Digi田甲子園の事例を中心に、
デジタルを活用した地域の
課題解決や魅力向上の優れた
取組をご紹介します。
小・中学生の学習用コンテンツサイト「おかやま まなびとサーチ」
岡山県教育庁生涯学習課教育・子育て
デジタルを活用した取組の全体概要
コロナ禍で校外学習や地域での体験活動が十分に行えない中、岡山県教育委員会では、子ども一人ひとりに応じた学習活動や学習課題に取り組む機会を提供するため、県内の博物館や大学、企業等を活用した学習用動画を掲載する小・中学生の学びのコンテンツサイト「おかやま まなびとサーチ」を開設した。 サイトの利用にID等は必要なく、掲載動画も平均して3分程度と視聴しやすく、また、VRを使用するなど興味を引く工夫をしており、コロナの5類移行後も、GIGAスクール構想によって進んだ一人一台端末等を活用して、子どもたちに自らの興味や関心に応じて「いつでも」「どこでも」学びたいときに学ぶことができる環境を提供している。
実施に至る経緯・動機
学習の場は、学校教育だけでなく、社会教育の場にも広がっているが、令和2年度に新型コロナウイルス感染症が猛威を振るい、校外学習や休日の外出に困難が生じた。そこで、社会教育施設等での学びを動画にまとめ、ポータルサイトに掲載することで、学びの機会を確保することとした。
解決する課題の具体的内容
「本物に会いに出かけよう」をコンセプトに、動画内で取り上げる施設や場所は実際に見学が可能な岡山県内のものに特化し、デジタルでの学習とリアル体験との結びつきを図っている。子どもたちは、サイトの活用を通じて、自分たちの身近にある地域資源を再発見し、郷土愛を育み、地域の活力向上に寄与している。
デジタルを活用した取組による成果
アクセス状況(2022年10月~2023年9月)
ユーザー数:のべ198,360人
アクセス数:3,892,784回
サイトを活用した子どもからは「実際に施設に行ってみたい」「文字を読むのは苦手だが、動画だと楽しく学べた」「岡山がもっと好きになった」等の感想が寄せられている。
本取組の特徴的な点やデジタルの活用において工夫した点
特徴的な点として、すべての動画は、岡山県内の施設をもとに作られている。
すべて見学可能な県内の施設を対象としている動画のため、動画を見て興味を持ったら、実際に施設を訪れることが可能である。動画で学び興味を持った子どもは、休日に現地を訪れて本物を見て、触れて、リアルな体験をしてほしい。
また、コンテンツの中には、VRコンテンツがあり、県内の工場などを臨場感のあるVR動画で見ることができる。遠方にあるから校外学習に行けない、今度校外学習に行く施設だから事前に動画を見せて予習しておきたいなど、様々な用途に応じて活用可能である。360度を自由自在に見ることができるので、一人一台端末でまるで現地にいるような臨場感を味わいながら、子どもたち一人一人が調べ学習などに取り組むことができる。
成果をあげるためのポイント
サイトの認知度向上という課題を解決するため、市町村教育委員会にマニュアルを配布し、児童生徒の一人一台端末上にサイトへのショートカットアイコンを一括作成することを呼びかけた。市町村においてショートカットが作成された結果、県内の全児童生徒が気軽にサイトにアクセスできるようになり、一気に認知度が向上した。
デジタル化を実施するにあたり、苦労した点と対応方法
開設当初はサイトの認知度がなかなか上がらず、インターネットを活用した広告を出したり、県の広報媒体を活用したりして、地道にPR活動を行っていた。しかし、広告が掲載されている間はやや閲覧数が増えるものの、掲載期間が終了するとあまり閲覧されなくなることが課題であった。
今後DX化に取り組む自治体等へのアドバイス
動画コンテンツは、特定の時間や場所に依存せず、いつでも学習できる。地域の特徴や文化を反映した動画コンテンツは、子どもたちの地域への理解や郷土愛を育むことにつながる。また、一人一台端末との相性も良い。
時間や距離の制約を越えることができる本取組を参考にしてほしい。
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