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Digi田甲子園の事例を中心に、
デジタルを活用した地域の
課題解決や魅力向上の優れた
取組をご紹介します。

保育とAI ~生成AIによる保育業務の効率化~

公益財団法人 ハイパーネットワーク社会研究所教育・子育て

実施年度

第4回Digi田甲子園

主な実施地域

大分県大分市

取組開始時期

2024年4月

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取組内容

生成AIを活用し、月間指導計画作成の効率化を図った。具体的には、①生成AIに保育所保育指針や園のデータ、月間指導計画のサンプル等を学習させる、②そこにプロンプトとして保育士が記載した前月の反省点を入力し、月間指導計画の作成を指示する、という2ステップを踏むことで、1週間近くかかる月間指導計画の原案が一瞬で仕上がる。全国的な保育人材不足は大分県においても同様であり、県の調査によれば希望どおりの保育士数を雇用できなかった施設の割合は36%に及ぶ(令和6年4月時点)。今回の取組は、保育士の離職防止に効果的である。

実績や効果

月間指導計画の作成時間:取り組み前1週間程度 → 取り組み後30〜40分程度。主幹保育教諭と担当保育士で大まかな計画内容について話し合いを行い、同時並行で生成AIを活用し指導計画案を作成していく。業務効率化により保育士のこどもと接する時間が増えるとともに、新任保育士でも生成AIで原案作成が可能となり、月間指導計画の作成が過度な負担となりにくい環境を作ることができた。

取組全体を通じて訴えたいポイント

保育士にヒアリングする中で、「こどもが好きで選んだ職業だから、こどもと接する時間は多いほうがいい」という声をよく聞いた。今回の取組を通じて、全国の働いている保育士約60万人がこどもと接する時間が増えるよう横展開していく。

地域の課題解決・魅力向上

今回の取組は、保育士がこどもと接する時間が増えることで、やりがいを感じ、離職防止につながる取組である。このことは、保育人材不足の課題解決に資するものである。また、保育士に余裕ができることで保育の質も向上し、保護者が安心して預けられる保育所となり、人口増や流出抑制の効果も期待できる。

独自性・先進性

生成AIは様々な分野で活用されているが、保育分野での活用事例は多くない。これまで、保育所におけるデジタル活用は保護者との連絡ツールや登降園システムといったコミュニケーションツールが一般的であった。今回のように、月間指導計画という保育の内容にまで踏み込みデジタルを活用したのは画期的である。

持続性・発展性

今回の取組において、生成AIに読み込ませている保育所保育指針やサンプルデータ等は一般的に流布しており、導入時のコストはさほどかかっていない。導入後のランニングコストも安く、保育所が継続して利用しやすいことから、費用対効果が高く持続的な活用が見込まれる。

他地域への横展開

今回の取組はまだスタートから日が浅く、他地域からの問い合わせはないが、コストがさほどかからないことや各保育所の特色ある計画が作成できること、また生成AIが普及し始めている現状を鑑みると、今後、他地域への横展開は十分に期待できる。まずは大分県内での横展開に向け、協力いただいた保育所と今後の進め方について協議中である。

取組を進めるうえで苦労した点

今回の取組で重要な点は、生成AIが作成した計画が現場に即しているものなのかどうかを検証する点である。検証段階では妥当な内容もあったが、部分的に現場と乖離した内容もあった。当研究所のビジネスプロデューサーが現場からの声を基に、丁寧にチューニングを行った点に苦労した。

取組の成果を上げることが出来た秘訣・工夫

現場の声を聞きながら行ったチューニングが秘訣である。生成AIに保育所保育指針などを読み込ませれば、ある程度の計画作成は可能だが、その精度は必ずしも高くはない。現場に即した計画にするためには、保育所の協力を得ながらチューニングする必要がある。

今後の展望

現在、生成AIから出された計画の内容はベタ打ちで出力されるため、フォーマットに落とし込むシステムにしたいと考えている。また、こどもの発達記録を行うシステムとの連動も検討している。ランニングコストもさほどかからないので、まずは大分県内での横展開を図り、全国に広げていく。