Digi田甲子園の事例を中心に、
デジタルを活用した地域の
課題解決や魅力向上の優れた
取組をご紹介します。
佐野らーめん店の混雑状況可視化による来訪者の観光周遊促進施策
栃木県総合政策部デジタル戦略課観光・文化・娯楽
デジタルを活用した取組の全体概要
デジタルマップ上で観光施設情報とともに佐野らーめん店の混雑状況を発信し、地域の観光周遊につなげた取り組み。
実施に至る経緯・動機
全国区の知名度のある佐野らーめん店に観光客が集中してしまい、混雑による待ち時間の発生によって佐野市全域の観光活性化が促進されていないという地域課題を解決するため、佐野らーめんを目的に来訪する人の市内周遊を促進する施策を検討する運びとなった。
解決する課題の具体的内容
人気店に人が集中し、待ち時間が長くなっているため、来店時間の分散を図る必要があるほか、各店舗の特徴や魅力を効果的に発信し、混雑を避けた店舗選びもしやすい仕組みが必要である。
また、発生した待ち時間を有効活用してもらい市内周遊へと促すため、観光地情報を佐野らーめん店の混雑状況と併せて発信する必要がある。
デジタルを活用した取組による成果
① 混雑状況の可視化
② 各店舗情報の一元的な発信
③ 観光地情報の可視化
①~③の取り組みの成果は次のとおり。
来店者:混雑状況を発信した店舗のPV数が多く、待ち時間に比例して観光施設のPV数も増加。アンケートの満足度も高かった。
店舗:待ち時間のストレス緩和や佐野らーめん全体の盛り上がりへの期待の声があがった。
本取組の特徴的な点やデジタルの活用において工夫した点
AIを活用した混雑状況計測ツールや混雑状況の可視化などのデジタル技術は既存のものであるが、各らーめん店の特徴を一元的に情報提供することで想定していなかった店舗へ誘導する、周辺の観光情報をマップに表示することで観光周遊を促進するなど、佐野らーめん店及び地域全体の活性化を図った。
成果をあげるためのポイント
① 参加していただいた91店舗全てに取材を行うことでアナログでのコミュニケーションを図り、その際に培った信頼関係をもとに、デジタルツールを効果的な運用につなげることができた。
② 協力いただいた佐野市と運営事業者との綿密な連携により、効果的効率的な事業展開を図ることができた。
デジタル化を実施するにあたり、苦労した点と対応方法
① らーめん店舗、運営事業者、佐野市観光協会、行政といった複数の関係者が関わるため、関係者間での調整やコミュニケーションが必要であった。
② 市内周遊という最終目的につなげるためには、らーめん店の可視化だけでは不十分であり、マーケティングやキャンペーンに取り組むなどサイトの認知度を上げる必要があった。
今後DX化に取り組む自治体等へのアドバイス
「課題を抱える地域」と「課題解決能力を持つ民間企業」が、「地域課題の解決に取り組む行政」の支援でマッチングし、三者協働によりデジタル技術を活用しての地域振興につながった事例である。デジタルツールの導入にあたり、持続可能な仕組みであることや、関係者間で連携しながら進めていくことが大切だと考えている。
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