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国土強靱化:私のひとこと special.20

ICTの可能性を探ろう!
レジリエンス×ICT・データ利活用

(国土強靱化地域自主ワークショップ(佐賀会場))

平成30年1月28日、佐賀会場において、「ICTの可能性を探ろう!」をテーマとして、第6回目となる地域自主ワークショップを行いました。
 国土強靱化地域自主ワークショップは、平成29年8月26日に東京で行われた第1回国土強靱化ワークショップに参加された各地域の「地域リーダー」が行うものです。
 「地域リーダー」とは、地域での防災・減災活動を自主的に行い、平時から様々な組織等とコミュニケーションをとり、中心となって活動していただいている方です。
 その方々が防災、減災等のテーマについて自ら企画立案した形で、国土強靱化地域自主ワークショップを行っていただきました。


地域自主ワークショップ【佐賀会場】参加者の集合写真

地域自主ワークショップの自主的な企画づくりのプロセス

今回のワークショップは、「ICTの可能性を探ろう!」について、ICT利用が一般にも進展しているなかで、これをうまく使い地域の課題を解決していくために、みんなで考えようと企画されました。
 SNSをはじめとするウェブサービスは、正しく使えば、災害時の情報伝達ツールとして力を発揮します。また近年、行政機関等が公益性の高い各種データを自由に使えるように開放する“オープンデータ”化も進んでいます。ワークショップでは、これらのICTツールやデータを地域内で上手く活用し、地域の防災減災につなげる方法を、参加者が共に考え、レジリエンスをどうもっと最大化できるかというかについてアイデアを出し合い、今後の活動に活かしていくことを目指したものです。

地域自主ワークショップ【佐賀会場】の開催趣旨

今回のワークショップは、地域リーダーが、東京で開催された国土強靱化ワークショップに参加しており、ぜひ佐賀でとの思いで、開催したとのお話でした。
 地域リーダーから、ICTがスマートフォンなどにより行き渡った状態になっているなかで、うまく地域で使い様々な課題を解決する方法を、ICTが得意な人も苦手な人も、「サークル活動」のようにみんなで話し合いたいとの趣旨が話されました。
 そして、今回のワークショップで話し合われたアイデアを共有財とすることにより、市民参加型の活動やビジネスとして、ひとつでも実現することが期待されるものです。

話題提供 ~ 「ICTを活用した防災・減災とデータ利活用」の可能性とは?

話題提供として、国際大学グローバル・コミュニケーション・センター准教授の庄司昌彦氏から、『「ICTを活用した防災・減災とデータ利活用」の可能性とは?」と題して、自分ごととしてICTの活用を考えるきっかけとなる、お話をしていただきました。

まず、防災に役立つ官民のデータ活用に向けたお話しとして、災害対応についてどういうことが今まで行なわれてきたのかというお話がありました。  みんなで使えるデータを増やしていこうという動きは、東日本大震災の反省を踏まえて盛んになってきたとのことです。一つはコミュニケーションに関して、電話だけではなく、インターネット各回線、東日本大震災をきっかけに生まれたLINE、Twitter、Facebookなどです。電話が駄目なときでも、個人と連絡を取る手段になるとともに、物資提供や募金、寄付、ボランティア、節電などみんなでやろうよという動きを作り出す力が強く認識されました。
 そして、GoogleやNHKなど大きなデータを持っている主体が集まって防災にもビッグデータを活用していく動きが広がり、またsinsai.infoというサイトでは避難所の開設状況や避難者・物資などに関する情報を一つの地図に集約するなどの、民間での自発的なプロジェクトが展開されたお話が続きました。このような中で、官民データ活用推進基本法が2016年12月に議員立法で作られ、このなかで、重点分野としてインフラ防災減災分野も位置づけられて、データの活用を国だけでなく地域レベルで広げていこうという動きとなったとのことです。
 災害に関するデータについては、自由に使えるオープンデータを増やし活用していこうという動きが東日本大震災を受けて、この5、6年進んできているとのことです。全国避難所データベースや消防団の世界では高い評価を受けている全国水利台帳、カーナビへの河の水位情報の配信(静岡市)、台風の位置情報と口コミ情報を一緒に運転者に伝える事例など、多様で、先進的な取組が紹介されました。
 さらに新潟地震や阪神淡路大震災の写真を、誰もが使える素材として、防災科学研究所や神戸市が提供するシステムなど、災害の記憶が風化しないために大きな意義を持つ事例も紹介されました。
 そして、東日本大震災の後に、宮城県山元町で社会情報学会が携わった「思い出サルベージ・アルバム」の様子が動画で紹介されました。津波に流されたアルバム等を集めて保管し、顔認証などのデータ処理システムを活用して、アルバムの持ち主に返していこうというプロジェクトです。動画では、このシステムでアルバムを見つけた被災者の様子が映し出されました。津波で失った家族の思い出を取り戻した喜びが伝わり、参加者の胸を打ちました。
 さらに、東日本大震災では、一つのツールでみんなをカバーするのはなかなか難しいとの調査結果が出ているが、例えばSNSを使える若い人に大量の情報を渡して高齢者に伝えてもらうとか、何段階かのステップを考え組み合わせ手活用が広がるのではないかとのご指摘がありました。スマートフォンやLINEなどSNSの普及が急速に進んでおり、また、高速な回線が全国どこでも使えるようになっていること、そして東日本大震災のときは携帯電話の基地局が倒れて通じないことがあったが、熊本地震ではすぐ復旧するなど、ICTの活用可能性が、一層広がり、様々な課題への対応が可能となってきているとのお話が続きました。また、災害時の物資供給についても、現在は水・食料・毛布などの基本的なものは被災に応じて対応する仕組みができてきているが、そこからこぼれ落ちるアレルギーとか子ども、高齢者、マイノリティーな方々の問題について、ICTの活用で改善することができるのではないかとのお話が続きました。
 今後は、災害弱者に関する情報や、コンビニやガソリンスタンドの復旧などを「見える化」するための民間側の情報などを、差し支えない範囲で共有化を進め、自助・共助に活用していくことが必要とのことです。
 最後に、どんどん変わる現場の状況・ニーズ・課題に対応できる情報のあり方も考える必要があると結ばれました。
 ITやデータがどう防災減災の活動に使えるのかについて、気づきとヒントに満ちたお話でした。

参加者対話 ~発災時に活用できるICTとデータとは?ブレストしよう!

話題提供を聞いて、発災時に活用できるICTとデータとはについて、まず一人一人でアイデアや発想のきっかけとなるキーワードを、「マンダラート」という書式を使って、書き出しました。
 そして、ペアブレストとして、任意で2人ずつのペアとなり、書き出したアイデアを話しあっていきました。ペアブレストは相手を4回換えて行いました。レジリエンス、防災・減災にICTデータがどう使えるかについて、自分のアイデアを説明するとともに、相手の話を聞き、話し合い、発想を広げていきました。
 「顔認証で安否確認」「フェイクニュースの除外」「VR(ヴァーチャルリアリティ)で災害の備え」「画像解析を活用した物資の仕分け」「避難所のニーズを拾うスマホ位置情報とAI、音声認識」・・・・・・防災・減災について、ICTを活用した様々なアイデアが繰り広げられていきました。また「不安の相談」「アレルギー情報」などICTを活用できないかを検討するために考えるべきテーマも提案されました。
 初めて対面する人同士でしたが、熱心なお話し合いが繰り広げられました。

グループワーク ~出てきたアイデアをみんなでブラッシュアップしよう!

グループワークとして、一人一人のアイデアをテーマ毎にまとめて、議論し、ブラッシュアップしていきました。 まず、テーマの設定です。4回のペアブレストで、自分が考えたこと、人から聞いてなるほどと思ったこと、組み合わせたら面白いと思ったことなどを付箋に書き出しました。その付箋を、ホワイトボードに貼り出し、似たものをまとめていき、ICTの利活用を考えるための五つのテーマに絞りました。 そして、テーマ毎にグループをつくり、議論してアイデアをブラッシュアップしていきました。

  • ・「発災時のニーズの把握」をテーマとするグループでは、情報弱者にどう対応するのか、もの(援助物資)の仕分けをどうするか、声には出さないがニーズを抱えた人にどう対応するかなどの観点から話し合いが進みました。
  • ・「情報の確かさ」をテーマとするグループでは、情報の信頼性を評価する具体的な方法が話し合われました。
  • ・「安否確認」をテーマとするグループでは、被災者への知人や親戚からの多数の連絡への対応について話し合われました。
  • ・「交通等」をテーマとするグループでは、実際に交通がまひした時にそれをクリアするための手段、方法について話し合われました。
  • ・「発災前の体験や教育」をテーマとするグループでは、何が問題で誰に伝えていくかから考えていきました。

企画まとめ ~アイデアをまとめ、一枚のポスター(模造紙)にまとめよう!

企画まとめとして、アイデアを話し合いブラッシュアップしながら、ポスターにまとめていきました。各テーブルに加わったビジュアルファシリテーターが参加者の議論を絵にしながら、そして参加者も加わり、ポスターを仕上げていきました。
 「交通、届ける」グループは、「情報・物資運びたい(隊)」として最適な手段で最速に物資を運ぶためのアイデア、「発災時のニーズの把握」グループは「AI(愛)避難所」をキーワードに「困らない避難所」にしていくためのアイデア、「平時からの教育体験」グループは子どもをターゲットとしたアイデア、「情報の確かさ」グループは情報を評価していくためのアイデア、「安否確認」のグループは顔認証システムを使うアイデア。
 各グループで独創性で魅力的なアイデア満載のポスターが、作られていきました。

成果発表・意見交換 ~グループから企画内容を発表し、みんなで意見交換しよう!

各グループでまとめたポスターをもとに、アイデアが発表・共有されました。
 「交通、届ける」のグループは、交通網遮断で支援物資が届きにくい事態が発生した際に、トラック、軽自動車、ドローンなど最適な手段で、しかも最速で物資を送ることができるよう、SNSなどに位置情報や現地写真等をアップするとともに混雑や遮断等の最新情報を掲示できるようにして孤立した地域をなくしていくことにつなげるアイデア。

「発災時のニーズの把握」は避難所に関するアイデアに発展しました。避難所に入ってる方の個人の情報は、マイナンバーを活用して個人情報、顔認識、アレルギー情報などを一体化する。避難所では、顔認証を活用したニーズへの対応や、困っている人のニーズを音声デバイスで把握・対応する。これらにより、過不足なく必要なものが被災者の元に届くようにする。

「平時からの教育体験」のグループは、レジリエンスフューチャースクールがテーマ。未来の子どもたちのために、子どもが知りたくなるようなコミュニティを作るアイデア。具体的には、子ども防災ポータルサイトとして、オンラインで情報共有できたり、VR体験ができたり、こころの応急処置のレッスンなど、いろんな事を行っていく。

「情報の確かさ」では、いろんな情報がSNS等で発信される現状に対して、必要な信頼できる情報をICTで解決するアイデア。信頼性、緊急度に応じて沢山の人に関連する情報をICTがスコアリングしてくれるシステムを作る。

「安否確認」のグループは、「避難所でウォーリーをさがせ」というテーマで発表。顔認証システムを使い、避難所に来た人たちの登録をマイナンバーカードや様々な情報とつなげるとともに、家族や知人友人等から被災者への電話問い合わせに自動での応答システムを作るなどのアイデアでした。

発表後、話題提供者の庄司氏から、未来志向の前向きで、具体性のあるアイデアが提案されたとお話がありました。また、こういうことをきっかけにして、企業の人も大学の人も住民の方も入って、多様なツールや技術を使って課題を解決していくという新しい防災の文化ができそうだと感じたとのお話がありました。

 最後にチームごとに、本日の取り組みを通じて、ICT等をどう使っていけばいいかを、一言で表していただきました。わくわくで未来を作る、愛、データをつなぐ・人をつなぐ・命をつなぐなど、未来志向の一言が続きました。
 地域リーダーから、ワークショップで出されたアイデアを共有財として、ぜひ一つでもこの中から実現を目指そうとの呼びかけで、ワークショップが終了しました。防災・減災にICTを活かした取組を考え、行動していくための一歩となる貴重な機会となりました。

#つながり #コミュニティ

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