Digi田甲子園の事例を中心に、
デジタルを活用した地域の
課題解決や魅力向上の優れた
取組をご紹介します。
実績や効果
従来は道路整備適地を確認するための現地検討が必要であり、現地検討を行っても再検討が発生することもあるなど、多大な労力を要していた。この取組によって、地図上から適地を効率的かつ高精度に推定できるようになり、従来の再検討が発生していたケースと比較して、適地選定の労力が50%以上削減可能となった。
取組全体を通じて訴えたいポイント
我が国は国土の約7割が森林地域であり、豪雨による山間地での土砂災害が多い。地域の豊かな生活を支えるためには、適切な森林管理と林業の振興が必要であり、その重要な基盤となる森林作業用道路の整備は欠かせない。この取組をモデルとして、デジタル技術を活用した災害に強い道路整備を全国に展開する必要がある。
地域の課題解決・魅力向上
開発した地図は、森林作業用道路整備の適地を高精度で推定することが可能であるため、道路整備の適地選定にかかる労力を大幅に削減するとともに災害に強い道路整備の充実化に寄与する。これによって、林業の成長産業化と森林の適切な管理につながるとともに、地域の産業振興と安全安心な生活環境の創出に貢献する。
独自性・先進性
道路整備適地を選定する際、従来は地形と道路構造の適合性を現地測量で確認していたが、この取組では道路設計ソフトとデジタル地形データから予め道路整備に適した場所を推定し、その結果を国内で初めてウェブマップで確認できるようにした。これによって、道路整備の適地を効率的かつ高精度に選定できるようになった。
持続性・発展性
開発地図を利用する技術者や事業者のメリットとしては、道路計画にかかる労力の削減に加え、災害に強い道路整備ができることで、豪雨にともなう道路復旧費用が削減されることなどがあげられる。また、開発地図は誰でも無料で利用することができ、利便性や経済性に優れたサービスであるため、継続的な利用が見込まれる。
他地域への横展開
この取組は、地図の作成に必要なソフトウェアとデータ(地形、既存の道路)を用意することで、本県以外の地域でも導入することが可能である。この取組を知った他県からは問い合わせがあり、同県では同様の取組を導入するため、必要なデータの準備を進めている。
取組を進めるうえで苦労した点
全国初の取り組みであったため、エビデンスの作成や地図の表現方法など、多岐にわたる内容について、3年間の試行錯誤を重ねて、地図を完成させた。また、地図の利用者にとって、使いやすく、役立つものになるよう、多くの森林・林業関係の技術者と意見交換や現地検討を行い、何度も地図の改良を行った。
取組の成果を上げることが出来た秘訣・工夫
開発地図の作成には、膨大なデータによる複雑な計算が必要であるため、従来は困難であったが、最新のソフトウェアやデジタルデータを活用することで実現できた。さらに、開発地図のウェブ上での公開とプレスリリースなどによって、テレビや新聞などの多数のメディアで報道され、森林・林業関係の技術者への普及が進んだ。
今後の展望
森林・林業関係の技術者に対して、開発地図の活用方法に関する研修会などの普及活動を実施し、災害に強い森林作業用道路の整備につなげていく。この取組は、本県以外の地域でも応用可能であるため、この取組をモデルとして、デジタル技術を活用した災害に強い森林作業用道路の整備を全国に広めていきたい。