Digi田甲子園の事例を中心に、
デジタルを活用した地域の
課題解決や魅力向上の優れた
取組をご紹介します。
防災アプリ「ツナガル+(プラス)」~DX で市民の安全を守る!~
福岡県福岡市防災
実施年度
Digi田甲子園 2023
主な実施地域
福岡県福岡市
取組開始時期
2018年4月
デジタルを活用した取組の全体概要
「ツナガル+」は、災害時の避難行動や避難所生活を支援する防災アプリである。 平成28年の熊本地震では、車中泊など指定避難所以外への避難状況の把握が難しいという課題が浮き彫りになった。「ツナガル+」は、指定避難所以外の場所に避難した被災者が、アプリを通して行政に対して避難場所や被災状況及び支援要望を発信でき、行政は、必要な物資の配送など、迅速かつ的確な支援を行うことを可能とする。 また、周辺の指定避難所を表示し、混雑状況やペット同行の可否等が確認できるので、自分にあった避難所を選択できます。避難所内の情報を共有できる電子掲示板機能も備えている。
実施に至る経緯・動機
平成 28 年の熊本地震では、車中泊など指定避難所以外への避難状況の把握が難しいという課題が浮き彫りになった。現地支援を通してその課題を実感した福岡市では、防災DXによる解決に取り組み、防災アプリ「ツナガル+」を開発した。
解決する課題の具体的内容
各避難所の混雑状況や Wi-Fi の有無、ペット同行避難の可否などがアプリを通して確認できるので、自分にあった避難所を選択することが可能である。また、車中泊など避難所以外への避難状況を、行政が迅速に把握して支援ができるなど、デジタルを活用し、災害時にきめ細かな支援を行える。
デジタルを活用した取組による成果
「ツナガル+」稼働後、幸いにも福岡市では大きな災害がなく、熊本地震のような避難所以外に多数の避難者が発生する事態は経験していないが、校区防災訓練や出前講座等を通して地域への普及に取り組み、有事への備えを着実に進めている。
本取組の特徴的な点やデジタルの活用において工夫した点
行政と市民の双方向のやり取りを基本とするアプリであるからこそ、市民意見を大事にしたいと考えており、「ツナガル+」のリニューアルにあたっては、開発途中のアプリを広く市民に操作してもらい、いただいた改善意見を反映する等、実際に利用する市民も巻き込んだ改善に取り組んでいる。
成果をあげるためのポイント
有事に備え、防災訓練を通して「ツナガル+」を活用した情報把握の練度を高めるとともに、市民への普及活動に取り組んでいる。
デジタル化を実施するにあたり、苦労した点と対応方法
導入当初の「ツナガル+」は、平常時にも地域コミュニティでグループをつくり、グループ内での情報共有ができる機能を備えていたが、一部の利用に留まっていた。このため、令和5年3月のリニューアルでは「DX デザイナー」の助言のもと、思い切ってアプリの機能を防災に特化してシンプル化を図っています。
今後DX化に取り組む自治体等へのアドバイス
防災分野は大規模災害の被災経験がないと、DX 化すべき課題の特定や、具体的な検討が困難だが、能登半島地震などの事例を参考にし、自治体が被災することを想定した備えを着実に進めておくことが重要と思われる。
- 問い合わせ
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- 部署
- 福岡市 市民局 防災・危機管理部 防災推進課
- 電話
- 092-711-4153