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Digi田甲子園の事例を中心に、
デジタルを活用した地域の
課題解決や魅力向上の優れた
取組をご紹介します。

ドローンを活用した密漁防止の取り組み

北海道水産林務部水産局漁業管理課農林水産業、食関連

実施年度

第4回Digi田甲子園

主な実施地域

北海道十勝地域

取組開始時期

2021年度

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取組内容

私達は、漁業法に基づく捜査権限を持つ漁業取締船であり、漁業秩序維持のため道東海域で漁業取締りに従事しています。密漁は、証拠物を確保する必要があり、現行犯逮捕が原則のため、取締りのハードルが高い事が長年の課題でした。本船では、全国に先駆け、乗組員自らがドローンを操縦し、搭載カメラのデジタル機能(車のナンバーも判別可能なズーム機能、夜間も撮影可能な赤外線機能、複数犯を瞬時に見分けるAI機能)を駆使する事で、課題を解決し、警察等と協力して効果的な取締りを実施しています。漁業者の生活を脅かし、暴力団や闇バイトの関与で治安の悪化に繋がる密漁の撲滅に向け、今後もドローンを活用し取締りを行っていきます。

実績や効果

ドローン導入前は、通報を受けた警察官が密漁者を発見することもありましたが、すぐに証拠物を廃棄され、検挙は困難でした。現在はドローンのズーム機能を使えば密漁者に気付かれずに犯行の一部始終を撮影でき、夜間でも赤外線機能で対応できるため、最小限の捜査員で、これまで検挙に至らなかったケースを解決できました。

取組全体を通じて訴えたいポイント

近年、密漁も闇バイトの関与が明らかになっています。彼らは密漁ができなくとも、強盗など他の犯罪に手を染め、地域の治安を悪化させるおそれがあります。私達はデジタル技術を用いて密漁防止に取り組んでいますが、これを特殊な例とせず、社会問題と捉え、犯罪防止のためのデジタル技術活用を進めて欲しいと考えています。

地域の課題解決・魅力向上

温暖化による海水温度の上昇などの影響により水産物の漁獲量が減少傾向にある中で、密漁は漁業者の生活を脅かす大きな問題です。これまでは検挙の難しかった密漁が、ドローン搭載のデジタル技術を駆使することにより検挙の容易なものとなり、漁業関係者からの期待も大きくなっています。

独自性・先進性

令和3年、全国で初めてドローンを活用し、道警と合同で密漁者2名を検挙しました。以降も3件5名を検挙しましたが、他の都府県ではこうした実績はありません。漁業に精通し、事件捜査の知識・経験が豊富な取締船乗組員自らが高度な技術を取得して、ドローンを飛ばす事で、捜査機関の理解・協力が円滑に得られています。

持続性・発展性

密漁は毎年繰り返され、また、水産物の採補は魚種により時期が異なるため、ドローンを活用した取締りや啓発活動は、毎年、通年で取り組む必要があります。近年、水産物の価格高騰により暴力団や闇バイトが関与しており、密漁の手段は悪質化、巧妙化していくことは確実で、その取締りにはドローンの活用が不可欠です。

他地域への横展開

全国で初めてドローンを活用して密漁者を検挙した実績により、令和5年度の水産庁主催の全国会議で講演を行いました。他県の参加者からは積極的な質問が寄せられ、関心の高さがうかがえました。また、税関からの問合せも多く、ドローンは漁業取締りに限らず、あらゆる犯罪の抑止に役立つと感じています。

取組を進めるうえで苦労した点

密漁者が監視員に危害を加えた事件もあり、取締りには警察との連携が不可欠です。このため、各警察署に赴き密漁現場の空撮映像を実際に見てもらい、ドローンの有効性が認知・信頼されるようPRしました。また、漁業取締りの性質上、海や川の上空を飛ばすため、落下により水没しないよう、操縦には細心の注意が必要です。

取組の成果を上げることが出来た秘訣・工夫

漁業に精通し、事件捜査の知識・経験が豊富な取締船乗組員がドローンを操縦できる事をいかし、密漁者が狙いやすい場所を飛行させるなど、効果的な取締りのため工夫しています。また、警察と協力して取締訓練や啓発活動を行っており、その様子がテレビやインターネットで広く報道される事で、密漁抑止が期待できます。

今後の展望

漁業資源の保護のため、ドローンによる夜間取締りの要望も多く、今後は現在の取組に加え、ドローン搭載カメラの赤外線機能を活用した密漁の摘発に努めていきます。また、闇バイトと思われる若者の集団密漁を内偵しており、今後、警察と協力して検挙していきたいと考えています。