Digi田甲子園の事例を中心に、
デジタルを活用した地域の
課題解決や魅力向上の優れた
取組をご紹介します。
北信濃での観光型MaaSによる利便性向上と広域周遊の促進
東日本旅客鉄道株式会社観光、文化、娯楽
実施年度
Digi田甲子園 2022冬
主な実施地域
長野県北信濃エリア(長野市・小布施町・山ノ内町・野沢温泉村・飯山市・須坂市・高山村・白馬村)
取組開始年度
2022年度
デジタルを活用した取組の全体概要
- 長野県・北信濃エリアの観光をスマホひとつで便利に楽しめる観光型MaaS「旅する北信濃」を展開。観光スポット情報の検索や、交通機関・観光施設・飲食店等で利用できる各種電子チケットの購入が可能。二次交通への電子チケットの適用と電子チケット「エキトマチケット」が利用できる店舗を長野駅周辺に留まらず拡大したことにより、広域周遊が促進。
- サイト内の観光情報や「旅行プランニングサービス」で簡単に旅行プランを計画したうえで、事前にチケットを購入することが可能。
- 観る:観光施設の入場は観光チケットをスマホで見せるだけ。事前に電子チケットを購入しているためスムーズな入場が可能。さらに、サイト内のみのお得な割引チケットの利用により、周辺地域を楽しむことが可能。
- めぐる:一日乗車券やフリーきっぷなどの交通チケット(乗車券)の提示により、鉄道やバスへの乗車が可能。きっぷの紛失の心配もなく、電子チケットの方がおトクになるチケットも準備。
- 楽しむ:1枚500円の電子チケット「エキトマチケット」で、地元グルメやお土産の購入が可能。キャッシュレス決済の促進。
(旅行前)
(旅行中)
デジタルを活用した取組による成果
アウトプットベース
<利用実績>・交通電子チケット:約2,300枚
・観光電子チケット:約5,800枚
・エキトマチケット:約5,800枚
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利用者の6割が、複数エリアのチケット利用実績があり、周遊観光促進に寄与。
- 例えば、長野・小布施フリーきっぷと岩松院拝観券や北斎館入館券、栗菓子店でのエキトマチケットを合わせて利用するケースが多くみられ、移動と観光をまとめて提供できる効果が認められた。
- 「旅する北信濃」をきっかけに開催期間を延長した野沢温泉村の「野沢温泉たけのこまつり」では、野沢温泉の春の味覚「根曲がり竹(竹の子)」を使った料理を1,000円の電子チケットで1,100円分楽しめる「たけのこクーポン」を販売。想定より売上げを伸ばし完売。
アウトカムベース
- 善光寺御開帳に併せて実施した際(2022年4月1日~同年6月30日まで)の参画自治体は5自治体だったが、好評だった実績を踏まえ3自治体の追加参画が決まり、2022年10月よりエリア拡大をして「旅する北信濃」を再開。
- 電子チケットの種類は、善光寺御開帳時は、交通電子チケット10種類、観光電子チケット20種類、エキトマチケット参画店舗が43だったが、2022年12月末現在で、交通電子チケット14種類、観光電子チケット28種類、エキトマチケット参画店舗数142となり、地域への定着・サービスの拡大につながっている。
取組の成果をあげることが出来たポイント・工夫
- 周辺自治体とともにプロモーション費用を負担し、密に連携がとれたこと。
- 地域を知る長野駅社員が自ら交渉して各種サービスを検討し、割引や特典など観光客に対する魅力付けを行ったこと。
- MaaS技術を活用し、これまでなかなかできなかった2次交通事業者と連携することで移動から観光を1つのサービスに集約できたこと。
取組を進めるうえで苦労した点
- MaaSの知名度がまだ低く、どんなサービスを実現したいのか関係者の理解を得るのに苦労した。
- これまで連携が薄かった自治体との費用負担を伴う協定締結。
- デジタル施策に不慣れな観光事業者に信頼を得て一緒にサービスを実現すること。
今後、デジタルの活用に取り組もうとしている企業や自治体へのアドバイス
- MaaSプラットフォーム「Tabi-CONNECT」は予算に応じて様々な機能の利用が可能。
- 多くの機能がCMS(コンテンツ管理システム)に対応しているため、運営担当者のシステム開発経験有無は関係なく、サービスが実現できる。
- 自治体の交通、観光等の課題解決のためのDXツールとして、ぜひ「Tabi-CONNECT」の導入をご検討してほしい。
- 連携団体
- アルピコ交通株式会社、長野電鉄株式会社、長電バス株式会社、のざわ温泉交通株式会社
- 問い合わせ
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- 部署
- 東日本旅客鉄道株式会社 Tabi-CONNECT自治体・企業さま向け問合せ窓口
- メールアドレス
- contact@maas-portal.com