Digi田甲子園の事例を中心に、
デジタルを活用した地域の
課題解決や魅力向上の優れた
取組をご紹介します。
世界遺産「伊勢堂岱遺跡のXR化」事業
北秋田市観光・文化・娯楽
デジタルを活用した取組の全体概要
ユネスコ世界文化遺産である伊勢堂岱遺跡において、本遺跡と出土品を3D等のデジタル化し、3つの鑑賞システムを制作した。鑑賞システムは、縄文館内に設置したタッチパネルモニターと遺跡HPからVRデータを閲覧でき、オンライン世界(バーチャル)と現実世界(リアル)を融合させ、新たな体験を創り出す総称であるXR(エクステッド・リアリティ)を実現した。
実施に至る経緯・動機
ユネスコ世界文化遺産である伊勢堂岱遺跡において、冬季には遺跡保護のため見学できないという豪雪地域特有の問題や、少子高齢化に伴う遺跡ガイドの担い手不足といった地域課題の解決のために、2022年度に補助事業を実施し、2023年4月から実装している。
解決する課題の具体的内容
遺跡は冬季の積雪時にはストーンサークルの石の保護のために見学できないという豪雪地帯特有の課題があった。また、当市は過疎地域で人口減少が著しく、近年はガイドの担い手が減少したことやコロナ禍にはガイドの接触防止があった。これらをデジタルにより解決し、通年で遺跡の価値を広く発信することが可能になった。
デジタルを活用した取組による成果
【取組前】15分→【取組後】25分
取組によりボランティアガイドの不在の時でも、展示品の詳細がよく理解できたというアンケート結果があった。 伊勢堂岱縄文館の来館者の平均滞在時間が長くなった。
本取組の特徴的な点やデジタルの活用において工夫した点
利用者が使いやすいようにユーザーインターフェースの微調整を何度も行った。出土品の3D化では高画質のカメラを用いて、肉眼をはるかに超える高精細なデータを提供し、デジタルならではの表現に努めた。
成果をあげるためのポイント
オンラインでの利用については定期的にSNSで取組そのものやデジタルツールの使い方を紹介し、関心のある層の誘導を行っている。
デジタル化を実施するにあたり、苦労した点と対応方法
デジタル化の対象が重要文化財(遺跡・出土品)であるために、デジタルデータ制作時に学芸員の立ち合いの下で細心の注意を払い、かなりの時間をかけて慎重に作業を行った。 鑑賞システムはすでに確立したサービスで、これまで美術品に使用されていた。が、出土地点が分かるなど、考古学的解説を盛り込む微調整を行い本資料館にふさわしいシステムに出来上がった。
今後DX化に取り組む自治体等へのアドバイス
組織内だけでなく、ボランティアガイドをはじめとした利害関係者、システム構築委託企業との協力体制を構築することが重要である。
- 問い合わせ
-
- 部署
- 北秋田市観光文化スポーツ部文化スポーツ課世界遺産係
- 電話
- 0186-67-6771