西村経済再生担当大臣記者会見要旨


令和3年9月2日(木)16:13~16:21
於:中央合同庁舎8号館1階S101・103会見室

1.冒頭発言

 先ほど第13回の成長戦略会議を開催いたしました。秋のとりまとめに向けた検討課題について御議論頂いたところであります。成長戦略会議は、本年6月に成長戦略実行計画を閣議決定し、大きな方向性を決定したところであります。その実行のためには、今後、実行計画に基づいて予算、法制度の詳細を決定する必要があります。本日は今後政府として具体化に取り組む施策の重要事項の提示をし、御議論頂きました。その主な内容は、以下の通りであります。
 まず、強い経済をつくるためには確固たる成長戦略が必要であるという点。それから、考え方としては、今後の成長の原動力を作り出すために、投資、イノベーションを促していく。厳しい国際競争に打ち勝つ産業を創出していくということであります。その際に既存事業の深化だけではなくて、新規事業の開拓をおこなう、いわゆる「両利きの経営」を進め、新たな付加価値を生み出すということであります。
 新型コロナの中で利益を伸ばす業種もありますけれども、深刻な影響を受けている業種については、事業の継続、あるいは再構築をしっかりと支援をしていきたいと考えております。
 既に事業再構築の補助金で、様々な支援を進めているところでありますが、そういった方向性をしっかりと維持しまた強化をしていくということであります。 更に、非正規・フリーランスを守るということで、法整備などについても言及をしています。
 それから、こうした考え方の下に、いくつかの点について申し上げます。
 第一に、グリーン分野の新たな投資を進めるということで、2035年の新規販売電動車100%の目標に向けて、蓄電池の国内生産、充電設備の整備などを進めます。
 二番目に、少子化を克服し、人への投資を強化していく、ヒューマンニューディールと私は呼んでいるところであります。フリーランスの方々を保護するための法整備、それから、労災保険に加入するような制度改正を目指していきます。非正規の方々が求人の多い職場に円滑に移動できる仕組みも構築をしてまいります。
 第三に、経済安全保障の観点から、先端的な半導体工場の立地などに取り組みます。
 四点目、今日も多く議論がありましたスタートアップ、ベンチャー企業、これをしっかりと育てていくこと、そして規模の拡大、いわゆるユニコーンと言われるようなベンチャー、スタートアップをしっかりと育てていくことが重要であると。そして、上場の仕組みの見直しなどもおこなってまいります。
 第五に、事業再構築を支援するために私的整理を円滑化する法整備に取り組むこととしております。
 以上の点につきまして、総理から、秋に向けてこうした課題を具体化するため、議論を進めていくよう指示があったところであります。
 今申し上げたとおり、様々な議論ございました。詳細また、事務方からあると思います。スタートアップについて、大学の活動について、あるいは実行していくことの重要性、これまでできていないことの背景・要因をしっかり探りながら、官の方になにか課題があるのか、民の方に課題があるのか、そういったことも整理しながら進めて行こうということ。それから、デジタル化についても議論がございました。デジタル庁発足を機に、様々進めて行くこと。それから今のコロナについては医療の確保をしっかりやる、そのための体制を進めていく改革を進めていく、ということもありました。規制改革を進めるべきというご意見もございました。
 様々頂いたご意見を整理しながら、今日提示した内容について、しっかりと進めていきたいと考えております。

2.質疑応答

質問)
 今回の項目なのですけども、秋の成長戦略とりまとめは異例のことだと思うのですが、なぜこのタイミングなのかというのを改めて伺えますでしょうか。また、今後の政治日程も踏まえまして、今回の項目は経済対策や補正予算に加えるのかどうか、お伺いします。

回答)
 例年は年末に詳細な方針を決定するため、議論を深めていくわけですね、6月の実行計画の決定から。議論を深め、年末に詳細な方針を決定するということで進めておりました。
 その上で、例年であれば通常国会の予算案や関連法案を提出するということでありますけども、今年はまさにコロナへの対応がありますし、また、繰り返し申し上げているとおり、世界が大きく次の段階に動き始めている。デジタル化やグリーン、こういった動き、世界が大きく変動している、変化のスタートを切っている。そうした中で、今年はこうした詳細の方針の決定をいわば年末から秋に前倒しをして、こうした内容について迅速に進めて行こうと、政策の具体化、これの加速を図るということにしたわけであります。
 二つ目の点にも重なりますけれども、今回の検討項目を見て頂きますと、法整備も含めて予算だけでなく、様々な法制度整備、こういったものも含まれておりますので、必ずしも経済対策や補正予算を念頭において指示されたものではない、と理解しております。ただ、今後、経済対策の議論、総理も常に頭に置いて考えていると言われているとおり、今後経済対策の議論になれば、当然、その中へ取り上げられていくものも多く含まれているというふうに理解をしております。



(以上)