Digi田甲子園の事例を中心に、
デジタルを活用した地域の
課題解決や魅力向上の優れた
取組をご紹介します。
取組内容
県教育委員会と県が、企業、高等教育機関、金融機関と連携して、将来佐賀で活躍するデジタル人材や起業家を育成することを目的としている。県内7か所に設けた学びの場、SAGA DI LABで、高校生100名が企業や高等教育機関から派遣される伴走コーチから、3年間をかけて半導体回路設計、プログラミング、データサイエンス、AIなどの「最先端デジタル技術」や「佐賀に貢献したいというマインドを育てる地元学×アントレプレナーシップ」を学ぶ。プログラム名は、幕末日本の科学技術の発展に大きな功績を残した佐賀藩の理化学研究所「精煉方」に准え名付け、将来の佐賀を担うDI(デジタルイノベーション)人材に育ってほしいという思いをこめている。
実績や効果
4月に県全体に募集し、定員60名に23校139名の応募があった。受講生の満足度は高く、3年間の体系的なプログラムを通じて、高専3年生同等のレベルを身に付ける。体系的なDI人材育成や派遣人材(伴走コーチ)の成長など連携先とのWin-Winな関係構築が実現し、産学金官の一体化が実現できている。
取組全体を通じて訴えたいポイント
県教育委員会が中心となり、産学金官連携による「最先端のデジタル技術×地元学」で課題解決や社会的価値創造能力を育むプログラムを進めている。在学中に学びを通じて地元企業と深く関わることで、県内外の大学に進学後も、OB会や個別アプローチなど地元企業の魅力を伝える場を創出し県内への人材定着を進めていく。
地域の課題解決・魅力向上
高校生に興味関心が高いデジタル分野を実践的に学ぶ機会が少ないという課題や産業界における高度デジタル人材のニーズの高まりを受け、産学金官連携により高校生がデジタル技術で新たな価値創造に取り組む教育プログラムの構築により「DI人材循環モデル」を創出し、佐賀の若者が将来佐賀で活躍する仕組みづくりを行う。
独自性・先進性
県内19校、100名の受講生が放課後や休日に週1回2コマ、対面で自発的に伴走コーチと学ぶ県独自のカリキュラム開発。半導体回路設計を取り入れたプログラムは日本初であり、産業界で実際に使用しているCADシステム(ジーダットSX-Meister)を活用した演習からICチップの作成までパッケージ化した学び。
持続性・発展性
成果発表の場としてスキルとスピードを競う県高校生DI選手権大会を通じて、企業等にPRし、コンソーシアムを創設していく。企業等には伴走コーチ派遣により本事業に関わることで若手社員の人材育成につながり、加えて参画企業と受講生との繋がりを深めることができるメリットを実感していただいており、将来的に資金面の支援を依頼し、自走につなげる。また、本コンテンツを他県でも活用できるプラットフォームを構築し全国に横展開していく予定である。
他地域への横展開
本県の取組を参考に、令和6年8月から山口県で「デジタル・エデュテインメント推進事業」が実施されている。また令和8年度佐賀県開催の全国産業教育フェアで、最先端のデジタル技術を活用した競技を取り入れた全国高校生DI選手権大会を実施し、当プログラムの学びを全国に展開する仕組みを作っていく。
取組を進めるうえで苦労した点
予想よりはるかに多い応募に対応するため、拠点を1施設追加するなどの計画変更を行い、7拠点100名が受講できるようにし、企業版ふるさと納税として寄贈された高性能PC70台を配備するなど、教育環境を整備した。また、1つの拠点に最大5つの学校から参加するため、講義日程や時間の調整に苦労した。
取組の成果を上げることが出来た秘訣・工夫
受講者の高い満足度とモチベーション向上が達成できているのは、産学金官連携の高いチーム力が根底にある。3年間の学習動機を維持するために、月1回の特別講義(佐賀大学等でのデータサイエンス、デジタルアートなどの学び)の実施や、DI選手権大会における各拠点チーム戦導入など、絶えず工夫を行っている。
今後の展望
学習管理システム(LMS)による講義動画や資料の閲覧・履歴管理に加え、学びの蓄積としてダッシュボード機能を確立し、受講生をサポートする。さらに産学金官+言(マスコミ)連携により、これらのプラットフォームを全国に横展開し、令和8年度全国産業教育フェアで実施予定の全国DI選手権大会につなげていく。