Digi田甲子園の事例を中心に、
デジタルを活用した地域の
課題解決や魅力向上の優れた
取組をご紹介します。
幸福寿命を延ばす在宅ケア支援ツール「ケアエール」
SOMPOケア株式会社医療、介護、健康
実施年度
Digi田甲子園 2022冬
主な実施地域
福島県会津若松市を中心に、大阪府(堺市)、宮崎県(都農町)でも実施
取組開始年度
2022年度
デジタルを活用した取組の全体概要
- ケアが必要な方を中心に、ご家族や友人、ケアに関わる専門職がご本人の体調や生活の様子、心情を写真や動画、音声を活用しながら気軽に共有。関係者同士のコミュニケーションを通じてケアが必要なご本人が望む暮らしをチームで連携しながら伴走。
- ケアが必要な人単位にルームを作り、ルーム毎に関わって欲しい人だけを招待して参加できる(安心した空間づくり)
- ルームの中には、基本的なバイタルや生活情報を簡単に記入できるフォームを用意。嬉しかったこと、気になることなど、メモで記入する内容は写真、動画、音声を活用し、無理なく伝えやすくする工夫を施している(伝えやすさ)
- ルームに参加する人はだれでも入力できるようにし、それぞれが本人と関わった時の様子を共有できるようにし、誰かに負担が偏ることを避けながら、共有した内容に対し、スタンプやコメントで他のメンバーが反応しやすくする(関わりやすさ)
- 地域包括支援センターや居宅のケアマネ、デイサービス、訪問介護など専門職も紙の連絡帳や電話連絡代わりに電子連絡ノートとしてケアエールを利用する(情報集約)
- 自宅での様子やサービス利用時の様子など、本人への理解が立体的になり、共有された内容はデータとしてルーム内に蓄積され、2週間単位でPDFデータとして出力でき、ケアエール外での連携も可能にする(データ活用)
- センシティブ情報も含まれるため、しっかりしたセキュリティー環境を確保する(安心)
- 災害時にも普段のケアに関わる関係者が一緒に状況を確認しながら連携して支援を行う(共助)
デジタルを活用した取組による成果
アウトプットベース
- 2022年11月末現在の利用者数:全国1,241名(内、会津若松市では約450名)
- 導入検討事業所数:約20件
アウトカムベース
- ご本人:周りの声掛けや関わり方が変わることにより、不安が軽減し、精神的な安定感が得られる。
- ご家族:今までは知らなかった(デイ利用時など)姿も知ることが出来、ご本人への理解が深まり、関わりやすくなると共に、介護専門職との信頼関係も構築できる。
- 介護専門職:家族からの情報もタイムリーにケアへ取り入れることが出来、家族を巻き込んだチームケアを実現しつつ、電話や紙書類記録の時間は短縮され、業務効率が向上する。
取組実施前後の数値比較(庶務対応<相談員による連絡ノートやサービス記録など>に関する所要時間)
取組前 | 取組後 | |
---|---|---|
庶務対応時間 | 120時間/月 | 90時間/月(▲30時間) |
登録利用者数 | 30名 | 電子連絡ノートとして利用者20名にケアエールを導入 |
取組の成果をあげることが出来たポイント・工夫
- サービスの企画段階から地域におけるステークホルダーの意見を聞きながら、在宅ケアに必要な本質を意識したサービス設計。
- 住民だけでなく、地域包括支援センターや介護事業所への周知活動も並行して進めることで、地域内にタッチポイントを形成。
- 導入後も地域関係者と定期的にディスカッションできるコミュニティーを運用。
取組を進めるうえで苦労した点
- 関係者の年齢層が高いため、主にスマートフォンを用いて利用するデジタルサービスに対してのアレルギー反応が強い。
- 在宅ケアにおけるステークホルダーが多く、関係者への理解を得るのに時間がかかる。
- 今までにない概念や取組を理解いただくためには、実績が求められるが、初めてのことなので、実績を作れるまでが大変。
今後、デジタルの活用に取り組もうとしている企業や自治体へのアドバイス
- DX化だけでは、市民にあまり興味をもってもらえない。市民や利用者の体験が具体的にどのように変わるかをイメージできるように伝える工夫が必要。
- 個人情報の意識が高くなったことで、デジタルサービスへの警戒心も強くなってきているため、データを集めるためのDXは誤解されやすく、丁寧な説明が必要。
- 連携団体
- SOMPOホールディングス
- 問い合わせ
-
- 部署
- SOMPOケア株式会社 ウェルエイジング事業部
- 電話番号
- 03-6455-8560 (代表電話)
- メールアドレス
- 10_careyell@sompo-hd.com