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Digi田甲子園の事例を中心に、
デジタルを活用した地域の
課題解決や魅力向上の優れた
取組をご紹介します。

水道DX~人工衛星とAIによる水道管の健康診断~

愛知県豊田市上下水道局防災

実施年度

Digi田甲子園 2023

主な実施地域

愛知県豊田市

取組開始時期

2020年4月

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デジタルを活用した取組の全体概要

24時間365日安全安心な「水」を供給するため、デジタル技術を活用した水道管の健康診断により、水道管の健康状態を見える化し、効率的な維持管理に取り組んだ。
①人工衛星データから水の成分を分析し、優先的に漏水調査エリアを特定する
「漏水エリア特定診断」の実施
②「漏水エリア特定診断」の精度をさらに向上させるため、実証実験(漏水リスク評価)
を実施し、検証
③未来の水道管の破損確率をAIで解析し、水道管の入替優先順位を見える化する
「劣化予測診断」の実施し、熟練職員の暗黙知を定量化、入替順位に反映
④人工衛星データから取得した地表面温度を活用して「水道管凍結注意マップ」を作成、
HPで公開、また、凍結防止啓発動画を作成し、市公式LINE等を通じてPush型の情報発信に実施

実施に至る経緯・動機

全国的な課題である、水道管の入替費用の増大、人口減による水道料金の減収、職員の高齢化や減少等により水道の維持管理が難しい中、限られた予算と人員で、全国に先駆け、人工衛星とAIによる水道管の健康診断を実施し、水道管の健康状態の見える化に取り組んだ。

解決する課題の具体的内容

デジタルを活用した取組による成果

「漏水エリア特定診断」にて、優先的に漏水調査を行うエリアを特定したことによる効果 【取組前】調査距離:2,210km 調査期間:60か月(5年)
【取組後】調査距離: 257km 調査期間: 7か月
【効 果】調査距離:約1/10に削減 調査期間:53か月短縮

本取組の特徴的な点やデジタルの活用において工夫した点

  • 豊田市上下水道局全体での維持管理に対する課題の共有
  • 新技術導入に対する上司・同僚の理解
  • 契約担当課との密接な連携
  • 解析に必要不可欠な各種データ(管路情報、修繕履歴情報等)のデジタル化及びその一元管理

成果をあげるためのポイント

  • 課題解決に向けた最新技術の情報収集
  • スタートアップなどの業者への情報提供及びヒアリング
  • 現在の業務に関する課題について同僚、上司、部局上層部、財政部門と共有

デジタル化を実施するにあたり、苦労した点と対応方法

  • 熟練職員の暗黙知を定量化するための基準作り
  • 「劣化予測診断」は海外企業との直接契約であったため、サイン社会との契約、契約書類のやり取りにおける国際郵便の遅延、収入印紙税及び消費税の課税不課税の取扱い、等の契約関係

今後DX化に取り組む自治体等へのアドバイス

  • デジタル化はあくまでも手段であるため、その前段として、課題の見える化、明確化が重要である。
  • また、その見える化した課題を自課を含めて、部局全体で共有することも重要である。
  • 課題の明確化と共有があって初めて、具体的な解決方法としてデジタル化を検討する意義がある。
問い合わせ
部署
愛知県豊田市上下水道局
電話
0565-34-6792
メールアドレス
jyougesui-kikaku@city.toyota.aichi.jp