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Digi田甲子園の事例を中心に、
デジタルを活用した地域の
課題解決や魅力向上の優れた
取組をご紹介します。

市民参加型のインフラ保全プラットフォーム「TEKKON」

WHOLE EARTH FOUNDATION JAPAN防災

実施年度

Digi田甲子園 2023

主な実施地域

宮城県東北6県+新潟

取組開始時期

2022年10月

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デジタルを活用した取組の全体概要

私たちが開発するアプリ「TEKKON」は、市民の力で社会のインフラを守る「社会貢献型位置情報ゲーム」である。街を歩いて、マンホールや電柱といった公共インフラをスマート フォンで撮影すると、その対価としてポイントをゲット、電子マネーに交換することができる。 市民が集めた写真データは、自治体やインフラ企業に渡り、現地に行かずともイン フラの劣化状態を把握、インフラ管理に活用される。 ゲームを楽しむことが社会貢献につながるという「カジュアルさ」と、貢献した分ポイントがもらえる「インセンティブ」に より、2022年10月のアプリリリース以降、世界中から急スピードでインフラデータが集まっている。

実施に至る経緯・動機

人口減少による担い手不足が加速する社会において、日本中にあるインフラを適切な頻度で点検し続けるには、巨大な資金とマンパワーが必要である。実際、専門職の検針員が点検している業務を、市民の力を借りることで、約10倍以上のスピードでデータが集まり、約30億円分の労働賃金削減につながると考えている。

解決する課題の具体的内容

市民は、普段注目することのない公共インフラに目を向ける機会となり、インフラに対する意識・共感が醸成される。また、インフラを探して街中を歩き回ることで健康増進はもちろん、自分たちの街の魅力を再認識し、街への当事者意識を持つ人が増えている。イベント時には、市外からも観光誘客にもつながっている。

デジタルを活用した取組による成果

2023年度は、東北6県+新潟を管轄エリアとする東北電力ネットワーク社と実証試験を実施。各県で開催したイベントでは、目標データ収集数を全て達成。検視員が20日間かけて点検を行う電柱2,000本を、市民から1日かからずデータが収集された。来年度は本格的に点検業務が TEKKON に代替される予定である。

本取組の特徴的な点やデジタルの活用において工夫した点

あらゆる自治体や企業が、市民参画の必要性を感じているが、市民を動かす動機づけに苦戦している。私たちは、楽しいから行う「ゲーム要素」と、社会貢献への対価をもらえる「インセンティブ」の仕掛けを活用することで、全世界14万人のユーザー獲得を実現した。

成果をあげるためのポイント

成果を上げるためのポイントは、まず参加者のモチベーションを引き出す仕組みをつくることである。TEKKON の事例では、ゲーム要素やインセンティブを組み合わせることで市民の自発的な参加を促した。また、簡単でアクセスしやすい操作性や、データの質を高める工夫が重要である。こうした設計により、多くの市民が参加し、効率的なデータ収集が可能となった。

デジタル化を実施するにあたり、苦労した点と対応方法

TEKKON は、スマートフォンがあれば誰でも、地域に関係なく参加ができる仕組みである。社会貢献意識の高い人だけではなく誰でも参加しやすいように、ゲーム性を取り入れて楽しさを追求、撮影操作はよりシンプルに設計した。また、撮影する人に依存せずに質の高いデータが集まるよう撮影ガイドを設定した。

今後DX化に取り組む自治体等へのアドバイス

DX 化を進める際には、シンプルでアクセスしやすい設計とデータ活用が重要である。TEKKON は、スマートフォン一つで誰でも簡単に参加できる仕組みを採用し、操作を簡略化することで市民の参加を促した。また、データの質を確保するガイドラインを設定し、業務の効率化を図っている。市民参加によるコスト削減も大きな成果であり、これらが DX 成功の鍵となる。

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