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Digi田甲子園の事例を中心に、
デジタルを活用した地域の
課題解決や魅力向上の優れた
取組をご紹介します。

障害者と企業・福祉系事業向け安定就労システム「キモチプラス」

ネクストワン合同会社誰一人取り残されないための取組

実施年度

Digi田甲子園 2023

主な実施地域

東京都全域

取組開始時期

2018年5月

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デジタルを活用した取組の全体概要

誰もが働きやすい社会を築くために、障害当事者、企業、福祉系サービスをサポートするシステム「キモチプラス」の開発と運用を行っている。 現在、主に活用いただいているのは障害者雇用を実施する企業、就労移行支援の皆様である。 キモチプラスは障害当事者の体調安定、自己理解をサポートし、企業における定着率や生産性の向上に貢献している。 具体的には、障害当事者の日々の体調やメンタルを記録し、体調管理や心のケアをサポートするツールと、病気、障害がありながら働く方の10,000件の体験談を元に作成した、選択肢を選ぶだけでご自身の悩み・企業への相談事を整理し、対策を学べるツールから成り立っている。

実施に至る経緯・動機

発達障害のある方と共に仕事のやり方を試行錯誤しながら働いた経験をもとに、誰かが苦労して見つけた仕事上の工夫が他の人に伝わる仕組みを作りたいと考えた。同時に精神障害のある方の雇用が増える中、多くの課題があることに気づき、障害当事者・関わる方ともにより気持ちよく働ける仕組みを作るべく、サービスを立ち上げた。

解決する課題の具体的内容

法定雇用率が上がり、精神障害のある方の雇用が大幅に増加する中、各社どのように雇用すべきか手探りの状況が続いている。 キモチプラスでは、障害当事者のセルフケアの促進による体調安定、福祉サービス機関と企業の連携強化、当事者本人と企業の障害特性の理解促進によって、定着率や就労準備性の向上を実現している。

デジタルを活用した取組による成果

企業では、障害者雇用での退職率低下と生産性の向上を実現。就労移行支援では、利用者の体調安定と職員の工数削減を実現することができた。具体的には、書類作成の工数や利用者の特性整理の時間が半減しながら品質があがったなどの報告を受けている。企業の成果事例の一つとして、「第31回職業リハビリテーション研究・実践発表会」(2023年11月9日実施)にて、大手商社の方に導入効果を発表していただいた。

本取組の特徴的な点やデジタルの活用において工夫した点

最も大切にしたことは、様々な病気や障害のある方へのインタビューを重ねて、システム作りに障害当事者の声を反映させたことである。また、同様に企業や就労移行支援施設にも、障害当事者のサポートに力を注ぐために必要なことや現状の課題を聴き取り、試用と改善を繰り返してキモチプラスを作り上げていった。

成果をあげるためのポイント

体調が安定してきた、生産性が向上したといった嬉しいお言葉を多くいただいているが、当サービスはまだ発展途上にある。実際にご利用いただいている方々や企業様へのヒアリングを通じて効果を測定し、また社内でのアイデア出しを繰り返しながら、有効性や利便性の向上を目指して日々アップデートを行っている。

デジタル化を実施するにあたり、苦労した点と対応方法

障害特性は一人一人異なるため、できるだけ多くの事例に触れる必要がある。そのためにまず、仕事体験談を10,000件以上集めることから始め、DB化し分析した。そして、障害や病気の特性を把握した上で、特有の悩みや対策、相談したい配慮事項、効果のあるセルフケアを抽出し、クオリティを高めていった。

今後DX化に取り組む自治体等へのアドバイス

多くのシステムは一度作って完成するものではないので、まずは、身近な課題など取り組みやすいことから始めていただくとよいかと思う。そして運用と検証を繰り返し見直す、また新たな課題に取り組む、という手順で行っていくと、さらに利用価値を高めることができるように思う。

問い合わせ
部署
ネクストワン合同会社
電話
03-6281-9532
メールアドレス
info@kimochi-p.com