Digi田甲子園の事例を中心に、
デジタルを活用した地域の
課題解決や魅力向上の優れた
取組をご紹介します。
取組内容
外部企業との共創によるオープンイノベーションの実現を目指して実施した「KEIO OPEN INNOVATION PROGRAM」の採択企業であるfind社が展開する落とし物クラウドサービスを導入した。落とし主のお忘れ物照会にかかる利便性向上と係員のお忘れ物取扱業務における業務軽減を目的として、AIなどのテクノロジーを活用した「落とし物クラウドfind」を通じたチャットによる問合せ対応とAIによる自動照合を行い、京王線沿線のお忘れ物を検索する。駅施設や電車内のお忘れ物について、落とし主からの問合せを各駅やお忘れ物取扱所にて電話や対面で受ける際、情報確認や照合までに多大な時間がかかるという課題を解決した。
実績や効果
月16,000件ある忘れ物のうち概ね6,000件(約3割)をお客様に返還。画像検索により問合せに対する返却率は導入前の約3倍に向上。導入前はお忘れ物取扱所への電話が多い日で200件弱・平均約160件だったが、導入後は100件を下回ることが多く約3割減少。駅への電話問合せ・来駅による検索対応も約3割減少した。
取組全体を通じて訴えたいポイント
お客様は深夜等、対応が難しい時間帯でも「落とし物クラウドfind」でお忘れ物の捜索を依頼できる。これまでは問合せフォームや電話等の手段が一般的だったが、時間・場所を選ばずLINEで気軽に問い合わせができる点が最大のメリットである。お客様に新たな付加価値を提供することに加え、業務効率化にも繋がっている。
地域の課題解決・魅力向上
当社線をご利用いただくお客様が落とし物をされた際、「連絡するだけでも大変」「探したくても見つからない」という悩みや不安を、テクノロジーの力によって解決するものである。お客様が負担なくお忘れ物を探せる・戻ってくることを目標にサービスを展開している。
独自性・先進性
「落とし物クラウドfind」を通じたお忘れ物検索サービスの導入・お客様へのサービス提供は全国初の取り組みである。従来のお忘れ物管理は、数多くの品物を「管理すること」に主眼を置いていたが、この仕組みは「いち早く見つかる」「手元に戻ってくる」ことにフォーカスし、お忘れ物をお客さまサービス向上に繋げている。
持続性・発展性
新機能としてChatGPTなど生成AIを搭載したお忘れ物情報の自動登録を実施。係員の情報登録の時間が短くなる効果が期待されるとともに、お忘れ物を取り扱う係員による入力内容のムラがなくなること、さらに短時間で多くのキーワードがインプットできることにより、キーワード検索による発見率の向上にも大きく貢献する。
他地域への横展開
当社グループの西東京バス株式会社において2024年8月から「落とし物クラウドfind」を導入し、LINEでの問合せを開始した。その他、当社での導入を契機に各鉄道事業者や商業施設など利用施設数が増加しており、find社のビジョンである「落とし物が必ず見つかる世界へ」の実現をfind社と共に目指している。
取組を進めるうえで苦労した点
導入に際しては、現場の意見を聞き入れながらfind社のスタッフと改良を重ね、日々の課題感や疑問点が速やかにクリアされシステムに反映されており、導入時の苦労は全くなかった。強いて言えば、数多くの現場の意見を忠実に具現化してきたfind社サイドに苦労が多くあったと思われる。
取組の成果を上げることが出来た秘訣・工夫
find社との共創により、単純な業務効率化だけではなく、「ビジョンに共感し、共にシステムを創り、それを現場に展開しながらブラッシュアップしていく」というプロセスを回せたことである。とかく前例踏襲が多い鉄道事業の中においても、新しいテクノロジーや新たな視点に共感し、それを原動力にできたことが成功に繋がった。
今後の展望
他企業や京王グループへの導入を推進していくことでfind社の成長を支援するとともに、京王グループ全体のDXや働き方改革を実現していく。サービスの導入企業が増え社会的に普及することでより落とし物が見つかりやすくなり、循環型社会の実現にもつながることから、社会課題の解決への貢献も目指す。