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Digi田甲子園の事例を中心に、
デジタルを活用した地域の
課題解決や魅力向上の優れた
取組をご紹介します。

FIWAREを基盤にした都市OS活用によるスマートシティ展開

日本電気株式会社防災、安心・安全の確保

実施年度

Digi田甲子園 2022冬

主な実施地域

香川県高松市を中心に、富山県(富山市)、兵庫県(加古川市)、愛媛県(新居浜市)、北海道(更別村、札幌市)、宮城県(仙台市)、茨城県(つくば市)、東京都(東村山市)でも実施

取組開始年度

2017年度

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デジタルを活用した取組の全体概要

  • EUの次世代インターネット官民連携プログラムで開発・実装された基盤ソフトウェア(FIWARE)を活用して、地域の活性化や安全など、都市における課題解決に向けて、都市や地域に分散して存在する様々な分野・領域のデータ(防災、観光、交通、エネルギー、環境など)やIoT技術などを通じて収集したデータをクラウド上で蓄積し、共有・分析・加工して提供するサービス。
    • FIWAREは、欧州を中心とした多数の都市や企業でスマートシティを実現するシステムに活用。弊社は、このFIWAREの開発に2011年から携わっており、FIWAREを基に、その品質を独自に検証し、セキュリティを強化したスマートシティ向けデータ利活用基盤サービスとして自治体やエリア開発事業者向けに都市OSの機能を提供。
      (自治体の事例)
      ・高松市:防災関連情報をデータ連携基盤を通じて一元化し、防災の高度化を実現。
      ・富山市:LPWA網とFIWAREを使って、毎年2,000名程度の児童にGPSトラッカーを配布。児童の登下校路の実態データを収集して、地図等の基盤データに重ね、富山大学と共同でデータ分析を行う「こどもの見守り事業」を展開。
      ・加古川市:FIWAREの導入により行政情報ダッシュボードの公開による市保有データの可視化・共有化を実現。保有する防災関連施設や人口統計など各分野のオープンデータに加えて、バスの位置情報等のデータを蓄積し分析することで、ダッシュボードやバスロケーションシステムなど地域課題解決に向けた新たなサービスの提供を推進。

デジタルを活用した取組による成果

アウトプットベース
  • 高松市の事例は、台風やゲリラ豪雨対策として水位計や海の潮位計、道路・鉄道の下のアンダーパスにセンサーを設置し、IoT共通プラットフォームに計14 種のデータを収集している。収集したデータはダッシュボード上に一元表示すると共に、閾値管理をリアルタイムで実施。
(取組前)
  • 高松市では、2004年の台風16号によって中心市街地が広範囲にわたって水没したことから、FIWAREの導入以前は、自治体の職員が2人1組で高松港に向かって、暴風雨の中、大きな物差しで30分置きに潮位を報告。
(取組後)
  • FIWARE導入後は、30分置きに手作業で確認していた県が管理する河川の潮位や水位に係るデータをリアルタイムで入手できるようになった。加えて、手作業で集めていたデータを共通プラットフォーム上に自動収集するようにしたことで、一元的に管理できるようになり、地図上にセンサー設置個所の潮位や水位の状況を表示し、可視化を実現。
アウトカムベース
  • 流域河川の水位などをリアルタイムで把握できるセンサーがなく、職員による現地確認が中心だったが、本システムの導入により、市役所から現地の状況変化をモニタリングし、早期に状況把握(市民への迅速かつ的確な情報提供、職員による効率的な現地調査など)が可能な環境を整備。
  • また、センサーから収集する水位・潮位のデータのほか、オープンデータとして香川県のかがわ防災Webポータルで公開されている水位・潮位・雨量のデータについても収集し、高松市ダッシュボード上でリアルタイムに可視化。

取組の成果をあげることが出来たポイント・工夫

  • 高松市の事例では、参画された周辺の3自治体において、データ連携基盤の導入ニーズや機運があったものの、単独整備のハードルは高かった。そのような中、高松市がデータ連携基盤の共同利用に対し前向きで、市役所庁内の説得に留まらず、近隣自治体へ迅速に働きかけてくれた結果、共同利用モデルを実現することができた。

取組を進めるうえで苦労した点

  • 高松市の事例を通じ、データ連携基盤の共同利用モデルを検討する中、参画された3自治体のそれぞれにとって有益な取組となるよう尽力した。費用面がネックとなり一過性の取組で終わらぬよう、長期的な観点で、地域課題の解決に繋がるよう現在も継続して共同利用モデルのあるべき姿を検討している。

今後、デジタルの活用に取り組もうとしている企業や自治体へのアドバイス

  • 都市や地域の課題解決を目的とするスマートシティを実現するためには、データの利活用が重要である。そのためには、一義的にまちづくりを担う自治体の取組だけではなく、「自治体とベンダーが密に連携したスマートシティの取組」や「データ連携に必要な標準化などの取組」が大切である。
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NEC クロスインダストリービジネスユニット スマートシティ事業部門
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