。
本取組の特徴的な点やデジタルの活用において工夫した点
- 独自性・先進性
単なるプッシュ型通知ではなく、市で管理する住民情報を解析することで、個々の市民の生活状況に応じた制度の通知をすることが可能である。このように、対象者の情報に合わせたプッシュ型通知サービスは、全国でも初の取組と認識している。 - 実効性・持続性
市が独自にアプリ等を開発するのではなく、市民に広く利用されているソーシャルメディアであるLINEを活用することで、市民にとって利便性が高まるよう設計した。 - 通知対象制度の選定
対象制度は、子ども子育て・福祉分野を中心に選定した。選定にあたっては、市民からの申請により給付や減免が受けられる制度や、個別通知によって申請率(受給率)の向上など効果が見込める制度のうち、「未申請の理由が、申請忘れや制度を知らないことによるもの」、「受給率が低く(95%未満)、プッシュ型で情報提供することにより受給率の向上が期待できるもの」及び「(実証実験時に実施した)アンケートの回答数が少なく、制度があまり知られていないと思われるもの」の3つの要件に該当する制度を対象制度とすることで、市民にとってニーズの高い情報を通知できるよう工夫した。
- 連携団体
- (株)オプティマ
- 問い合わせ
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- 部署
- 業務改革推進課
- 電話
- 043-245-5797