価値創造を加速する知財・無形資産投資・活用のガイダンス

令和8年8月3日

 「知財投資・活用戦略の有効な開示及びガバナンスに関する検討会」(座長:加賀谷哲之一橋大学商学部教授)は、今般、「価値創造を加速する知財・無形資産投資・活用のガイダンス」をとりまとめました。

 長らく続いたデフレ・コストカット型経済から脱却し、賃上げと投資がけん引する成長型経済への移行が進む今、我が国企業には中長期の成長力をいかに創出・強化するかがこれまで以上に問われています。令和8年7月に閣議決定された日本成長戦略においても、企業の成長投資の質・量の向上、知財を戦略的に取得・活用する企業経営の推進、知財・無形資産の開示の促進が、対応の方向性の重要な部分と位置付けられています。

 令和8年に改訂されたコーポレートガバナンス・コード(以下「CGC」という。)では、知的財産等の無形資産 (以下「知財・無形資産」と称する。)が成長投資の重要な柱と位置付けられています。これらは企業価値向上の源泉であるため、その「創出・取得・強化・保護・収益化」に戦略的に取り組み、投資家等へ説明することが、取締役会に求められています。

 しかしながら、多くの日本企業において、上記の戦略的な取組は十分に進んでいないのが実情であり、その背景には、知財・無形資産が経営の根幹に据えられていないという課題があります。

 投資効果のレバレッジが高く、一度創出されるとその効果を繰り返し享受することができる知財・無形資産は「中長期の成功のタネ」というべきものです。企業価値向上を実現させるためには、その成功のタネを追求することで攻めの参入障壁を構築し、価格決定力やゲームチェンジを生み出す必要があり、攻めの参入障壁をいかに構築するかが経営戦略策定の鍵となります。

 しかしながら、知財・無形資産には、成長の糧に投資するほど短期的には利益が悪化して見えるというジレンマが存在し、このジレンマを克服するとともに、上記の参入障壁を構築するための戦略的な部門連携や人的配置に取り組み、中長期成長に関心のある投資家への発信を充実させていくことが重要です。

 このガイダンスは、本検討会で特定された、上記課題の解決を阻む5つの主要ボトルネックについて、具体的事例に基づいて対応の方向性を示したものです。取締役会が、これらの方向性に基づいて、可能なものから順に、速やかに対応することが期待されます。

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