Digi田甲子園の事例を中心に、
デジタルを活用した地域の
課題解決や魅力向上の優れた
取組をご紹介します。
デジタルを活用した取組の全体概要
県内医療機関を毎秒10GBの「県域ローカル5Gネットワーク」で結び、5Gの超高速・超低遅延という特性を活かして遠隔での専門医外来診療、診断支援、手術支援指導、救急支援等が行える環境を構築し、専門医の偏在や不足による医療格差の解消に取り組んでいる。 遠く離れた病院間で4K高詳精細映像の患者データが瞬時に伝送され、遠隔診療・遠隔診断をより正確・スピーディに行うことができるため、患者や医師の利便性向上に寄与している。
- R2.1~ 全国初の5G遠隔医療実証
- R3.7~ 県立3病院で「5G遠隔診療室」を実装
- R5.1~ 走行中の救急車と病院間の患者データのリアルタイム伝送による遠隔救急支援実証
実施に至る経緯・動機
医師不足が深刻な僻地医療機関において、都市部医療機関の医師の応援診療により医療体制を確保していたが、長距離を移動する医師の負担が大きく、実施できる回数も限られていることから、高精細映像を用いた遠隔医療の導入が医師から求められていたため、令和2年度から遠隔医療の取り組みを進めてきたところである。
解決する課題の具体的内容
ローカル5Gを活用した遠隔医療により、地域の医療現場が抱える医師の偏在や専門医の不足といった医療格差を解消し、僻地でも安心して暮らせる医療サービスの提供に努めている。超高速・超低遅延といったローカル5Gの特性を活かしたオンライン診療や遠隔手術指導の実装により、医師の働き方改革や負担軽減にもつながっている。
デジタルを活用した取組による成果
遠隔医療実施件数
【取組前】56件/年(1診療科、画像診断)
【取組後】247件/年(6診療科、オンライン診療、画像診断、遠隔手術指導)
【得られる効果】僻地でも専門医の診察が可能になったことによる 「病気の早期発見・早期治療」、「医師の働き方改革・負担軽減」
本取組の特徴的な点やデジタルの活用において工夫した点
特に、皮膚科等の専門外来については、超高精細画像の伝送に取り組むとともに、エコーや内視鏡等の動画をリアルタイムで送れることを生かし、若手医師の技術指導・支援を行っている。
成果をあげるためのポイント
遠隔医療において対面と遜色のない診察を行うためには、高速かつ安定した通信による高精細画像の伝送が求められており、本県では通信基盤にローカル5Gを用いることで高画質かつ低遅延の映像伝送を実現している。
デジタル化を実施するにあたり、苦労した点と対応方法
ローカル5Gは、キャリア5Gと比べて、ネットワークや特性を自ら設定できるという優位性があるが、開始当初は期待していた性能が出ず、4K動画もうまく伝送できなかったりと試行錯誤が続いた。性能面、特に超低遅延の特性を生かし、キャリア5Gとの性能差をはっきり出せる適正な設定を見つける点で苦労した。
今後DX化に取り組む自治体等へのアドバイス
ローカル5Gについて、取り組みを開始した当初は試行錯誤が続いたが、現在では企業のノウハウが蓄積し、導入のハードルは下がってきているものと認識している。遠隔医療において、多くの医師から性能面を高く評価されているため、本県の事例を参考に、多くの自治体や医療機関にローカル5Gによる医療DXの取り組みを広げていただきたい。
- 問い合わせ
-
- 部署
- 徳島県企画総務部情報政策課
- 電話
- 088-621-2090