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Digi田甲子園の事例を中心に、
デジタルを活用した地域の
課題解決や魅力向上の優れた
取組をご紹介します。

北海道炎症性腸疾患患者医療均一化を目指した遠隔医療体制の確立

北海道公立大学法人 札幌医科大学医学部 消化器内科学講座医療、介護、健康

実施年度

Digi田甲子園 2022冬

主な実施地域

北海道釧路市を中心に、帯広、函館

取組開始年度

2021年度

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デジタルを活用した取組の全体概要

厚生労働省指定難病の1つである炎症性腸疾患(IBD)医療に精通した医師は地方には少ない。その結果、遠方の患者は基幹病院まで通院加療を余儀なくされる。遠隔医療連携診療介入により、地方IBD患者の専門医診療を可能とし、診療の均一化を目指す。
  • 北海道難病医療提供体制整備事業として、札幌医科大学附属病院消化器内科が遠隔連携診療を行ってきた。
  • 札幌医科大学附属病院と北海道内の3施設(市立釧路総合病院、函館五稜郭病院、帯広協会病院) とをインターネット回線を経由したクラウドで接続し、診療環境を構築した。
  • 外来通院中ならびに入院加療中患者で、炎症性腸疾患(IBD)疑い、確定診断済みIBD患者、分類不能腸炎患者を診療対象とした。
  • 診察方法は、札幌医科大学IBD専門医と患者と地域病院の主治医の3者をビデオ通話で結び診療を行う「Doctor to Patient with Doctor型」とした。

デジタルを活用した取組による成果

アウトプットベース
  • (原著論文) 「新しい医療体制である遠隔医療診療についての報告―北海道におけるICTを利用した炎症性腸疾患の遠隔連携診療ネットワークの構築と運用事業―」(林 優希、横山佳浩、風間友江、平山大輔、仲瀬裕志)。日本消化器病学会雑誌 119 (9) 830-838, 2022.(補足資料1)遠隔連携診療を開始以降、9か月で延べ36回の診察を行った。このうち、IBD疑い症例1例は腸管ベーチェット病と確定診断された。その他の腸炎疑いの1例は薬剤性下痢症と診断された。分類不能腸炎3例中2例が虚血性小腸炎、1例が家族性地中海熱関連腸炎の疑いと診断された.IBD確定診断例においては、ほとんどが内科治療抵抗症例であり、治療に関しての相談であった。
アウトカムベース
  • 2021年7月27日遠隔医療で派遣医師とも“ワンチーム” メディカルノートのWEBで掲載
    https://medicalnote.jp/nj_articles/210726-004-QS(同日Yahooニュースでも公開:補足資料2)
  • 2022年2月17日衆議院予算委員会第5分科会会議速報(補足資料3)
  • 2022年10月9日(日)北海道文化放送 "炎症性腸疾患”を知る〜どこにいても同じ治療を!遠隔医療の今 YouTube:https://www.youtube.com/watch?v=FdlowDog1Gc

取組の成果をあげることが出来たポイント・工夫

遠隔連携診療体制は、「どこに住んでいても同じ治療が受けることができる」という地域に居住する炎症性腸疾患患者さんに安心感をもたらす。この取組の重要性を、我々のチームの若い医師が十分に理解したことが取り組みの成果につながったと考えている。

取組を進めるうえで苦労した点

札幌医科大学附属病院と北海道内の施設とをインターネット回線を経由したクラウドで接続し、診療環境を構築すること。また、遠隔連携診療を開始する際、必要となる病院間での契約を結ぶ必要があるため、その契約に時間を要した。

今後、デジタルの活用に取り組もうとしている企業や自治体へのアドバイス

医療のみならず、さまざまな分野において、地域の人が今何を必要としているのかを知ることが重要である。それを知ることで、地域の人々の暮らしが豊かになるDX化に取り組むことができるはずである。そして、その取り組みを始めたら、確立できるまで最後までやり抜くという強い意志・熱意が大事である。
連携団体
北海道庁
問い合わせ
部署
札幌医科大学医学部 消化器内科学講座
電話番号
011-611-2111
メールアドレス
hiropynakase@gmail.com