Digi田甲子園の事例を中心に、
デジタルを活用した地域の
課題解決や魅力向上の優れた
取組をご紹介します。
実績や効果
本サービスは、食品輸出EXPO・インターフェックスなどへの出展実績あり。関連技術の特許5件を出願済み。本取組内容の詳細は日経新聞2024年7月9日に掲載済み、月刊「養殖ビジネス」2024年11月号にも掲載。本取組の効果は、保冷剤33%削減による輸送コスト10%、CO2排出量11%の削減である。
取組全体を通じて訴えたいポイント
本サービスを日本全国へ普及することで、日本の水産業界における輸出拡大・輸送コスト削減・輸送時のCO2削減に貢献できる。高度なITリテラシーを必要としない本サービスは、日本の水産業界におけるDXの導入システムとして適しており、高品質な日本産品を海外に広めるための効果的な取組である。
地域の課題解決・魅力向上
鹿児島県産鮮魚の品質を保ちながら海外の消費者に届けるために、鹿児島県垂水市漁業協同組合では、把握の難しい海外現地での流通形態に対し、商品ケース内に過剰な保冷剤を入れることで鮮魚の鮮度確保に努めていた。これに対し、本取組により最適な保冷剤数を見極め、鮮魚の品質確保と輸送コスト削減の両立を実現した。
独自性・先進性
従来の温度ロガーは鮮魚個品での管理が難しく、鮮魚が輸送される梱包箱内の空間温度をモニタリングしていた。温度検知QRコードラベルは、鮮魚個品に貼り付け鮮魚自体の温度を直接モニタリングできる。専用アプリを搭載したスマートフォンでラベルを読み取ることで、温度逸脱と個品情報を取得しデジタル管理が可能となる。
持続性・発展性
温度検知QRコードラベルは対象物に直接貼り付けるだけで温度モニタリングが可能となる。回収の必要も無く、現場での作業負荷も少ないため持続的に使い続けられる。さらに、ラベル内のQRコードに組み込む情報は任意に設定でき、管理情報に加え商品や生産者情報を表示させるなどの提供価値の発展性が期待できる。
他地域への横展開
日本産の食材を品質を保ちながら海外の消費者に届ける仕組み作りは、日本の共通課題である。豊洲市場や羽田空港など輸送経由拠点から遠い鹿児島県でユースケースを作ることで、他地域展開を図りやすい。ラベルとスマートフォンを活用したシステムからなる本サービスは、地域や業界に関係なく、あらゆる場面で活用できる。
取組を進めるうえで苦労した点
水や氷を扱う高湿低温環境下の水産現場での社会実装を見据え、耐久性が高く取り扱いやすい温度検知QRコードラベルを開発した。また、明暗などあらゆる環境で高精度に色変化情報を取得するための独自の色解析および色判定アルゴリズムを開発し、アプリとして実装した。
取組の成果を上げることが出来た秘訣・工夫
連携する日立製作所・日立ソリューションズの技術開発チームが現場に足を運び、ラベルおよびアプリを社会実装可能な形態に改良した。加えて、鹿児島県庁・垂水漁協・萌す・豊洲市場・流通関係者・シンガポール現地の関係者との密な連携による現場課題の共有や本サービスに関する議論が、本取組の成果に繋がった。
今後の展望
鹿児島県との連携を強化し、取組の中で構築したユースケースの他地域展開を推進する。また、サービス対象を水産物から農林水産物全般および医薬品など温度管理が必要な商品全般に拡大し、海外に輸送される日本産品の品質確保とブランド価値向上による販路拡大に貢献する。