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Digi田甲子園の事例を中心に、
デジタルを活用した地域の
課題解決や魅力向上の優れた
取組をご紹介します。

WEBアプリ「湖レコ」で漁獲情報の迅速収集とデジタル化

滋賀県漁獲情報デジタル化推進協議会農林水産業、食関連

実施年度

Digi田甲子園 2022冬

主な実施地域

滋賀県

取組開始年度

2021年度

関連タグ

デジタルを活用した取組の全体概要

  • 琵琶湖の水産資源を持続的に利用するためには、魚種、操業場所、漁法、漁獲量といった漁獲情報の把握が欠かせない。滋賀県では、漁業許可等を所有する全ての漁業者が自身のスマホ等で漁獲情報を報告できるシステム「湖(うみ)レコ」を開発、運用を開始。
    • 2021年7月13日、滋賀県の漁獲報告のデジタル化を推進するため、滋賀県漁業協同組合連合会と滋賀県で組織する滋賀県漁獲情報デジタル化推進協議会を設立。同年11月、滋賀県は、アインズ株式会社、ウイズ株式会社と連携し、漁業者が所有するスマホなどで簡単かつ迅速に漁獲報告が出来る漁獲報告システムの開発に着手。
  • 本システムは特別なソフトを必要としないWEBアプリケーションとし、約1,500の漁業許可(漁業者数では約520名)を対象に各漁業者が①操業日、②漁法とその規模(網の数や操業時間等)、③魚種毎の漁獲量、④操業場所(マップ上で指定)をリアルタイムに報告できるほか、自身が報告した情報を集計・分析・可視化し、所有する漁業許可の詳細を確認できる。

デジタルを活用した取組による成果

アウトプットベース
  • 運用実績(2022年4月1日(運用開始)~12月19日の実績)
    • 本システムを利用した事のある漁業者 約70名
    • 本システムで報告された操業情報  1,860件
アウトカムベース
  • 漁業者としては、日々の漁獲報告を紙で記入する手間がなくなったことに加え、いつでもスマホで簡単に報告可能となっただけでなく、過去に入力した漁獲実績が集計、可視化できるため効率的な操業の検討が可能となった。
  • 県としては、どこの水域で、どのような漁法で、どのような魚種がどれだけ漁獲されているかをリアルタイムで把握することが出来るため、水産行政の施策の検討材料や試験研究機関における資源評価のデータとして利用可能となった。
取組実施前後の数値比較(漁業者からの漁獲報告数)
取組前:2021年度実績取組後:2022年度上半期実績
紙媒体による報告 8,680件(漁業者記入 2分+県入力 1分)×8,680件≒434時間3,295件(漁業者記入 2分+県入力 1分)×3,295件≒164時間
電子媒体による報告 (漁協独自のエクセルファイル)3,959件(漁協者報告 2分+漁協入力 1分+県データ整理0.5分)×3,959件≒230時間(漁業者報告 2分+漁協入力 1分+県データ整理0.5分)×3,320件≒193時間
漁獲報告アプリ湖レコによる報告 -1,860件(漁業者入力1分)×1,860件≒31時間
※漁獲報告10,000件あたりの作業時間 約525時間→約398時間(推定)へ短縮。

取組の成果をあげることが出来たポイント・工夫

  • 漁獲報告は利用者にとって毎日見るシステムになるため、システムのシンプルさとデザイン感を工夫した。また、多くの漁業者に活用を呼び掛けるため、特別なアプリのインストールを必要としないWEBアプリ形式とした。単に漁獲報告できるだけでなく、利用者が自身の操業を振り返ることが出来るよう分析画面を充実させた。

取組を進めるうえで苦労した点

  • 利用対象者は高齢の方も多く、スマートフォンの基本的な操作、システムのログインまでを一人一人丁寧に説明する必要があった。WEBアプリ上に表示される文字やボタンの大きさは端末にも左右されるため、その調整に苦労した。操作に慣れると習慣化してもらえるが、ログインまでのハードルを下げる工夫が必要と感じた。

今後、デジタルの活用に取り組もうとしている企業や自治体へのアドバイス

  • この取組の工夫した点や苦労した点を参考にしてもらい、水産業を一緒に盛り上げてもらいたい。
連携団体
滋賀県、滋賀県漁業協同組合連合会、アインズ株式会社、株式会社ウイズ
問い合わせ
部署
滋賀県漁獲情報デジタル化推進協議会 事務局
電話番号
077-528-3872
メールアドレス
gf00001@pref.shiga.lg.jp