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Digi田甲子園の事例を中心に、
デジタルを活用した地域の
課題解決や魅力向上の優れた
取組をご紹介します。

AIロボットで果樹を運搬~月面探査技術で農家の課題を解決

輝翠TECH株式会社農林水産

実施年度

Digi田甲子園 2023

主な実施地域

青森県弘前市

取組開始時期

2021年9月

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デジタルを活用した取組の全体概要

もともとアメリカや日本で月面探査機のAI自動走行などの研究を行っていた弊社の代表が、日本の地方課題解決に自分の力を注ごうと、自身の技術を農業用自動走行ロボット開発にシフトしたアグリテックスタートアップである。凸凹した農地でも走行できる農作物運搬ロボットを開発。AIを利用し、収穫する場所と集荷場を自動で行き来できる機能も搭載。 GPSデータに頼らない技術「SLAM」を採用し、月面と同様に、GPSが利かない中山間地でも使用可能である。食べ物を生産することで社会を支える根幹的存在の農家が直面している、人手不足、高齢化、後継者不在、作業負担などの解決に取り組んでいる。

実施に至る経緯・動機

もともと月面探査機の自動走行の研究をしに来日した弊社の代表が、東北地方の果樹農家の生産現場にボランティアとして訪問したことが事業動機につながった。スマート技術が一番普及していない屋外果樹農家向けに、スマートで儲かる農業を構築するサービスを提供することで日本の農業の未来に貢献したいと考えたことによる。

解決する課題の具体的内容

人口減少のスピードの速い地方において農業をデジタル化することで、農業規模拡大や収益性の向上を実現し経済を活性化する。また、ロボットが収集したデータを官公庁や民間企業に提供して、その輸出・食料戦略立案にも貢献する。緑豊かな明日のために、農家の方々の力となり、農業の発展に貢献していく。

デジタルを活用した取組による成果

  • 青森県のりんごや山梨県のぶどう農家にてロボットを用いることで、運搬作業時間や負担が20%以上削減された。
  • 仙台市「Tohoku Growth Accelerator」2020採択
  • JA「JA Accelerator」2023採択
  • 農水省 「産地・スタートアップのつながりプロジェクト」2023採択

本取組の特徴的な点やデジタルの活用において工夫した点

農家と直接交流することで、どうすれば農家の役に立つのかを意識して サービスデザイン・プロダクトデザインができたこと。数十軒の農家の協力を得てロボットの実証実験を繰り返し実施できたこと。 弊社代表を中心に自分たちが何としてもやり切るという姿勢を持ち、取り組みの想いに共感してくださる皆様からの支援が得られた。

成果をあげるためのポイント

スタートアップ企業は企業ブランドや金銭的・人的リソースが不足していることで、各エリアでの事業展開のスピードが上がらないケースが多くある。創業・事業趣旨と技術的優位性に可能性を感じていただけたら、ぜひ顧客候補紹介やサポート機関の紹介などの支援をいただければと思う。

デジタル化を実施するにあたり、苦労した点と対応方法

経営の知識を身につけて精緻な事業計画を作ること、それを基に起業初期の資金調達を行うことに苦労した。また、ビザ取得や銀行口座開設、補助金申請等の慣れない事務手続きの労力が大きく、思うように研究開発が進まないこともあった。特に起業前後の時期は、事務手続きや経営について相談できる人をなかなか見つけられず苦労した。

今後DX化に取り組む自治体等へのアドバイス

地域におけるデジタル化の主体は、地域外に本拠地を置くスタートアップ(新興企業)であるケースもある。スタートアップは若い企業だが、その分開発スピードが速く、地域の課題を迅速に解決できる可能性もある。弊社も地域の皆様の課題を深くヒアリングし、皆様とサステナブルで儲かる良い農業・社会を構築していきたいと考えているので、これまでご一緒した方、これから出会う方、よろしくお願いしたいと思う。

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