Digi田甲子園の事例を中心に、
デジタルを活用した地域の
課題解決や魅力向上の優れた
取組をご紹介します。
「スマホ1つでバス・鉄道を利用可能に」~地域交通DXを支援~
KDDI株式会社交通、物流
実施年度
Digi田甲子園 2022冬
主な実施地域
徳島県(徳島市、小松島市、阿南市、美波町、牟岐町、海陽町、那賀町)
取組開始年度
2021年度
デジタルを活用した取組の全体概要
- 地域交通は人口減少・高齢化等による利用減少等の課題に直面しており、導入・維持コスト負担の重さからキャッシュレス対応が進んでいない。高精度位置測位やNFCタグ等を活用し、地域交通に適した低コストで利便性の高いシステムを開発し地域交通DXを支援。
- 当該地域のキャッシュレス化を事業者軸(縦割り)ではなく、利用者目線・地域軸で自治体、民間企業が一体となり、より良いUI、UXを検討、実装。その結果、乗り物(鉄道、バス)に関わらず、スマホをNFCタグにかざすことで自動で運賃計算、支払いが出来る仕組みを実現。移動を促進するデジタルクーポンの発行、消込にも対応している。
- また、スマホに不慣れな利用者にもご利用いただけるよう、アプリダウンロードや個人情報入力、メールアドレス認証等を不要としており、幅広い年代で利用されている。
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(1)鉄道、バスのキャッシュレス化
- 狙い:切符を事前購入することなく、自動で運賃計算、キャッシュレス決済が可能。鉄道、バスの連携運賃の適用可否も、システムで自動判定・決済可能 (定期のデジタル化にも対応)
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(2)乗降可否判定
- 狙い:乗降時に車載機器から乗降可否を通知することによる利便性向上、乗務員の負荷軽減
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(3)利用データの取得、分析
- 狙い:従来取得出来ていなかった乗降場所や利用時刻、頻度等、今後のダイヤ編成最適化や地域交通政策の策定・検証に資する基礎データとしても活用可能。
(本システムの特長)
(取組内容)
デジタルを活用した取組による成果
アウトプットベース
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取組前の課題
(1)利用者利便性:キャッシュレスに対応していないため、利用者は現金払いが基本
- 鉄道…無人駅が多く、切符を事前購入できない(列車内で乗務員に申告し支払う)
- バス…整理券方式で慣れていない利用者には運賃が分かりにくく、小銭や両替が必要
(2)事業者工数
- 鉄道・バス共同経営における定常的な利用実績集計、事業者間の精算はアナログ対応で工数を割いている。
- 乗務員による切符の目視確認も必要で、業務効率・正確性確保の観点でも課題。
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取組後
(1)利用者利便性:向上
- 鉄道…事前に切符を購入することなく、スマートフォンで乗降(運賃支払い)が可能。
- バス…乗降バス停判定と運賃計算、キャッシュレス決済までがスマートフォン1つで完結。
(2)事業者工数:削減に貢献
- 利用実績のリアルタイムな把握・データ出力が可能となり、実績把握、集計工数を削減。
- 乗降通知システム導入により、乗務員による切符の目視確認が不要に。
アウトカムベース
- 利用者・事業者それぞれで一定の評価を獲得。コストとサービスレベルのバランスを実現。
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利用者評価(※利用者数非開示)
20代~50代を中心に幅広い年代で利用され、通勤通学をはじめとした日常的な利用に結びついた。- サービスの平均満足度:3.87(5段階評価)
- 継続利用意向:80%が「これからも使いたい」と回答
- 「特に牟岐線でワンマン区間で無人駅から乗り、途中からワンマンで無くなる時は、車掌さんを呼び止めて切符を買わないといけないので、タッチ決済はすごく便利です」、「普段現金を持ち歩かないので、切符を買わずに利用できるのはとても便利です。ぜひ実用化してください。」
<アンケートコメント(抜粋)>
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事業者・自治体評価
- コストとサービスレベルのバランス:「サービスレベルを踏まえると割安」または・「満足」(58%)、「普通」(37%)、「割高」(5%)
取組の成果をあげることが出来たポイント・工夫
- 鉄道とバスの共同経営による通し運賃適用をスマホタッチ支払いでも実現。キャッシュレス化によるさらなる利便性向上を図った。
- アプリダウンロードが不要なWEBアプリを用い、利用までのハードルを低減。
- NFCタグだけでなくQRでの乗降も可能にし、さまざまなスマホ端末で利用可能な環境を整備。
取組を進めるうえで苦労した点
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(1)共同経営による通し運賃の適用
- さまざまな乗降パターンを想定し、1つ1つのケースを洗い出したうえでシステムに反映した。
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(2)乗務員端末での乗降通知設計
- タブレット端末を用いた通知の仕組みを搭載。乗務員負担を極力抑えるべく、シンプルな設計を目指した。
今後、デジタルの活用に取り組もうとしている企業や自治体へのアドバイス
- 今回の成果は、交通事業者様・自治体様のキャッシュレス化への強い思いと協力の賜物である。これからDXに取り組む領域は、まだそれだけ伸びしろが残されているとも言える。それぞれの得意分野を活かして率直な意見を持ち寄り、DXの先に実現したい地域の未来を共に描くことで、よりよい成果につながると信じている。
- 連携団体
- 徳島バス株式会社、四国旅客鉄道株式会社、徳島県、株式会社アクアビットスパイラルズ
- 問い合わせ
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- 部署
- KDDI株式会社 経営戦略本部 地域共創推進部
- 電話番号
- 03-3347-0077(本社代表)
- メールアドレス
- chiiki-kyoso-bdg@kddi.com