西村経済再生担当大臣記者会見要旨


令和2年11月6日(金)19:48~20:17
於:中央合同庁舎8号館1階S101・103会見室

※下記の冒頭発言及び質疑応答は成長戦略会議に関する部分のみ。

1.冒頭発言

本日、成長戦略会議を開催し、ポストコロナの社会像、2050年カーボンニュートラルに向けたグリーン成長について検討を開始しました。

本日の議論の主な結果、内容は以下の通りです。
まず、2050年カーボンニュートラルの実現の鍵となるのは、革新的なイノベーションの推進です。特に、①電化と電力のグリーン化、②水素、③CO2固定・再利用いわゆるCCS・CCUSを重点分野として、実用化を見据えて、具体的な目標数値を定めた研究開発を加速度的に促進するため、長期間にわたる支援を図ります。
また、世界的にESG投資が拡大するなど、温暖化対策は企業にとってもはやコストではなく、競争力の源泉となっており、まさに規制改革などの政策を総動員して、企業の資金をグリーン投資に向かわせる、そしてESG投資や企業のカーボンニュートラルに向けた投資をサポートする税制や金融支援を検討します。

民間有識者の方からは、ベンチャー企業や中堅企業の役割も大事だというお話がありました。2050年が目標でありますから、長期にわたってインセンティブを与えることが必要ではないかという議論がありました。また、長期的な計画、目標になりますので、人材育成も大事だと、次の代、その次の代もしっかりとカーボンニュートラルにむけた人材育成をしていくことが大事だという議論もございました。
あわせて、環境関連分野のデジタル化によって効率的・効果的にグリーン化を進めていくということです。

さらに、エネルギー政策については、石炭火力発電に対する政策を抜本的に転換しつつ、省エネルギーを徹底する需要側の対策、そして、供給側は再生可能エネルギーを最大限導入するとともに、安全最優先で原子力政策を進めることで、安定的なエネルギー供給を確立すると。全体で、エネルギーミックス、ポートフォリオをどういう風に考えていくかということでありますが、いずれにしても安定的なエネルギー供給、当然、コストとかセキュリティだとかこういった観点も必要だという議論もありました。

官房長官からは、本テーマについては、近々、経済財政諮問会議においても議論が行われる予定であり、その場での総理の指示も踏まえて、本成長戦略会議において、検討を深めていきたいとの話がありました。

 そして、有識者それぞれ、ほぼ共有された議論として、2050年カーボンニュートラルいう目標設定は素晴らしいわけですけども、その実現への道筋、ロードマップをきちっと作ることが大事だということでありまして、そうした議論も踏まえて、カーボンニュートラルを目指す上で不可欠な、先ほど申し上げた水素とか、蓄電池とか、カーボンリサイクルとか、洋上風力とか、様々な重要分野について、一つには、具体的な目標年限とターゲット、技術開発などを進めていくと、それから、二番目に支援策の一つとして規制、標準化こういった制度整備を進めること、それから、三点目に、社会実装を進めるための支援策、こういったことを、今後梶山大臣を中心にまとめていただき、この本成長戦略会議に報告頂いて、議論を深めていければと考えています。

こういった議論の結果を年末の中間的報告、あるいはどこまで議論を進められるかということもありますので、最終的な報告に反映していきたいと考えております。いずれにしても年末には予算・税、来年度に向けて議論していくことになりますので、中間報告に一定のものはぜひ取り込んで行ければと考えております。具体的な日程については、今後調整していくことになります。

2.質疑応答

質問)
アトキンソンさんの資料に企業規模別生産性というものが出てますが、何かこの議論はございますでしょうか。ご本人に発言はありますでしょうか。

回答)
支援策を講じるに当たって、様々な支援策を国としてやっているんですけども、中小企業・中堅企業それぞれこれだけの数がありますので、これを全てカバーするにはなかなか、要は金額が足らない、というお話がありました。特に中堅企業をしっかり支援すべきだという視点だったと思いますけども、支援策をしっかり確保するようにというお話だったと思います。

質問)
環境支援策などはありましたか。

回答)
ああ環境についてね、省エネとか再エネについて、そういった支援策について、中堅企業に当てはめると、1%とか、ちょっと具体的な数字はまた後で事務的にお願いします。環境の支援策です、中小企業全体の支援策ではなくて。

質問)
成長戦略会議についてに戻るんですけども、環境省のことで伺いたいんですけども、 小泉大臣からですね2050年カーボンニュートラルに向けた成長戦略の提案ということで電動車の普及の課題ということで、世界各国の電気自動車とかPHEVの導入を促す政策としてガソリン車やディーゼル車の販売禁止が相次いでいるというリストがあって、日本はブランクになっています。今日の会議ではこういった資料についてどういった説明があって、今後日本として、このガソリン車、ディーゼル車の販売禁止のようなことについて検討していくお考えがあるのかどうか教えて頂けないでしょうか。

回答)
今日特段、何か電気自動車の普及について、大きな議論があったわけではありません。先ほど申し上げたとおり、今後梶山大臣を中心に、もちろん小泉大臣を含めて、先ほど申し上げた具体的な目標年限とかターゲット、そういった中で、当然自動車についてどう考えるのかという議論がなされていくものと思いますので、今後議論を深めて行ければと思います。

質問)
3点お伺いしたいんですけども、1点目は、先週開かれた地球温暖化対策推進本部で菅総理がパリ協定に基づく長期成長戦略の見直しについても言及されたんですが、これはどこで検討されていくのか。
2点目、経済財政諮問会議について、2050年カーボンニュートラルについて議論されるということなんですが、これはまた違った切り口で議論していくのでしょうか。

回答)
まず、経済財政諮問会議でより大きな視点で、経済財政政策全般について方向性を出していくと、その中で、環境・エネルギーの政策についても方向性が出されることになると思います。そこで菅総理からも指示が出されると思いますので、基本的にはその大きな方向性、菅総理の指示に沿った形で具体的な議論をこの成長戦略会議で具体化なり、支援策なりしていくことになりますし、すでに環境省、経産省を始め、各省で様々な提案もなされていますので、それぞれの重要分野について、具体的な目標年限やターゲットや支援策や規制とか制度とか、こういったことを梶山大臣を中心に整理をしながら、成長戦略会議に報告頂くことになります。その議論の経過を見ながら、年末の中間報告、これに盛り込めるものは盛り込みつつ、最終報告にまた盛り込んでいくことになると思います。そこで、一つには、年末に議論される税とか、予算とか、こういったものに反映できるものは反映していきたいと。その上で、長期的なエネルギー政策、エネルギーミックスは、総合エネルギー調査会で議論されることになっていきますので、相互に連関しながら、パリ協定の実施に向けた長期戦略を策定していくことになりますが、いずれにしても、諮問会議成長戦略、そして、様々な、総合エネルギー調査会、エネルギー基本計画などで議論をしながら、長期戦略を練っていくと思います。

質問)
3点目ですが、梶山大臣の報告というのは、梶山大臣が26日に臨時会見で言及された、年末をメドにまとめると言った実行計画そのもののことを指しているのか、それとは別に検討事項を報告してくださいということなのかそのへんを教えてください。

回答)
梶山大臣には、小泉大臣始め関係省庁といろんな論点を整理しながら議論の報告をして頂こうと思いますが、そこでまた、成長戦略会議で議論をし、その前に諮問会議からの大きな方向性もあるわけですけども、その上で、そういった議論を整理した上で、実行計画といったものは作って行くことになると思うのですが、いずれにしても、年末までに一定の議論を整理できたものは盛り込んでいこうと思います。

質問)
今日の成長戦略会議で、竹中先生から、民間議員として競争政策についてのスタディーチームをつくりたいという申し入れがあったようですけども、これは位置づけも含めてどのような扱いになるのでしょうか。また実際そのようなチームを作った場合に、成長戦略会議としてなにかしらのミッションを担ってもらいたいというお考え、ご希望はありますでしょうか。

回答)
竹中さんからは大変重要な指摘・提案を頂いたと思っています。私自身も、まさに共有をしている課題でありますので、こういった課題について、事務局のサポート体制、2番目はリストアップと言うことですが、私の方でこれは引き取りましたので、どういう形でサポートしていくかを含めて考えていきたいと思っています。



(以上)