Digi田甲子園の事例を中心に、
デジタルを活用した地域の
課題解決や魅力向上の優れた
取組をご紹介します。
「本当に」誰一人取り残さないデジタルデバイド対策
大津町誰一人取り残されないための取組
デジタルを活用した取組の全体概要
デジタルデバイド対策として、企業(ソフトバンク)と連携し、Maas型の車両と通信ネットワークを活用した、どこでも、だれでも、参加しやすいスマホ教室を開催している。
教室は1コマ1時間で基本的に事前予約制。車両内での同時受講定員は最大で3人となっており、4G通信を使って講師とやり取りを行うオンライン講習となるが、車両内には支援員2人が常駐しているため、補講的な支援や受講者からの相談などにも柔軟な対応が可能となっている。
現在のところ、1日に3コマの開催で最大9人が受講可能であり、町庁舎、図書館のほかに商業施設も巡回しながら、デジタルデバイド対策を進めている。
実施に至る経緯・動機
本町では、行政需要の多様化・人口増加による業務負担の増大や大手半導体企業の進出に伴う多言語化対応・多文化交流が大きな課題となっている。これらの課題を解決するためには、デジタル化が不可欠であり、デジタル化を推進するには誰もがデジタルを活用できる環境整備が必要であると考え、今回のMaas型スマホ教室を実施することになった。
解決する課題の具体的内容
新型コロナワクチン接種予約やオンライン申請などは、デジタルデバイドの課題が発生し、行政サービス向上が進まない状況がある。公民館などでのスマホ教室は、デジタルデバイド層の中でも、教室当日に都合の合う一部の層にしか届かないが、Maas型車両を用いたスマホ教室は、受講者の都合の良いタイミング、都合の良い場所で受講することが可能で、デジタルデバイド層をワイドにカバーすることが可能となり、急速な各種行政手続のデジタル化に対応できる住民の「デジタルを活用する力」を、徐々にではあるが向上させることができる。
デジタルを活用した取組による成果
スマホ教室の開催数・参加者数
【施行前(R3)】 2回開催(1回90分) 36人参加(延べ)
【施行後(R4)】831回開催(1回60分) 539人参加(延べ)
【施行後(R5)】670回開催(1回60分) 393人参加(延べ)
大津町LINE公式アカウントの登録者数
【施行前(R3)】約2,000人
【施行後(R4)】約7,000人 人口比:約14%増
【施行後(R5)】約8,000人 人口比:約22%増
本取組の特徴的な点やデジタルの活用において工夫した点
役場やショッピングセンターにおいては、Maas型車両を人の動線上に配置し、受講予約が入ってない枠を最大限に活用できるようにしている。また、Maas型車両の利点を最大限に活かし、介護予防事業や福祉施設と連携した移動教室にも取り組んでいる。
本事業は、広報誌やホームページ、公式LINEでの告知の他、庁舎内のデジタルサイネージへの掲載で周知を行っている。
成果をあげるためのポイント
開催場所を役場庁舎以外にショッピングセンターや障がい者施設でも実施し、参加者の増加に努めた。また、広報誌や町ホームページに掲載するなど、広報活動の充実も図った。
デジタル化を実施するにあたり、苦労した点と対応方法
どうすれば参加者増につながるのかを考えるのに苦労した。最初は公民館や運動公園などさまざまな場所で行ったが、参加は多くなく、そこで、推進のためにフェーズを分けて開催。
1「役場やショッピングセンターで開催」→2「地区公民館などで開催」→3「障がい者支援施設で開催」
とステップアップして認知度を上げた。
今後DX化に取り組む自治体等へのアドバイス
DX化を進めるには、誰もがデジタルを活用できること、デジタルを活用することのメリットを周知・啓発することが重要であると思う。DXの活用は、住民サービスの向上と業務負担の軽減、労働人口減少対策にもつながるので、全国の皆さん一緒に頑張りましょう。
- 問い合わせ
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- 部署
- 大津町役場 総務課 行革・デジタル推進係
- 電話
- 096-293-3111
- メールアドレス
- soumu@town.ozu.kumamoto.jp