Digi田甲子園の事例を中心に、
デジタルを活用した地域の
課題解決や魅力向上の優れた
取組をご紹介します。
デジタルを活用した取組の全体概要
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イノシシ、サル、シカ等の鳥獣による農作物被害等に悩む中山間地域において、住民から害獣の目撃状況及び捕獲状況をデジタルデータによりリアルタイムに取得し、地図データ上で共有、可視化することを通じて、効果的な対策につなげる取組。
- 雲南市三刀屋町飯石地区の住民を対象に、ESRIジャパン株式会社が提供する地図情報ソフト(ArcGIS Online)をベースに開発した鳥獣害対策アプリ「うんなんケモナビ」を提供(2022年9月サービスイン)。
- 蓄積したデータは、地域住民が効果的な対策を行う際の検討材料として活用。雲南市林業畜産課と連携の上、市や県が計画する獣害対策へのエビデンスとして活用し、具体的な対策実行への働きかけを行っている。また、狩猟団体、食肉加工業者ともデータを連携し、狩猟や捕獲後の個体の解体、加工等の出口の部分までワンストップで対応可能な仕組みを整備。
- このほか、データの蓄積を通じて通学路の安全確保や、害獣の住処になりやすい空き家、耕作放棄地、放置果樹等の所在確認も併せて可能となり、地域の安全を守る役割も生まれている。
デジタルを活用した取組による成果
アウトプットベース
- 2022年9月のサービス開始後、3か月間で60件以上の目撃・捕獲情報が自主的に入力された。この中で、これまであまり見られなかったシカの被害が確認され、シカの行動範囲の拡大が確認できた。
アウトカムベース
- 地域住民が獣害対策について話し合うきっかけ作りができ、行政を巻き込んで具体的な対策を検討することができた。
- 獣害発生の原因を、エビデンスベースで分析し、仮説を立てることが可能になった。
- 安全で安心な地域を作るための基盤としてケモナビが機能し始め、地域の一体感醸成に寄与した。
取組の成果をあげることが出来たポイント・工夫
- 雲南市三刀屋町飯石地区は、2020年から「自分からできる鳥獣害対策」として、住民一人ひとりが効果的な対策方法を検討しながら、地域をあげて獣害対策に取り組んでおり、効果的な対策方法を検討する入口のひとつとして、デジタルによる被害状況の可視化がうまくフィットした。
取組を進めるうえで苦労した点
- ご高齢の住民が多く、デジタルデバイスの利用に対する抵抗感が強かったため、まずはスマホ等での入力に慣れていただくべく、各自治会において住民さん一人ひとりに入力方法のレクチャーを実施したほか、当組織において住民さんからの電話での入力受付を実施する体制を整備した点。
今後、デジタルの活用に取り組もうとしている企業や自治体へのアドバイス
- 人口減少と高齢化は全国の中山間地域において共通する課題だと思われる。そうした中で住民の方々ができるだけ新たな負担を感じることなく、今の暮らしと生きがいを守るための手段としてデジタルの力は今後重要になってくると思われる。住民の方々の抱える課題に寄り添える存在としてデジタルの力がうまくかみ合うと、DX化は必ず実現できると思う。
- 連携団体
- 特定非営利活動法人おっちラボ
- 問い合わせ
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- 部署
- 雲見の里いいし
- 電話番号
- 0854-45-4224
- メールアドレス
- iishi-c@bs.kkm.ne.jp