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Digi田甲子園の事例を中心に、
デジタルを活用した地域の
課題解決や魅力向上の優れた
取組をご紹介します。

スマホでつなぐ安心安全な医療

青森県立中央病院医療・介護

実施年度

Digi田甲子園 2023

主な実施地域

青森県青森市

取組開始時期

2022年11月

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デジタルを活用した取組の全体概要

個人が自身の健康に関する情報を所有して管理を行うPHRを軸に据えた医療連携ネットワークを構築した。PHRアプリには、歩数、食事、睡眠時間等のライフログに加えて、情報提供施設で本人確認すると当該施設での医療情報を参照・管理することが可能となる。スマートフォンを所有していない子供や高齢者の場合は家族等が代理登録することができる。PHRアプリで管理している情報は、遠隔地に住む家族等に共有できることに加え、医療機関に共有すると、別の医療機関での治療状況をより早く正確に把握できるようになる。共有された情報はオンライン診療等の場面でも活用できる。医療提供が困難な地域においても医療へのアクセシビリティが確保できる環境の構築を目指すもの。

実施に至る経緯・動機

PHRの活用により、個人の行動変容、健康意識の向上のほか、病院からの通知・連絡などの患者さんとのコミュニケーションに要する業務の効率化も期待でき、院内業務の効率化及び患者サービスの向上等を目的として、導入することとした。

解決する課題の具体的内容

青森県は短命県である。 PHRによるデータの見える化とデータへのアクセシビリティによって、個人起点の行動変容、健康意識の向上が期待できる。 また、家族等に共有されることで、健康・医療への向き合い方が個人の戦いから集団での戦いに変容し、予防・未病対策や健康への動機づけの向上が期待できる。

デジタルを活用した取組による成果

従来型は職員が患者に積極的に利用を促しても月平均登録者が45名程度であった。PHRは職員が患者に利用を促すことをせず月平均登録者は200名程度である。 青森医療圏の情報提供施設数は、従来型では2施設、PHRでは当院のほか9施設が参加意向を示しており、現在、青森医療圏で2つの情報提供施設が稼働済みである。

本取組の特徴的な点やデジタルの活用において工夫した点

事業のコンセプトとして①ユーザによる自己情報コントロール、②医療サービスの需要者・供給者双方へのメリット多重化、③ネットワーク効果の3つを軸に据えている。 医療サービスの需要者・供給者双方がメリットを感じることで、ユーザ・参加施設が増え、顧客獲得コストやサービス提供コストが低減する姿を目指している。

成果をあげるためのポイント

PHRアプリの通院便利機能である再来予約受付、外来医療費後払い、請求書のデジタル化、かかりつけ薬局への処方箋送信機能の運用を開始した。また、PHRアプリを活用した病薬連携トライアル運用を開始し、本稼働に向け、課題と改善策を検討した。

デジタル化を実施するにあたり、苦労した点と対応方法

ネットワーク効果のコールドスタート問題。事業の開始当初、各医療機関を訪問して情報提供施設としての参加検討をお願いしても対応は冷やかなものだった。情報提供施設としての参加意向の施設が4を超えたぐらいから事業構想に同調してくれる施設が増えた。

今後DX化に取り組む自治体等へのアドバイス

PHRアプリの便利機能の拡充・強化、活用方法の普及啓発や国のデータヘルス改革との整合性を図っていく必要がある。

問い合わせ
部署
青森県立中央病院 PHR事業推進窓口
電話
080-3254-3659
メールアドレス
phr.support@aomori-kenbyo.jp